【明慧日本2017年8月1日】不当に留置所に拘禁されていた河北省衡水市冀州区・法輪功学習者の王元昇さん(68歳男性)の家族は、生活費を届けるため、留置所を訪ねたが、すでに唐山へ移送されたと言われた。家族は所長に詳しく情報を尋ねたところ、冀東刑務所第四区画までは教えたものの、グループナンバーや連絡方法は知らないと言われた。
王さんの家族は衡水第二裁判所へ電話を掛け、なぜ弁護士と家族に開廷日を知らせなかったのかと問い詰めたが、判決書を郵送したと言われた。しかし、弁護士と家族ともに判決書を受け取っていなかった。
4月27日、王さんの家族と弁護士は冀州裁判所から懲役3年、罰金5千元の判決書を受け取ったが、家族はそれに署名することを拒否し、裁判所側の関係者に法輪功学習者に対する不当な扱いは違法行為であると伝えた。王さん本人も署名しなかった。
5月5日、王さんの依頼を受けた2人目の弁護士(一審の弁護士は別の案件で日程が合わないため)は、王さんが法輪功を修煉してから心身ともに受益し、自分の信仰を放棄しないため、多くの迫害を受けたことを知り、信仰の自由、迫害の真相を伝えることは違法ではないのに、今回冀州裁判所、公安局、検察庁関係者は法的手続きを無視し、迫害を働き、王さんに対するさまざま不当な扱いから上訴することを決めた。訴状で今回の案件の担当の警官、冀州鎮派出所の警官・尹書強、範曉陽、検察官曹芳、李文貴、陽広順、裁判長・魏文果、副裁判長・劉麗爽の違法行為を指摘した。
訴状は衡水地方裁判所に送られたが、副裁判長・王玉が担当になった。王玉はずっと法輪功学習者の案件を担当してきたが、毎回弁護士と家族に知らせずに一審を支持してきた。今回も同じやりかたで処理したが、判決書を郵送したというのは言い訳にすぎない。
王さんは法輪功を修煉する前はかんしゃく持ちで、長年胃腸炎を患い、体調は天候に影響されやすく、曇った日は特に辛かった。王さんの子供は物心ついた時から、王さんがたくさんの薬を飲むのを日常見ていた。いろいろな健康維持や病気治療の気功を試し、針灸を学んでいたが胃腸炎は治らなかった。1997年、王さん一家全員は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)にかかってしまい、友達に勧められ法輪功をはじめた。法輪功の心性基準「真・善・忍」に基づいて自分を律し、より良い人間になるよう自分に要求していた。冬の大雪が降ったあと、朝早くから村の入り口の道路の除雪をしていたことは、村中に高く評価されていた。王さんは法輪功を修煉してから胃腸炎が完治しただけではなく、性格が穏やかになり、他人に気を配るようになった。
迫害され、九死に一生を得る
1999年7月元国家主席・江沢民は周りの反対を押し切り、法輪功に対する迫害を全国で一斉に行った。王さんは法輪功の修煉をはじめてから心身ともに受益した。この迫害は中国共産党が今まで行ってきたさまざまな政治運動の繰り返しだとわかり、周りの人々に法輪功は無実であり、自分の実体験を伝えていた。そのため何回も迫害された。1999年王さんは外で煉功をしたため、半月にわたり不当に拘禁された。
2001年北京へ陳情に行ったため、1年間労働教養を科された。強制的に法輪功学習者たちに信仰を放棄させるため、2001年4月、石家荘市労働教養第二グループでは、再度、信仰を放棄しない法輪功学習者に対し大規模な拷問を行った。吊るし上げてから殴打したり、縄できつく縛り付けたり、スタンガンによる電撃をしたり、睡眠を剥奪するなどを行った。そのなかで第一グループの警官らが考えだした体罰は特に残酷であった。
労働教養所内のグループごとに洗濯室があり、洗濯物を干すため、高さ2メートルのところに50センチほどの間隔で2本の細い金属製のロープを張っていた。警官らは他の受刑者らに法輪功学習者の上半身の服を剥ぎ取り、両手に手錠をかけてから、両腕を金属製の洗濯ロープにのせて吊し上げてから、下からわざと左右に滑らせた。細い金属線が直ぐに学習者の両腕に深く食い込み、血が流れ出した。その拷問現場は見るに忍びないほど残酷なもので、30分以上このような拷問を受けた学習者もいた。多くの学習者の両腕にこの痛々しい傷跡があり、筋肉と神経の損傷により身体が不自由になった学習者もいた。王さんはこの拷問により、片側の腕は高く挙げられず、指が自由に動かすことができないため、食事を取ることすらも困難になった。釈放されて家に戻ってからも腕は不自由なままで、視力が落ち、物がはっきり見えなくなった。家族は知人から漢方薬をたくさんもらって飲ませたが効かず、1年間以上をかけて法輪功の煉功をして、やっと回復した。
2006年6月、王さんは法輪功の迫害の真相を周りに伝えた際に不当に連行され、家宅捜索をされた。留置所に拘禁中、執行猶予の死刑囚らは、王さんの家族から送られてきたお金や食べ物をほぼ全部奪った。王さんが寝るとき、その死刑囚が手を立てて首を絞め付けられたため、声がかれてしまい、数か月間、王さんの身体は極度に衰弱していた。
同年11月冀州裁判所は王さんに対し、懲役3年の実刑判決を下したが、脈が弱く、血圧は極めて低かったため、唐山刑務所は受け入れを拒否した。しかし、冀州公安局警官陳立勇は、王さんをそのままそこへ置き去りにして、その場を立ち去った。
迫害の真相を伝えたため、再度不当な判決を受ける
昨年10月20日、王さんは法輪功の迫害の真相を伝えるために、横断幕を掲げた際に告発され、10日後不当に連行された。王さんの家族はこの案件を引き受けてくれる弁護士を見つけ、11月15日に案件に着手したとき、すでに書類は裁判所へ送られ、裁判の段階に入っていた。王さんと同時に連行された法輪功学習者が体調を崩したため、検察庁、裁判所側は責任を回避するために企てを謀って、早くこの案件を片付けたがったが、弁護士は憲法に基づいて弁護書を作成し、提示した。その後、予定していた開廷の時間を先延ばした。
1月17日午前9時、衡水冀州区裁判所は法輪功学習者・酒長迎さん、王さんに対し開廷し、北京から来た弁護士2人は無罪の弁護をした。
2月10日、冀州検察庁側は起訴を撤回し、酒さんは無罪で釈放され帰宅したが、検察庁側は酒さんに対して、3カ月ごとに一度は冀州鎮派出所に出向くように要求した。
4月27日、冀州裁判所は王さんの家族に対し、懲役3年、罰金5千元の判決書を送り、署名を強要したが、家族はこれを拒否した。
二審を担当した裁判長は法律上の手続きを無視し、弁護士や家族に知らせず、一審の判決を支持し、王さんを刑務所に入れてしまった。
(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)