【明慧日本2019年4月2日】陳情のために北京を訪れた中国の庶民が、2018年12月3日に待機していた警官らに車に乗せられ、精神病院に送られている動画がネットで話題になった。陳情者は大きな声で「皆さん、よく見て下さい。ここは北京市康民医院だ! 陳情者はこの精神病院に送られています。このことは政府の職員らが行っており、精神病院にどれだけ多くの人達が送られたでしょうか?」と叫んだ。そして救護車両と書かれた車を指さしながら、「救護車と書いてあるが、実は陳情者を捕まえるための専用車だ!」とさらに叫んだ。実際、その車は陳情者を捕まえるための専用車で、精神病院は多くの陳情者を迫害する隠れた基地なのだ。
このように中国共産党は精神病院を国民を迫害する工具として使い、これは中国共産党自身が決めた規定に反している。「武漢晩報」の2010年5月の報道によると、公安部の「安康医院」(国民を迫害するための精神病院の表向きの呼び名)に関する会議は武漢で閉幕した。この会議には23の省・市の関係者が出席し、精神病院に対して警察の同意なしで、正常者を受け入れてはならないと取り決めをしたという。しかし言い換えれば、警察の同意があれば受け入れてもいいということである。同時に各省には少なくとも「安康医院」を一施設として、建設することを決めたという。
「安康医院」とは、名義上、刑事的な犯罪行為をした精神障害者を強制収容する施設のことである。1999年7.20から、中国共産党は法輪功に対する迫害を開始し、法輪功学習者の迫害にこれらの施設が使用された。法輪功の迫害に対する中国共産党内部の文書に、「法輪功学習者に対して必ず薬物療法を行わなければならない」、「必要な時は薬物投与や医薬を用いて臨床実験の方法で、科学薬物により目的を達するように」と明記されている。
公安部門は「安康医院」をコントロールして「安康」という綺麗な名詞を使っているが、実体は人々の視界からはほど遠く離れたものである。中国において、2、30の安康医院があると言われ、外界との接触を絶ち、人に知られることもなく、公安内部でさえ知っている者はわずかである。ある記者は精神的な分野で50年近く働いている医者や、精神障害者の権益を守ってきた弁護士、精神障害者の犯罪を研究している大学教授に取材したが、誰もが安康医院の内部事情をよく知らないという。安康医院に監禁されている法輪功学習者たちの家族は面会を拒否されている。その上、多くの家族が身内の居場所を知らないという。
信念を放棄しない法輪功学習者たちを精神障害者と決めつけ、強制的に安康医院に送って転向するように強制的に仕向けている。いわゆる「心理療法」と言うが、本質的には薬物を使用した精神的な迫害である。薬物を注射して中枢神経を破壊し、身体に高周波電流を流して苦痛を与え、野蛮な灌食をし、縛り上げて殴打したり、鉄の椅子に不動の姿勢で長時間座らせるなどの方法が取られる。これらの非人道的な名目上の精神疾患の治療方法は、国際社会においても禁止されている。ここで最も多く使われている薬物迫害は、毒針の使用である。この毒針の被害者に与える苦痛は、想像を絶するもので、多くの人達が精神異常者になるか、あるいは死亡する。
2000年秋、梁志芹さんや他の多くの法輪功学習者たちは信念を放棄しなかったため、唐山市安康医院で毒針を用いて注射をされた。その後の多くの法輪功学習者の話によると、長時間にわたって耐え難い苦痛に悩まされ、心臓に異常が現れ、掴まれて引っ張られるような感じがするという。また、舌根が硬くなり、心身のバランスを失い、精神的な極度な緊張が続き、大脳の思考と行動がおかしくなり、恍惚とした状態になって記憶力が薄れていくという。そして心理的な障害が重く現れ、一分一秒が長く感じられ、その精神的な苦痛は言葉では表現できないという。梁さんは毒針を注射された後、心不全に陥り二度も気絶したという。邵麗燕さんは精神異常者になった。李鳳珍さんは全ての記憶を喪失してガリガリに痩せ、自力での生活ができなくなった。倪英琴さんは自力で生活ができなくなって3年後に、苦しみながら死亡したという。
張金藍さんは2002年9月、西安市安康医院に連れて行かれ、不明薬物を注射されたあと、全身の感覚を失い、寝たきりの状態になった。その後、彼女は危篤状態に陥り、当局は責任を逃れるために、家族に迎えにこさせて家に帰させた。帰宅後、この状態がずっと続いたまま、彼女は苦痛に耐えながら、2008年に死亡した。
安康医院は公安部の指示の下で動いている。安康医院の受け入れ人数が満員になると、「610弁公室」は一般の精神病院に対しても、善良な法輪功学習者たちの受け入れを強制した。
2004年4月、法輪功への迫害追跡調査国際組織は、中国の15の省にある100以上の精神病院に対して調査を行い、法輪功学習者たちを収容している精神病院は83パーセントを占めたという。しかも、精神障害のない法輪功学習者を転向を目的として受け入れたと答えた病院は半数を超え、この結果は人々を驚愕させた。精神病院で医療に携わっている人々は、法輪功学習者を収容しているのは、政治的な任務であるということをはっきりと理解している。さらにバカバカしいのは、法輪功の修煉を放棄する旨の書類や保証書を書くことが、治療効果が出たと見なし、退院の基準にしているというのである。
ナチスのユダヤ人に対する大虐殺は銃口を人々の面前に置いたが、中国共産党はさらに悪く、法輪功を迫害し、学習者を殺害しても証拠を隠滅し、使用した凶器を見えない場所に隠した。中国共産党は「真・善・忍」を修煉する善良な人々を精神障害者として誹謗中傷し、中国共産党の名の下に精神病院に収容し、薬物をもって残虐な迫害を実施し、未だに迫害し続けている。中国の精神病院は実質上、学習者たちを転向させる基地となり、迫害センターと化した。
最近の明慧ネットで報道したこれらの案件によると、桂林市の法輪功学習者・唐暁燕さんは、警官から渡された水を飲んだあと死亡したという。唐さんは法輪功の修煉を放棄しないために、数回にわたり不当な労働教養を強いられ、洗脳教育を受けさせられた上に、私生活の妨害をたびたび受けて、家宅捜索をされ、2015年8月に再度、連行された。のちに警官から渡された水を飲んだ唐さんは、その直後に身体に異常が現れ、2017年3月に死亡した。享年69歳であった。
明慧ネットの報道によると、唐さんが生前に話した事として、国家安全保衛部門の人員から水を渡されて、飲んだあととても苦しくなり、激しい頭痛がして、我慢できなくなって頭を壁にぶつけ、記憶がほとんどなくなった。それで頭の傷は強制連行された際に負傷したと思っていたという。彼女は口が乾き、渡された水を飲み始めると、思いもよらず、横に立っていた警官が止めに入り、「もう飲むな、これ以上飲むな!」と言って、その水を取り上げて人に渡して立ち去ったという。その後、警官に指示されて手続きに行くと、警官が彼女を見て「自分の姿を見なさい、もう長くは生き延びれないぞ」と言ったという。この水の中に何か秘密が隠されているのでしょうか? なぜ警官は止めに入ったのでしょうか?
2009年4月17日朝5時ごろ、遼寧省凌海市の法輪功学習者・魏秀英さんと、夫、2人の娘一家4人が不当に連行された。警官は夜中に尋問を行い、警官から4人にうどんを渡された。魏さんが3分の1を食べて、異常な匂いに気づき食べるのを止めた。夫と長女は食べておらず、次女はお腹が空いていたため一気に食べ、その後、次女は精神異常者になった。もし、そのうどんに薬物が混入していなければ、このような事態が起きるはずはないでしょう。
明慧ネットの統計によると、1999年7.20の迫害から現在に至るまで、少なくとも数千人の法輪功学習者たちが精神病院に強制的に送られた。そして心身に苦痛を与える薬物を注射されたという。
中国では人権弁護士も迫害されている。北京の人権弁護士・謝燕氏の報告によると、彼が知っているだけで709人の法輪功学習者の被害者が強制的に薬物を飲まされた。彼自身も迫害を受けた時、2カ月以上にわたり薬を飲まされたという。迫害を受けたことのある北京の人権弁護士・江天勇氏は、収容所で詳細不明な薬を飲まされたという。
人権弁護士・藍志学氏の話しによると、法輪功学習者と人権弁護士に対する精神病院での迫害は、とても凶悪でしじゅう行われており、これらの迫害は社会的恐怖になっており、国民が恐れているという。事実上、この極悪非道な迫害のやり方は身体に対する侮辱であり、人道に最も反しているものである。