ベルリンでシンポジウム 中共による臓器狩りを摘発(写真)
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 【明慧日本2012年8月3日】第24回国際臓器移植学会が2012年7月15~19日の5日間にわたって、 ドイツのベルリンで開催された。会期中の7月18日に「臓器の強制摘出に反対する医師会」は会場の近くで「十字路にある移植医学」と題するシンポジウムを開催し た。

  「臓器の強制摘出に反対する医師会」は、米国ワシントンDCに本拠地を置く国際組織で、各専門分野の医師により創立され、組織の趣旨は中国及び中国以外の国で起きている全ての不法な臓器取引行為を制止することである。

 カナダのデービッド・マタス弁護士とイスラエル臓器移植協会の前主席ラヴィー医師は「十字路にある移植医学」のシンポジウムで見解を述べた。

 臓器狩りは中共当局による許可を得ている

加拿大律师麦塔斯在柏林论坛发言

シンポジウムで発言するデービッド・マタス弁護士

 中共当局は、2005年に初めて「中国で移植されている臓器の出所は、死刑囚の臓器が95パーセントを占めている」と公の場で認めた。長期にわたって疑問視されてきた疑惑について、「臓器狩りは中共当局に支持されている」事実がその発表で明らかになった。

  スイスのシュワルツ氏は、コンピュータ専門家として長年にわたり病院に勤務していた。彼は「その他の国にも不法な臓器売買は存在しているが、中国の場合は、他国と比べて二つの違いがある。一つは、中国は臓器の不法取引が許される唯一の政府であり、二つは、中国軍区の病院は不法な臓器取引を通じて直接暴利 を貪り取っていることだ」と述べた。

 深い憎しみと貪欲が不法な生体臓器狩りの要因

 カナダの著名な国際人権弁護士のマタス氏は、生体臓器狩りの不法行為が中国で起きているのは、深い憎悪と貪欲が要因だと述べた。中共は国営マスメディアを利用して、真・善・忍を信条とする法輪功に対する深い憎しみの感情を煽ってきた。もう一つの要因は、政府が医療機関への補助金を減らしている背景があり、刑務所に監禁されているおびただしい人数の法輪功修煉者は「簡単にコントロールでき、かつ隠蔽できる臓器バンクだ」という恐ろしい発想が生まれた。これらの発 想により病院側は、法輪功修煉者から暴利を貪り取ることが可能だと考えるようになったと厳しく指摘した。

  マタス氏は「中国の国内情勢が改善されない限り、中国人医師と中国への臓器移植薬物を排斥すること、また、海外での臓器移植、特に中国での臓器移植を薦めないこと、そして、中国人外科医に研修の機会を提供しないこと」を、列席した海外の医療界の人々に呼びかけ、さらに「倫理に則った行動規範を遵守できない医師に 対して、医師組織、或いは彼らの国際会議への参加を拒絶すべきだ。もちろん彼らの学術論文の発表も拒否すべきだ」と、強い意志を述べた。

 マタス氏は「ネット上で臓器移植の提供源を検索する行為も制止すべきだ。中国のホームページには19社の医療機関が公然と腎臓移植の提供源を探している事実が判明した」と述べた。

 最近、マタス氏は発行人の1人として、『国有臓器』を出版した。この書籍は12人の協力者によって出版されたもので、本の内容は、強制的な臓器摘出に反対する主旨であり、ここ数年にわたって行われてきた調査の最新結果と進展について書かれている。

 中国への「臓器移植の渡航」を禁止するイスラエル

以色列医生李维表示,以色列已在今年四月份开始禁止保险公司支付国民到海外移植器官。

イスラエルの臓器移植について述べるラヴィー医師

 心臓外科医であるイスラエル臓器移植協会の前主席ラヴィー医師は、「イスラエルではすでに、海外での臓器移植により発生した保険金への支払禁止法案が成立し、4月から実施されている」と述べた。

  ラヴィー医師は2005年に1人の患者から「中国ではたった2週間で心臓が提供される」と聞いた時、長年来の経験から、それは不可能だと判断し、その心臓の出所は間違いなく問題があると認識した。調査を通じて、カナダのマタス弁護士とカナダの元国会議員デービッド・キルガー氏の共著『血まみれの臓器狩り』によって、その臓器は法輪功修煉者の物だと実証した。

 真相を理解した後、ラヴィー医師は自らイスラエルの臓器移植法の改正を推進し始めると同時に、積極的に臓器提供をするよう国民に呼びかけた。ラヴィー医師によると、2008年以来、臓器移植を目的として中国へ渡ったイスラエル人の患者は1人もいなかったと判明した。

 イスラエルでは今年4月に新しい臓器移植法が正式に施行され、海外での臓器移植により発生した保険金への支払いを禁止することによって、海外で臓器移植を受ける事例が根絶できた。

 中国の研究論文について徹底審査を実施

 ラヴィー医師は他の重要な進展についても言及した。例えば、ほとんどの国際臓器移植協会には不法な臓器狩りに参与した医師の入会が禁止されている。もちろん彼らの学術論文は発表できない。ドイツの「医師ニュース」(Arteblatt)の報道によれば、今回の臓器移植学会では、中国からの研究論文に対 して徹底的な審査を行い、その内容は基礎科学に限られた。また、ほとんどの臓器移植専門新聞、雑誌などの出版物は、中国のデータの表示や学術論文の発表を拒否している。

 我々の立場をはっきりさせなければ、倫理道徳は許されない

法国医生金认为活摘器官完全与医学基本的救人原则背离。

生体からの臓器狩りは医学の基本原則に背離していると主張するフランスのキング医師

 「臓器の強制摘出に反対する医師会」のメンバーであるフランス・マルセイユのハロルド・キング医師は歯科医師である。臓器移植を受けた患者に口腔衛生知識を説明することがきっかけで、同氏は中国で起きている生体からの臓器狩り事件に注目し始めた。

  キング医師は、中国での臓器移植の件数が年々大幅に増え、死刑囚の人数を遥かに上回っている事実や、中共による臓器提供源についての説明は信憑性がないという事実を指摘した。2001年から中国では臓器移植の提供源はほとんど政治犯によると発表されているが、実際その大部分は法輪功修煉者の臓器である。彼らは煉功しているため、一般人より健康であるため、生体からの臓器狩りをされやすいということも理由の一つであった。

 「中国は唯一、臓器の種類を問わず、また血液型に関係なく、2週間以内に適合する臓器を入手できる国だ」と金氏は述べた。海外において、適合する臓器を手に入れるには数年かかるという事実に比べて、たった2週間という短時間の背後に莫大な臓器バンクが存在していることが伺える。臓器を摘出された人々はその後、死亡する。

 キング医師は、医学は人命を救うためのものであるが、生体からの臓器狩りはその医学の基本原則に完全に背離していると指摘した。「我々は立場をはっきりさせなければならない、さもなければ私達は倫理道徳において許されない」と強い意志を述べた。

 生体臓器狩りの犯行に巻き込まれた西洋の製薬企業

来自瑞士的施瓦茨表示,西方制药公司卷入了活摘器官罪行。

西洋の製薬企業は知らないうちに生体臓器狩りに関与したと公表するスイスのシュワルツ氏

 シュワルツ氏はコンピュータ専門家として病院に長年勤務していた。そのため、同氏は医学文献の検索に精通しており、西洋の製薬企業と生体からの臓器狩りの犯行との関連調査に大いに役立った。

 同氏の把握している資料によると、2004~2012年の間に西洋の製薬企業は中国で合わせて1200例の臓器摘出医薬実験を行ったことが判明した。いくつかの病院で法輪功学習者がそのために死亡した事実が明らかになった。

 2005年、「商業新聞」の記者が、製薬会社Rocheの前任マネージャーのフランツ・ハマー氏に、なぜ貴社は中国で薬物実験を行うのかと質問した時、ハマー氏は「日本と違って中国の場合は臓器移植用の薬物に対する倫理観は文化上問題がない」と答えた。

 同氏は「自発性と原則の透明性は、世界衛生組織により臓器移植に規定されている」と語った。しかし、中共当局は独立調査員による現場への立会い調査を絶対に許可しない。それは透明性の原則に違反しているという。

 その他の信仰団体も被害者

美国作家葛特曼称活摘器官是对全人类的犯罪。

「生体からの臓器狩りは全人類への犯罪」と主張する米作家ガトマン氏

 『新中国を失う』の作者で、前米国シンクタンク研究員のイーサン・ガットマン氏(Ethan Gutmann)は、インタビューをした30人以上の証人達がすべて直接或いは間接的に強制人体臓器狩りに参与しており、それは「全人類に対する犯罪だ」と説明した。

 台湾のある著名な外科医師は「自分の多くの患者は中国で法輪功修煉者の臓器を移植している」と悩みをガトマン氏に語った。

  臓器狩りは2006年にピークに達していたが、今もなお継続している。ガトマン氏の情報によると2008年まで少なくとも6万5千人の法輪功修煉者は臓器狩りが原因で死亡したことが判明した。また、その他の信仰団体、例えばチベット、ウィグルとキリスト教の信仰団体も生体臓器狩りの被害者になっているが、人数的には法輪功修煉者に及ばないだけだという。また、中共当局は2010年11月に「3、4年以内に死刑囚の臓器摘出を中止する」と発表したが、政治犯に対しては全く言及しなかった。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/7/22/260598.html)
 
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