明慧ネット2015年度人権報告 不法な実刑判決
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 【明慧日本2016年2月10日】明慧ネットが報告した2015年度のデータによると、不法な判決が言い渡された法輪功学習者は878人に上り、そのうち男性は252人で、女性は536人である。その他に、性別が確認できていない者は90人に上る。 

图1:2015年中国大陆法轮功学员被非法判刑人数按性别分布

図1:2015年に不法判決を下された中国本土の法輪功学習者の人数と性別のグラフ

 不法に実刑判決を言い渡された法輪功学習者のうち、河北省の卞暁暉さん(23)が最も若く、甘粛省の廖安安さん(80)と遼寧省の王家国さん(81)が最も年配者となる。

图2:2015年大陆法轮功学员被非法判刑人数按年龄分布,*在被非法判刑的878人中已知年龄的人数为356。图中百分比是以356为基数的。

図2:2015年に不法判決を下された法輪功学習者の人数と年齢のグラフ

 不法に実刑判決を処せられた法輪功学習者は29の省、自治区、直轄市に分布している。下の棒グラフは各省、自治区、直轄市の人数の分布図であるが、特に遼寧省(160人)、四川省(96人)、山東省(91人)が、他の省と比べ群を抜いて多い事がわかる。

图3:2015年大陆法轮功学员被非法判刑人数按地区分布

図3:2015年に不法判決を下された法輪功学習者の29の省、自治区、直轄市別に表した人数グラフ

 不法に実刑判決に処せられた法輪功学習者847人の刑期は、平均すると3年11カ月となり、下の円グラフは、その刑期分布の人数と割り合いを示すものである。

图4: 2015年大陆法轮功学员被非法判刑人数按刑期分布

図4:847人の刑期分布の人数と割り合いを示す円グラフ

 中国共産党による情報封鎖のため、明慧ネットが収集したデータは、実際発生した実刑判決の一部にすぎない。また、上記データは明慧ネットが2015年に報道した事件を統計してまとめたものだが、そのうちの11人が実刑判決を言い渡されたのは2014年である。

图5:2015年大陆法轮功学员被非法判刑人数按月分布*

図5:不当判決が下された月別グラフ

 逮捕から不当判決までの過程

 中国共産党による法輪功学習者への迫害は、基本的に次の段階に分類できる。すなわち、1.不法に逮捕、2.尋問、3.家財没収、4.逮捕状が出される、5.裁判所による裁判、6.実刑判決を言い渡す、7.判決に不服を申し立て提訴、8.提訴を棄却、9.刑務所に入所。刑務所に移送される前に、多くの学習者は地元の留置場に身柄を拘束されるため、実際に拘禁される期間が実刑判決より長くなることが多い。

 法輪功学習者が不法に身柄を拘束されたのち、大抵の場合、警察官による暴力を受け、強制的に尋問されることが多い。留置場では、奴隷的使役及び虐待を受け、刑務所に移送されたのちでも、引き続き奴隷的な苦役、及び洗脳による迫害を受ける。いわゆる「転向」とは、学習者がその意に反して法輪功の信仰を放棄することを強要するものであり、「転向」に拒むと睡眠をはく奪されたり、体罰、拷問を受けたりすることが多い。多くの学習者はこのような迫害のため身体障害になったり、死亡するケースが多い。そのため、不法な実刑判決は学習者及びその家族への迫害の始まりに過ぎない。

 不法に実刑判決を処せられた多くの法輪功学習者は、「真・善・忍」の基準に従って行う善良な人ばかりであり、そのうちの多くは社会のエリートでもある。中には大学講師、法学教授、高級エンジニア、企業家、警察官など、多くの有能な人材の人達も含まれる。

熊辉丰

熊輝豊さん

 明慧ネット2016年1月8日に既報したが、天津市南開区法院は2015年12月4日に、中国航空事業の重鎮である熊輝豊さんに、7年6カ月の実刑判決を言い渡した。熊さんはこれを不服として提訴している。今年、77歳になる熊さんは、かつて8358研究所の副所長を務めており、中国航空学会の理事でもある。

二十五封感谢信

熊輝豊さん(77)に宛てた25通の河南省・河北省の学生、同僚、学校などから寄せられた感謝の手紙

 熊さんは多大な功績を残しており、河南省及び河北省の学生、同僚、学校の関係者などから感謝の手紙が多数寄せられている。また1995年から、貧しい学生のために寄付をしていることが、この感謝状からも分かり、これほど有能で、多くの功績を残した善良な人物である。

 真相を伝えることは法に反していない

 法輪功学習者が不法に逮捕されるのは、中国共産党から受けている迫害の事実や、法輪功は中共のでっち上げたような集団ではないことを、民衆に伝えたからである。学習者はこれを「真相を伝える」と呼んでいる。

 不法に実刑判決を処せられた学習者の多くは、迫害の真相を伝えているときに身柄を拘束されるか、または迫害の真相資料を制作する拠点に、警察官が不法侵入、身柄を拘束され、拘禁されたことがほとんどを占めている。法輪功の事実を民衆に伝える真相資料が、中国共産党にる「有罪の証拠」とされたのである。

 法輪功学習者が迫害の真相を伝えることは法に反していない。中国の『憲法』36条では、中国の公民には宗教を信仰する自由があることを規定しており、また、同条では公民には言論、出版、集会、結社、示威の自由があると規定している。

 中国では、中国共産党が全てのマスコミをコントロールし、共産党一辺倒の宣伝方式で法輪功に罪を着させ、民衆の憎しみを煽動してきた。このような状況下で、学習者が民衆に真相を伝えることは、憲法から付与されている言論の自由と信仰の自由の基本的な権利を行使しているだけであり、本来法律の保護を受けるべきことである。

 真相資料の作成拠点のほとんどは、学習者が自費で立ち上げたもので、そのうちのほとんどは学習者の家を拠点とする。学習者は明慧ネットから各種のチラシ、画報、カレンダー、動画をダウンロードし、自宅で印刷し、製本してから地元の民衆に配布している。また、学習者は面と向かって真相を伝える形式をとっている。

 これらの行為は理性的に行われてきた。たとえ直接迫害を受けている警察官に対しても、暴力的行為は一切なく、常に慈悲をもって迫害に加担しないよう説得している。

 『刑法』第300条を口実とした迫害

 中国共産党が法輪功学習者に対して有罪判決を言い渡す理由の一つは、『刑法』第300条の「邪教組織と結託して法律の実施を破壊した罪」という。法輪功は良い人になるよう教えているのに対して、共産党こそが本物の邪教だと言わざるをえない。江沢民は共産党という邪悪組織を利用して法律の実施を破壊しており、良い人を迫害しているので、中共という邪教には法輪功の信仰を否定する資格はない。

 また、共産党は刑法第300条を理由に有罪判決を出しているが、学習者が実際どのような方法で、法律のどの条文に違反したかについて一度も説明したことがない。

 学習者に対する無罪弁護をサポートする法律が増えている。たとえば、2015年11月27日、広東省河源市法院にて法輪功学習者・呉紅衛さんへの一審判決の中で、中国の著名な弁護士・張賛寧さんが無罪弁護を担当した。

 張氏は法廷にて、「本当に中国の法律の実施に違反しているのは、ほかでもない江沢民その人です。江沢民こそが真の犯罪者ではないでしょうか」と訴えた。これを受けて傍聴席から大きく鳴り響く拍手が送られたが、直ちに裁判官に止められた。

 張弁護士は、「被告人の呉さんは罪人ではない。そもそも起訴側は法律に違反したことを根拠としていますが、呉さんの行為は、社会的危険性は一切なく、さらに中国の法律では法輪功組織が邪教として規定した条文がどこのもなく、全く記載されていない」と訴えた。

 暴力による尋問

 中国の警察官は法輪功学習者の身柄を不法に拘束した後、尋問する際に暴力を振るい、個人情報、真相資料の出所及び他の学習者の状況を供述するよう強要する。

中共迫害法轮功学员的刑具:铁椅子

法輪功学習者への拷問の一つ:鉄の椅子

 明慧ネットが2015年12月10日の報道によると、鄭麗ケンさんと陳秀雲さんが、敦化市で真相資料を配る際に警察官に身柄を拘束された。二人が尋問を受ける際に、長時間にわたって睡眠をはく奪され、鉄の椅子に強制的に座らされ、少しでも眠りに入ると冷たい水を掛けられ、ビンタを食らわされ、髪の毛を引っ張られるなど、このような迫害が48時間も続いた。

中共酷刑示意图:浇凉水

迫害の図:極寒の中、外で冷たい水を頭や肩から、容赦なくかけられる

 明慧ネット2015年10月21日の報道によると、山東省の学習者が、不法に尋問を受ける際に暴力を受けた。警察官は穴の開いた重い鉄の桶を法輪功学習者・戴東武さんの頭にかぶせ、そして長い棒で繰り返して桶を強く叩いたため、戴さんの聴力が著しく低下した。また警察官は張さんの顔をくりかえして殴り、そのためあごを3針縫うこととなった。警察官は暴力を振るう際に、「殴れ!やれ!死ぬまで殴れ!」と狂ったかのように叫んだ。また、戴さんはトイレに行くことも、睡眠をとることも長い間禁じられた。

中共黑狱酷刑演示:铁桶敲头

拷問のイメージ図:鉄の桶を頭にスッポリとかぶせて、棒で力いっぱいたたく

 法廷での暴力

 不法による逮捕の末、たとえ裁判所は弁護士による弁護を許可したとしても、裁判所での口頭弁論で警察官から暴力を受けることがしばしばある。

 例えば明慧ネットが2015年4月26日の報道によると、瀋陽裁判所では同4月12日に、裁判官の命令のもとで4人の警官らが法輪功学習者・李東旭さんを殴ったうえ、さらに弁護士の首を絞めたうえで外に引きずり出そうとした。弁護士は大きな力が首にかかったため、一度失神してしまった。後に意識を取り戻した弁護士に向かって、警察官は自分の警察官バッジを指さしながら、「私たちはこのように法を実施しているのだ!」と脅迫した。 不当

二零一五年一月二十日,沈河区法院第三次非法庭审于溟等人时,法警施暴拖人

瀋陽区の裁判所における口頭弁論の最中、警官が無理やり法輪功学習者を引きずり出す様子

 明慧ネット2015年9月20日の報道によると、福建省福州市の裁判所における法輪功学習者・李亜ヘイさんに対する法廷審議の前、裁判官は傍聴を要求する李さんの同僚、友人たちの傍聴を拒否したうえ、その場に待ち伏せしていた警官らは、複数名の学習者を拘束した。中には88歳の高齢の学習者も含まれていた。

 弁護士による弁護を妨害

 学習者が不法に逮捕されたのち、その家族は北京の人権弁護士を含む弁護士による弁護を要請することが多い。明慧ネットの調べによると、2015年6月~12月のうち、436名の法輪功学習者が不法に逮捕され、法廷で審議を受けた。そのうちの316名の学習者は弁護士による弁護を受けていたことが分かった。

 弁護士が法廷で被告人の無罪を弁護する際は、法律の視点から裁判所が有罪判決を下そうとする根拠の不十分さや、警察官が当事者に対する尋問の強要、証拠のねつ造及び家族に対する脅迫などの様々な違法な捜査方法を厳しく反論することが多い。

 そのため、中国共産党の裁判所は人権弁護士による弁護を恐れ、えてして被告人の家族に対する脅迫と教唆を通じて、強制的に弁護士による弁護を外すよう強要することが多い。また、学習者の家族が北京などの有名弁護士を雇うと、共産党の関係者らは弁護士に対するあらゆる手段での阻害と迫害を行う。

 明慧ネット2015年9月21日の報道によると。秦皇島青龍県の徐永凡さんが2014年11月15日に警官らに不法に逮捕されたのち、警官らは徐さんの家族に弁護士による弁護を辞退するよう強要した。また、警官が指定する弁護士を受け入れ、警官が提示する有罪とする証拠を認めた場合は、実刑判決の年数を少なくするか執行猶予にすると、警官が家族にほのめかし、家族がこれを受け入れた。

 しかしながら、徐さんの判決では、「法輪功に関する資料の所持数が多いため、執行猶予は認められず、7年の実刑に処する」との判決が言い渡された。また、徐さんを担当した裁判官は、なんと収賄の罪として勤務停止処分を受けている最中の「裁判官」だった。

 家族の苦痛

 法輪功学習者が不法に拘禁されている期間、家族が面会を求めても拒否されることがしばしばあるため、家族が多大な苦痛に耐えている。

 明慧ネット2015年10月26日の報道によると、警官らは10月20日午前9時ころ、6名の法輪功学習者を裁判所に移送した。裁判所の入り口に入ると、被告人とされる学習者の家族は久しく学習者を見かけると一斉にパトカーの後を追う。中には泣きながら追いかける人もいた。何といっても、既に13か月ぶりに顔を見かけることができたからだ。

 明慧ネット2015年12月2日の報道によると、天津市濱海鮮区の小学校音楽教師の李英さんは不法に拘禁されてから6カ月が過ぎ、11月に裁判の審議を受けた。李さんの80歳高齢の父は娘を思う中、10月22日に娘と最後に会うことなく他界した。

 刑務所の中の苦難

 前述の通り、学習者が不法に実刑判決を処せられたのは、ただ自分と家族が受ける苦難の始まりに過ぎない。学習者が刑務所に拘禁されてから、まずいわゆる「入監隊」に入る。そこで刑務所の警官に強制的に転向するよう強いられる。仮に意に反して信仰を放棄すると表明し、いわゆる「五書」を書いたとしても、その後各収容施設で拘禁され、奴隷的苦役を強いられる。また、警官は他の刑事受刑者を使って学習者に対する虐待と侮辱を与え、学習者が煉功すると滅多打ちにされる。

 明慧ネット2016年1月2日の報道によると、瀋陽第一刑務所では、昇進の評価の一環として、そしてボーナス額の増額の指標として、当該刑務所の学習者の転向率を評価している。そのため、刑務所の警官らは年末になると狂ったかのように学習者を迫害し、拷問・虐待を与え、強制的に転向させようとする。

 また、明慧ネット2015年12月19日の報道によると、遼寧省本渓渓湖刑務所は一年中を通じて暴力による転向政策を実施している。法輪功学習者の孟憲光さんと陳秀さんらは同年12月20日に、連続3日間の電気ショック棒による電撃を受け続けたため、自力で歩くことすらできなくなり、身体障害者となってしまった。

酷刑演示:电棍电击

拷問の実演:電気ショック棒による激痛を伴う電撃を与えられ、皮膚は焼けただれ、えぐれ、立つことができなくなり、身体障害者になる者もいる

 民衆の声援と救助

 中国共産党による法輪功学習者への不法な実刑判決などの迫害は、民意を得ていないため、多くの民衆は署名して学習者の救助を応援し、迫害の元凶であり、首謀者の江沢民を法の下で裁くよう要求している。

 明慧ネット2015年11月16日の報道によると、k都市5月以降、河北省倉州と天津市では署名を応募するチラシが町中に広がっていた。五千人近くの民衆が署名し、同年8月17日に不法に逮捕された9名の法輪功学習者の釈放を要求している。

 明慧ネット2015年10月27日の報道によると、不法に実刑判決を処せられた女性警官の崔会芳さんの友人は、署名応募の形で民衆に迫害の真相を伝え、多くの人から署名をもらうことができた。また、同時に人々は江沢民を告発する訴状にも署名した。

民众签名声援崔会芳,举报江泽民

      民衆の多くが女性警官の崔会芳さんの釈放と江沢民を法の下で裁くようにと署名し、応援した

 このようなケースは枚挙にいとまがないほど沢山あり、この迫害の現状を一刻も早くなくさねばならない。

 本文で引用された迫害の事案は、明慧ネットが最近報道された中で数例に過ぎないが、このような理不尽な迫害は過去16年間、そして今もなお中国本土で毎日起きている事実である。

 江沢民をこの迫害の首謀者とする中国共産党政権は、法輪功学習者を不法に逮捕し、有罪判決を下し、長期間服役させ、重労働を科し、拷問を加え、この上なく迫害している。このような善良な人達を迫害するにとどまらず、学習者の家族にも多大な苦痛をもたらしている。同時に、中国の法制度をも破壊しており、道徳と正義に対する蹂躙である。ただ法輪功を煉る良い人たちは、誰もが不法に実刑判決を言い渡される可能性があるものの、悪行をする者らは中国共産党の下でのさばっている。誰もが被害者になりうる今日この頃だからこそ、中国共産党による法輪功学習者への迫害に大いに注目して頂き、中国のみならず全世界の多くの人々に、直ちにこの迫害を制止するよう、これまで以上に注視し、応援して頂きたい。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2016/1/11/322076.html)
 
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