文／中国の大法弟子
【明慧日本2016年12月19日】私と姉は佛教徒の家庭に生まれました。母方の祖母や、叔父も誠実で敬虔な仏教徒です。
叔父の物語
叔父は自分を僧侶だと見なしていました。出家はしませんでしたが、生涯結婚せずにずっと佛教の中で修煉していました。
叔父は世間で流布されている様々な予言を研究しており、また、代々受け継がれてきた『推背図（すいはいず）』（唐の時代に書かれた預言書）の印刷本も持っていました。何度かその本の中のページを見せてくれました。そのページには小さな男の子が書かれており、男の子の頭上には「李」という漢字の木の棒が載っていて、法を広めに来てくれる人は「李」という名字だと何度も教えてくれました。そして、自分が修煉しているのはあくまでも小さい法で、将来は大きな法、仏道が世に広まり、それを伝える者は「十八子」だとよく言っていました。また、預言から推算したところでは、「十八子はすでに産まれている」とのことでした。あの頃の私と姉は、まだ幼い女の子でしたが、心の底から叔父の話を信じていました。
このような修煉文化の濃い家庭で育ったおかげで、私は小さい頃から座禅することができ、正しい法、仏道を追い求めることが人生の目標になったのです。90年代あたりになると、我々の地区でも気功が流行りだし、姉と共にあちこちを探し回り、様々な気功を試しました。私たちが叔父に新しい気功の話をする度に、「その法門の師父の名は『十八子』かい？」と聞いてきます。「違うよ」と答えると、叔父は「『十八子』は『李』という漢字だよ！ 大法の師父は『李』という名字だよ。君たちが今習っているのは大法じゃないよ！」と溜め息をつきました。
1996年、私と姉はようやく法輪大法と出会い、修煉を始めました。大法を得た喜びは言葉には表せません。その頃の叔父はすでに70を過ぎており、私たちから詳細を聞くなり、人生の大半を心静かに何事も自然に任せてきた叔父が珍しく「まだ生きているうちに大法が世に伝わるところが見られるとは！」と感激しました。しかしながら、大法弟子が集団で公園で煉功し、自由に修煉することができると聞いた時、叔父は困惑しました。予言によれば、大法の修煉では極めて大きな魔難や試練に遭い、修煉者は「流罪」や「兵役」などが待ち構えているはずなのに、自由気ままに修煉できるはずがないと言っていました。
叔父が教えてくれた予言の内容のお陰で、後に、共産党による残虐な迫害や、それがもたらす凄まじい弾圧などに驚くことなく耐えることができました。しかしながら、迫害に耐え抜くことが修煉の一部だという誤った認識をしてしまい、一時期は、こうすることでしか精進できないとまで勘違いしていたのです。何度も師父の説法を勉強し、旧勢力を否定するという法理を理解し、自分が何度も迫害を受けて、ようやく目が覚め、根本からこの誤った観念を正すことができたのです。
残念ながら、叔父が生涯学んできたのは大法の法理ではなく、修煉していたのも主意識ではなく、副意識だったので、これらが法を得ることの大きな妨げとなり、叔父が法輪大法を修煉しようとする時、主意識は妨害を克服できずに諦めてしまい、私と姉も家に招き入れませんでした。叔父の話によれば、あの段階では、別空間あるいは夢の中で、「これまで長い間修煉してきて、私もずっとあなたについてきたのに、今、あなたは大法を修煉しようとしている。残された私はどうなるの？ いっそのことあなたを殺して私も死ぬ」とよくある女の子に言われたそうです。叔父は一生をかけて待ちに待った大法がようやく世間に伝わり始めたというのに、いざ大法が目の前に来た時、主意識が大法を修煉するという決断を下せなかったため、修煉の道に入ることができませんでした。
まさに、師父が説かれた通りです。「あなたにこの縁がなければ、本当に入ってくることができません」[1]、「見た目では彼自身がなりたくないように見え、または周りの環境に阻まれ、入ってこられなかったり、誰かから学ばないようにと言われたりしています。そして、彼自身も面倒なことを放下できず、いろいろな困難があって、これもだめで、あれも放棄できないという状況だから、入ってくることができません」[1]
それでも叔父は福報に恵まれました。2003年、叔父は83歳になりました。老いた叔父はベッドに横たわったまますでに半月になり、何も喉を通らず、家族はあとの準備を始めていたのです。私は迫害を受けて家に帰ったばかりで、叔父の状況を知るなり、姉とともに見舞いに行きました。叔父を見て、「叔父さんは大法が正しいと知っているなら、『法輪大法は素晴らしい』と唱えてごらん？」と言ったところ、叔父は力なく手を動かして喉を指し、すでに話せないと教えてくれました。「それなら、心の中で唱えましょう」と私が言うと、叔父は軽くうなずき、私も姉と隣で「法輪大法は素晴らしい」と唱えました。
そして、1時間後、叔父が咳をすると口から痰が出ました。しばらく休んだあと、何か食べたいと言い出したのです。それからは毎日順調に回復していき、7年後、自らの天命を知った叔父は、最後の最後の瞬間まで「法輪大法は素晴らしい」と唱えました。何の病にもかからず、この世を去った叔父はもう90歳になっていたのです。
迫害を拒否する
1999年7月、中国共産党による法輪功に対する迫害が始まりました。天地を覆いつくすほどの血迷った弾圧により、集団で煉功する環境が破壊されました。この現実に心が痛み、「修煉させないというのなら、意地でも修煉してみせる！」と思いました。当時は旧勢力について師父の説法があることを知らなかったので、みんなと公園での集団煉功を始め、この正念のお陰で慈悲なる師父はご加護をしてくださいました。今思い返せば、あのような隙すらない全面的な迫害という状況下で、何人もの大法弟子が公園で公に煉功し、半年ほど続いたのは、師父のご加護がなければ、絶対にできなかったはずです。
はじめのころは、何人かの大法弟子で辺鄙な公園を探しました。場所を決めた後、私はラジオを用意する係なので毎回音楽を流し、正々堂々と煉功を始めました。その後、立て続けに同修が増え、もちろん、旧勢力も目を凝らして迫害する隙を狙っていました。当時の私は悟性があまり高くなく、個人の修煉においても精進しているとは言えなかったため、会社で不公平なことに遭うと、人心が揺らいで怒りを感じ、つい我慢できずに怒り出したり、文句を溢したりすることもありました。
ある日、籠いっぱいの真相資料を積んで自転車をこいでいる時、突然普通車にはねられて気を失ってしまい、運転手もこの隙に逃げてしまいました。巡回中の警察官が私を病院まで運んで家族にも知らせてくれたのです。そして、頭を何針も縫ったと知ったのは目が覚めた時でした。
その後、ある日、公園で煉功していると、突然、大勢の警察官が現れて私たち全員を連行し、テレビ局の記者まで来ました。この時、ふと分かったのです。私が轢き逃げに遭った時、巡回の警察官が地面に散乱した資料を国保警察に渡し、私が大法弟子であると知った国保警察は後を尾行して、この煉功場を見つけたのです。多くの大法弟子は警察署に連行されましたが、その後、次々と家に帰っていきました。けれども、私だけが拷問に遭ったのです。彼らが知りたいのは資料拠点の場所でしたが、私が何も答えなかったため、何も得られず、結局、私を留置場に拘禁しました。
取り調べでは、私が資料拠点の場所さえ言えば、すぐに家に帰れると、ある警察官が言いました。「もし、私が口を割ったら、その大法弟子はどうなるの？」と聞いたところ、「そいつは刑罰を下されて、刑務所に入れられる」と答えたので、私は、「その人が刑務所に入ることと、私自身が入ることとどう違うというの？ その大法弟子が刑務所に入るくらいなら、いっそのこと私が入るわ。場所は絶対に教えない」ときっぱりと断りました。
当時の念が正しかったのか、その後、警察官たちは一度も私を尋問せず、何日か経ったある日、「仮出所」という名義で解放されました。
法理を理解し、旧勢力による迫害を否定する
江沢民を頭とする邪悪な集団による法輪功への弾圧が始まって以来、私は家財の差し押さえや、監禁、判決などを経験しました。当時は法理に対する認識がはっきりしておらず、その上、修煉をするのに魔難や試練を経験しなければならないという予言を、法を得る前に知っていたため、自分は迫害されるに違いないという認識が形成されてしまい、これにより、旧勢力を否定することに関する師父の説法を理解することができず、自らの根本的な観念を変えることができませんでした。そのため、何度も家財を差し押さえられたり、拘禁されたり、労働教養を受けさせられたり、判決を下されるなど、様々な試練がやってきたのです。また、留置場や刑務所の中の警察官に拷問された時も、私は仕方なくこれらの迫害を受け入れてしまったのです。拘禁されている間でも再審や告訴など迫害に抗議しましたが、根本的に旧勢力を否定しなかったために、邪悪の行いに協力しないという態度しか取れませんでした。もちろん、これだけでも邪悪には大きな打撃を与えました。
再審の申請を諦めない私を阻止するため、警官たちは町内会の者を遣わして夫と話し合いをしました。10万元から20万元のお金を「賠償金」ではなく、「生活補助金」として私たちに渡すという条件が出ました。夫はこのことを私に話しましたが、私は「冤罪を認め、『国家賠償』の名義でなければ、申請はやめないし、このお金もいらない」と伝えました。修煉していない夫も私に賛成し、このような「賄賂」を受け取らないと決断を下しました。
解放されてまだ数カ月しか経たないうちに、私は再び留置場に拘禁されて、わずか2、3日の間に、私への逮捕状が下りたのです。
今回のことで徹底的に目が覚めました。涙を流しながら、「私はなんと鈍いのでしょう。精進していないために旧勢力に隙を突かれ、また、師父に心配をかけてしまいました。師父よ、どうか、もう一度私を加持してください。今度は必ずここから出て、もう二度と邪悪に迫害されたりしません。この瞬間からしっかり修煉していきます」と心の中で師父に伝えました。それからしばらくの間、修煉においての問題を法理と照らし合わせながら反省し、直ちに自分の考えや観念の一つ一つを正しました。
「身は牢屋に臥すれど傷み哀しむ別れ、正念正行して法在り、静かに思う幾多の執着の事を、人心を片付けば悪は自ずから敗る」[2]と師父は説かれました。
後に知ったのですが、私が留置場に拘禁されてから、警察官たちは再び家財を差し押さえようと家に行きました。私が何度も迫害されたため、夫はいつの間にか中国共産党の法律を学んだらしく、胸を張って正々堂々と家に押し入ってきた警察官たちに検察院が出した捜査令状を要求し、その上、「君たちにこの家を捜査する資格はない。もし強制捜査を行うつもりなら、誰の命令でこのような不法なことを実行しているのかを、今すぐここで証文を書き、署名も入れなさい」と要求したそうです。もちろん、捜査に来た警察官たちは自分たちの行為が法律に反していると知っているので、だれも何も書けず、そのまま撤収しました。
何日かたった後、私が何の根拠もなしに逮捕されたことを知った夫の怒りがついに頂点に達し、どこから湧き上がった知恵と勇気なのか、私情にとらわれて不当なことが行われていると書かれた大きな横断幕を作り、堂々と家のベランダに張り出したのです。より横断幕の効果を表すため、夫は自らの身体を命綱でつなぎ留めてベランダの外側に出て、横断幕を釘で壁に打ち付けたと、後に夫から聞きました。思い返せば、家はマンションの上層にあるため、それは非常に危険な行為でした。けれども、夫は正義を貫いているので、神様が見守ってくださったのです。
横断幕の掲示は関係者たちを酷く緊張させ、「まずはその横断幕を片付けてくれ、その後に落ち着いて話し合おうじゃないか」と何度も夫に言いましたが、夫はきっぱりと断りました。「今すぐうちの妻を解放したら、この横断幕は外す。それ以外は問答無用！」
不当に拘禁されて10日ほど経ったある日、再び「仮出所」の名義で解放されました。もし、師父がご加護してくださらなければ、事態がこのように変化することはなかったでしょう。
それからしばらくの間、三つのことを続けていても、やはり恐怖心はなかなか取り除くことができず、真相を伝えに行っても、口で真相を伝えているだけで、何の資料も持ち歩きませんでした。夫も「証拠」を警官の手に渡さないように常人としての法律に対する認識の出発点から私に注意しました。
およそ3カ月後のある日、国保警察隊から、仮出所の期間が過ぎたので、正式な釈放に関する手続きをするから公安局に来るようにとの電話がかかってきました。その時は強い正念を持っていたので、「あなたたちがやっているすべての事が法律に違反している。正式など関係ない。私は署名などしない」と断りました。その後、彼らは家族を恐喝したり、友人を遣わして私を説得にこさせたりなど、様々な方法を使いましたが、私は断固拒否しました。そして、このような情況が1年以上も続いたのです。
ある日、2人の検察官が家に来て、公安局に協力しないのなら、公安局側は私を起訴し、資料も今、自分たちのところにあるなどといった様な事を話しました。ちょうど、その日は夫も家にいたので、少しも後に退かずに公安局がどのようにして不法なことを行ったのかを法律と照らし合わせながら言い返しました。2人の検察官は反論できず、「わかった。まずはこの起訴の内容を読んでくれ」と言いました。私はすぐに「見ません。見たらあなたたちが法律を破っている行為に賛同したようなものよ」と断りました。それから、資料はもらっていくかどうかを聞かれて、私は拒絶しました。「もらったら、あなたたちが法律を破ったという証拠になってしまうわ。これでは、あなたたちまで巻き込んでしまう。だから、あなたたち自身のためにも、もらわないことにする」というと、隣で聞いていた夫も、「今持って帰ったら、何もなかったことにする。さもなければ、これから公安局を告発する時、君たちの分も入れさせてもらうよ」と言いました。
これを聞いた検察官たちはすぐに「はい、はい、持って帰るよ」と言って出て行ったのです。
それからは家に押し込むような嫌がらせは全くありませんでした。その時は、「たとえどのような環境にあっても、邪悪の要求や命令、指図には従わないようにしてください」[3]という師父の教えに従う、という一念を決めたにすぎません。正念を持つという一念で旧勢力の按排を全て否定することができると確実に感じました。
軍隊の将校が救われた
真相を伝える時は主に面と向かって真相を伝え、また、シチュエーションに応じて週刊誌や、ネット封鎖突破ソフト、お守り等も併用して伝えます。孫がまだ幼く、私は忙しくなければならないので、孫を抱きかかえながら公園などに行って真相を伝えていました。孫が小学校に上がってからは、もっと公衆の多い場所に行きました。
ある日、公共バスで老人に出会い、挨拶をしてから話を真相などの内容と絡めようと、まずは道路の両側の緑化活動について話しました。なぜ木を植えては掘り出してまた植えるのかが理解できないと疑問に思っていることを伝えたところ、老人も賛同し、政府は国民のお金を浪費していると言いました。その話を機に最近逮捕された賄賂や勝手に国民の税金を飲み食いしている役人たちの話に持っていき、政府役人の腐敗や、中国共産党が作り出した冤罪等によってもたらされた天災人災なども話しました。
その老人はやや困惑そうな表情をしながら、共産党の着服と腐敗は極めて酷い状況だと言いましたが、老人は退職した将校クラスの軍人で、共産党から毎月1万元以上もの退職金を受け取っているため、「わしに共産党の悪口を言えというなら、悪いが、それはできん」とも言っていました。
老人が退職した将校と知った私は、さらに軍隊のボスだった徐才厚（すでに病死）、郭伯雄の話を持ち出しました。「軍隊がここまで腐敗して、あなたのような正直で真っ直ぐな方は、我々の国家のこの状況を見て心が痛むでしょう。あなたが軍隊にいた頃、腐敗や着服など、ここまで酷い状況ではなかったはずです」と言いました。
私の話を聞いた老人は言いづらそうに「確かにあるにはあったが、今ほどではなかった」と教えてくれました。さらに、「徐才厚（すでに病死）、郭伯雄には別のさらに大きな罪名があり、それは江沢民の後に続いて法輪功を迫害し、法輪功学習者たちの臓器を摘出して高額で売りさばいたことです。彼らのような人道を無視した残虐な行為は今や世界中に知れ渡って、世界の全ての大きなマスメディアが報道しています。これが彼らの報いなのですよ」と伝えました。
また、今日の天災人災の多さについても話しました。「中国共産党が悪事ばかりしているから、天災などの罰が当たったのです。中国共産党やその付属の青年団や少年隊に入ったことのある人は三退を公表してこそ、神や佛のご加護を受けられ、無事でいられるなども伝えました。そして、本当に国家の将来を心配している人だけ、共産党がどのようにしてこの国を腐敗させているのかを理解しているのです。徐才厚、郭伯雄のように自ら江沢民の奴隷となり下がった人は国家の将来など気にするはずがありません。我々の国を荒らしている共産党から脱退してこそ、この国の真の主で、真の愛国者なのです。今や慈悲なる神、佛は再び人間に選択の機会を与えて下さいました。もし、あなたが本当に我々の祖国を愛し、家族を愛しているのなら、共産党から脱退しましょう！ あなたは今まで国のために尽くしてきたので、その退職金はあなたが得るべき当然の福利であり、共産党がくれたものではありません。共産党のどこにお金があるでしょうか。すべては国民のもので、国民に養われているだけなのです。それに、脱退しても退職金やその他の福利に影響は及ぼしません。どうしても心配なら、別名を使っても構いません。ですから、本当の愛国者になりましょう」
このように伝えると、老人は「分かった、脱退しよう！」と同意し、そして、本名を教えてくれました。
それから、法輪功学習者が共産党の罪悪を暴いているのも、実は自分たちの祖国を愛するが故の行為で、「三退」を勧めるのも、共産党の道連れにされないよう、人々に教えているのだと話し、法輪功が素晴らしいということを心に刻み、決して法輪功の悪口を言わないように再三注意しました。
間もなく老人はバスから降りていきました。バスが動き出したとき、老人が私に向かって手を振っているのが窓から見え、バスが離れていっても、老人は手を下ろしませんでした。
江沢民訴訟後の真相伝え
江沢民に対する刑事告訴状を最高裁判所と最高検察院に送り、返事を受け取って間もなく、ある日、町内会の責任者に出会いました。その人もかつては私への迫害に加担し、警察官を家に連れてきて家財を押収させたのです。
「これほど痛い目に遭って、まだ法輪功を修煉するつもりか」と彼女が聞いてきました。
「そう聞いてきた以上、答えましょう。心の中からあなたたちのためを思って教えます。以前の私への迫害は完全に違法です。けれど、あなたたちを恨んではいません。みな江沢民の企みに騙されたのです。これだけは伝えておきましょう。江沢民への告訴状はすでに最高裁判所と最高検察院に送りましたし、受領したとの返事ももらっています。『案件があれば必ず立件し、訴状があれば必ず受領する』という司法の新しい政策に基づいて江沢民を告訴しています」と堂々と伝えました。
私の言葉にその責任者は何も言い返せず、その後、「上の命令があるから私たちも仕方がないのよ！」と致し方なく答えました。
今年の夏ごろ、町内会の事務所の窓には大法を誹謗中傷するポスターが貼られました。そこには、「法輪功学習者が中央政府の『案件があれば必ず立件し、訴状があれば必ず受領する』という政策を逆手にとって政府関係者を誣告している」という語句が書かれていました。このポスターを作り、まだ真相を理解していない人たちが可哀そうに思えて仕方がありません。
ポスターを見た翌日、ちょうど用事で町内会の事務所に行かなければならなくなりました。以前の責任者はすでに定年退職したので、今回は自らの告訴状を持って新しい責任者に会いに行きました。新しい責任者に自分は法輪功を修煉していると自己紹介をした後、「知ってる、知ってる、あなたの修煉には反対しないわ」と言われましたので、私は「もちろん、あなたに反対する理由はありません。法輪功は中国の法律に違反していません。法輪功を迫害している江沢民が法律違反をしているのです。今の『案件があれば必ず立件し、訴状があれば必ず受領する』という新しい政策に基づいて江沢民への告訴状を書き、最高裁判所と最高検察院からも返事ももらいました。つまり、今の政府の法輪功への態度は昔、江沢民が主席の時とは全く異なっているのです。ですから、あなたには道を踏み外してほしくないのです」と伝えました。
「今日は私が書いた告訴状を持ってきました。これを読めば、私たち大法弟子が皆法律に基づいているということが分かるでしょう。けれども、窓の外に張っているポスターには我々の行為を『誣告』と書かれています。それを外して破っていただきたい」と続けました。彼女は「そんなことがあったとは知らなかったわ」と言い、部下に外させました。しかしながら、外に出た3人はポスターの前に立ち、「上司」の命令だから外せないと言い、手すらかけませんでした。その人たちを見て、「まだ法輪功の真相を知らないようだから、この告訴状をじっくりと読むといい」と目の前の責任者に伝えました。
最初の部分だけを読んだ彼女は、「文章能力が高く、とても良いものだわ。今は読む時間がないけど、これは後で読む」と言ったので、私は告訴状と一緒に公安局が発表した14の邪教についての資料も渡し、法輪功はこの中にはないと伝え、また、他の資料もおいていきました。
それから1週間ほど経ちました。この期間で思考が少々揺れ動きました。「近頃は厳重体制になったようだから彼女は上に私の事を報告したのだろうか」などのマイナスな考えが出てきたのです。しかし、私はすぐに、「もし、彼女が上に報告するなら、私が書いた告訴状も上に渡すはず。それなら、ちょうど他の人たちにも読んでもらえて、真相を広めることができ、多くの人が真相を知ることができる！」と自分の負の観念を否定しました。このように考えると心が一気に楽になったのです。
彼女（町内会の責任者）が私に告訴状を返す時、「内容はとても素晴らしかったわ、こういうやり方には賛成している。ここの所、あまりにも忙しいので、長く話せない」と言いましたので、私は、「仕事の邪魔はしません。これから何かいい資料が出たら、また持ってきます」と伝えました。
しかしながら、大法を誹謗中傷しているポスターはまだ窓に張られています。こうなれば、自分の手ではがして破るしかない、と心の中で師父に伝えました。
ここのところ、孫が家に住んでいるため、私は孫を連れてポスターを破りに、夜出かけました。これから何をするのかを孫に伝えたところ、「おばあちゃんがそれを破っちゃって。僕が隣で『法輪大法は素晴らしい！』と唱えてるから」と答えてくれました。その後、私がポスターを破っている時、別の道路には通行人が多かったのですが、この道だけ誰も通らなかったと孫が教えてくれたのです。
ポスターを破ったので、町内会の人に怪しまれると思い、もし、話を聞きに来ても協力しないし、「破った方が良い、功徳が計り知れない行いです」と答えようと決心しました。けれども、その後、誰も何も言わず、しばらくして、別のポスターが張られました。
江沢民を告訴してから私は何の嫌がらせも受けていません。一番の原因はやはり師を信じ、法を信じたからでしょう。師父はかつてこのように説かれました。「修煉の中で魔難に遭ったら、自分自身を修め、自分自身を見るべきです。これは旧勢力が按排した魔難を認め、それらが按排した魔難の中でいかに良く行うかの ことではなく、こういうことではありません。私たちは旧勢力そのものが現れたこと、それらが按排した全てまで否定しており、旧勢力の存在自体を認めていな いのです。私たちは根本から旧勢力の全てを否定しています。旧勢力を否定し排除する中で皆さんが行った全てこそ、威徳あるものです。それらが作った魔難の 中で修煉するのではなく、それらを認めない中で自らの道を正しく歩むのであって、旧勢力そのものによってもたらされた魔難の現れを消滅することさえ認めな いのです」[4]
常人の思想回路に陥り、実名で江沢民を告訴することにはリスクが伴うと思ってしまうと、それは旧勢力が作り出した迫害を認めることになり、もしかすると、本当に迫害されてしまうかもしれません。当時、同修と交流する時、「江沢民訴訟は師父の法を正す進展がここまで来たから我々弟子たちがやらなければならないことで、法を正す進展にしっかりとついて行き、師父が按排なさった道だけを進まなければならない。邪悪に妨害させないと念を固めれば、迫害も来ない」と私は言いました。
けれども、その後、多くの同修が妨害を受け、「危険だと思うから迫害がやってきたのよ。つまり、迫害を認めているので、こういった悪い念を思うこともいけない」と皆と交流しました。師父がおられるから、誰も私たちに触れられないと当時はそう思っていました。「迫害なんて100パーセント起きない」というこの一念を固めていましたので、邪悪は何もできなかったし、情報収集のための電話さえかけてきませんでした。むろん、告訴状を書いている時は真剣に、意識を集中して何度も書き直したり、言葉を組み替えたりして、些細な部分まで見逃しませんでした。そして、誰が見ても、どこから見ても、プラス作用のある最高の、プロが書いたような告訴状が出来上がったのです。
師父はこのように説かれました。「もちろん、これらのことは複雑ではありますが、深い部分のことは師父が片付けてあげます。ほかの神も手伝っています。表面上のことも非常に難しいので、皆さんに努力してもらうしかありません」[5]
法に基づいて何かをする時、師父が常に加持してくださり、そして、我々自身も心を込めてやれば、それがもたらす効果や働く作用は計り知れません。
師父に感謝いたします！
注：
[1] 李洪志師父の著作：『各地での説法十一』「大法弟子とは何か」
[2] 李洪志師父の詩：『洪吟二』「哀しむ別れ」
[3] 李洪志師父の著作：『精進要旨二』「大法弟子の正念は威力あるものである」
[4] 李洪志師父の著作：『各地での説法四』「二〇〇四年シカゴ法会での説法」
[5] 李洪志師父の経文：『二〇一五年ニューヨーク法会での説法』
