【明慧日本2019年3月12日】(カナダ=明慧記者・英梓)カナダ国会の「外交および国際発展常設委員会」は2日間の公聴会を経て、2月27日午後、強制臓器収奪ならびに不法な臓器売買を禁止する法案「S-240号法案」を修正したのち、全員の賛成で両院に提出した。
この「S-240号法案」は上院外交および国際発展常設委員会が起草したもので、二つの法律に関わっている。一つは刑法で、海外で許可を受けずに臓器移植をした場合、刑事犯罪と見なされること。もう一つは移民法および難民保護法であり、不法な臓器売買に参与した者はカナダへの入国を禁止にすることである。
「S-240号法案」は中国国家運営の工業規模の臓器収奪を対象
この「S-240号法案」を国会での審議に導いた保守党のガーネット・ ジェヌイス議員は、「この法案は中国の臓器収奪を対象とするもので、彼らは意識がまだはっきりしている政治犯の身体から臓器を取り出し、これを国家政策として行なっている」、「脅迫と収奪の方式を通して臓器を入手しており、この法案はこの行為に対する措置である」と述べた。
ジェヌイス議員は2018年11月20日の発言の中で、「著名なデービッド・マタス氏とデービッド・キルガー氏は世間を震撼させたことを発見した。彼らが困難な調査を通して分かったことは、中国の病院では6万〜10万人の臓器が移植に使われ、中国では自分の意思でドナーになる制度はほとんどなく、多くの臓器の出所は良心犯からのもので、その多くは法輪功学習者だ」と述べた。
11年前カナダ議会に「S-240号法案」に類似する法案を提出したリズニュースキ議員は2月26日の公聴会で中国の臓器収奪は「現代の最も暗黒な犯罪」と表現した。同氏は委員会の出席者に対して「第二次世界大戦以来、我々は中国のように国が運営するほどの産業規模の人類の恐怖を見たことがない」と説明した。
「S-240号法案」の立案者は重要な職務を果たした
ジェヌイス議員の母方の祖母は、ナチス大虐殺から幸運にも生き残った。祖母が生き残ることが出来たのはコミュニティの保護と援助があったからだという。
同議員は、「S-240号法案」がこの度の本会議で採決され通過してほしいという。「こうなれば私たちは子供の目を見て、いろんな考えを討論しただけでなく、実際に素晴らしいことを行なったと告げることができる」と彼は話した。
リズニュースキ議員は「S-240号法案」は得難い機会を作った。すべての政党および両院議員の支持を得た。この法案は立法機構と立法者にとってさらに重要であり、重要な職務を果たしたと述べた。
彼は2018年11月20日の記者会見で、「調査で明らかになったのは、臓器収奪の被害者の多くは良心犯など勢力の弱い団体だ。法輪功団体が最も迫害を受けている人数が多い。私たちと協力関係にある人たちは、このブラック産業の証拠を把握している」と強調した。
新民主党議員のトレイシー・ラムジー氏は、10月に連邦議会の選挙を控えている。時間のない情況下で新民主党としてこの議案の迅速な可決を願い、「私たちは全世界規模で臓器売買、およびコントロールと人々を虐待して臓器を奪い取る蛮行に強く反対する」と話した。
自由党国会議員のアニタ・バンデンベルト氏は、公聴会でジェヌイス議員の努力に感謝し、自分はこの法案の成立を100パーセント支持するという。不法な臓器売買は国際での最悪の暴力であり、人道に反する犯罪の一つであり、臓器収奪反対について、カナダは世界の模範にならなければならず、立法の緊迫性を認識しているという。
マタス氏「立法した国は臓器収奪を有効的に制止している」
外交および国際発展常設委員会は電話でデービッド・マタス氏の証言を求めた。マタス氏は、これらの法案を立法し可決した国では、臓器の出所が不明な中国での臓器移植の阻止に、顕著な効果を得ているという。
マタス氏は、「イスラエルは立法が可決したあと、情況が大きく変わり、中国での臓器移植のための渡航は完全になくなったか、ほぼなくなった。台湾も同じく、立法したあと、中国での臓器移植は急激に低下しており、この二つの政府の立法は、非常に大きな影響力をもたらした」と話した。
マタス氏によると、ほかに立法した国は、スペイン、イタリア、ノルウェーが含まれる。
国会議員の立法の呼びかけは、10年来弛むことなく堅持されてきた。
ジェヌイス議員は、異なる党派から集まった議員は類似する立法に10年以上にり努力してきており、「S-240号法案」が通過することを願っている。
彼は「この法案に向けて10年以上かかりました。これは世界を代表する前司法部長のアーウィンコトラー氏、デービッド・マタス氏とデービッド・キルガー氏のように優秀な人権の領袖たちが行なってきたことが最高潮に達したと言える」と述べた。