台湾は外出禁止せずともウイルス対策に成功 そのワケとは?
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 【明慧日本2020年4月22日】中共ウイルス(武漢肺炎、コロナウイルス)に対して、台湾での対策が各国に高く評価されている。人々にマスクを着用するように促し、人と人の距離を保つ対策を実施。台湾における感染者数と死亡者数は世界に注目されるほど少ない。また、台湾は外出禁止の措置を取らなかったことで、経済の停滞や人々の生活に大きな混乱は起きなかったのだ。

 台湾とオーストラリアの人口は2400万人で、同じく外国と隔離しやすい島国である。中共ウイルスが発生するまでは、両国は中国と密接な貿易と観光の往来があった。しかし、中共ウイルスが発生してから今日まで、オーストラリアの感染者は5000人にのぼり、一方台湾では400人足らずである。この比較はオーストラリアを批判しているのではなく、台湾の実績から良い対処方法を学べるのだ。

 一、台湾の国民の生活は感染症に影響されない

 1)外国にいる台湾人に対するしっかりとした対応

 台湾は4月15日まで、累計感染者は395人。4月15日の感染者は2人、2人とも海外からの帰国者で、1人は3月30日ニューヨークからの帰国者だった。その感染者が搭乗したチャイナエアライン011便の乗客12人が感染したことが分かった。台湾感染症対策室は4月11日から15日にかけてこの飛行機に搭乗した乗客全員に検査を受けさせた。台湾政府は海外にいる台湾人に対して丁寧に対応し、帰国したら保護を受けられると呼びかけた。

 2)学校の授業は通常通り、学生の安全対策を積極的に行う

 台湾において小学校から大学までの授業は通常通り行われ、教師と生徒のマスク着用、学校内の消毒も定期的に行われている。もしクラスに1人感染者が出れば、そのクラスは14日間の授業を停止し、オンラインで授業を行なう。学校に2人感染者が出れば、全校を休校してビデオ授業を行う。このようにして授業は休むことなく、積極的に生徒の健康と安全を守っている。

 軽症者と重症者に対して、台湾と米国が共同研究で開発した検査キットを使い、15分で検査の結果が分かる。

 3)イベント

 イベントの中止は感染症の状況によって、主催者が自主的にキャンセルするかどうかを決める。そして政府に補助金の申請ができる。もしイベントを行う場合、政府が定めた規定に従うこと。すなわち人々の室内での保つべき距離は1.5メートル、室外は1メートルである。

 4)休日はいつものように外で遊び、健康づくりをしている 

 台湾は清明節、お祭り行事、休日は外出の制限がなく、ただ各々が自己を守る自覚を持ち、マスクの着用、人との距離を保つことを呼びかけている。4月の清明節、台湾の人々はいつもと同じように観光に出かけた。しかし、皆が自分を守るためにマスクを着用し、人との距離を保った。感染を防ぐために係員による呼びかけも行われていた。祝日の後、医師らが心配していたような感染増加はなかった。

 5)経済活動は停滞することなく、景気は上昇した

 台湾の企業は休業することなく生産し続け、かえって受注が増えた。マスク、防護服業界は自発的に「国家生産連合隊」を設立し、三交代制で感染防止のための医薬品を生産し続けた。労働力不足を解消するために、台湾政府は国軍を動員して企業と協力して工場をフル稼働させた。台湾のマスク生産能力は1日100万枚だったのが、「国家生産連合隊」を設立してわずか40日で、1日の生産量は1500万枚に達した。目下、台湾で生産されたマスクと防護服は国内の需要を満たしただけでなく、日本や欧米にも輸出している。

 6)感染症情報を適時に公開し、透明性を保ち、人の和を大切にする

 台湾感染症対策室は医師と医学専門家によって構成され、台湾政府は対策室を信任して全権を預けている。対策室は専門性を生かし、政府と協力して人々を率いて感染症を防いでいる。毎日、記者会見が開かれ、透明性を保ち、適時に感染症の正確な情報を伝えている(人々の個人情報には注意している)。感染防止の専門技術を国民に伝え、記者は自由に質問することができ、質問に対して必ず答える。対策室がしっかりとした対応を取っているため、台湾の人々は笑顔で談笑しながら「世界保健機構(WHO)の責任者は、台湾対策室の責任者・陳時氏がなるべきだ!」と、ジョークを飛ばした。4月15日の記者会見の際、カナダ放送協会(CBC)の記者は、「感染症防御物資は一時的に不足の状態にあったが、人々は恐怖に陥っていなかった。政府は適切な措置を実施し、人々も自ら協力した。そして公平な手段で物資を彼らに届けた」。この話に対して、陳時氏は「台湾人の(品徳の)素質が高いので、感染症の拡大を押さえ込むことができた」と国民を称賛した。

 7)レジャー産業

 感染防止の実施によって観光、飲食などのレジャー産業は打撃を受けたが、政府から補助金を受け取ることができた。

 8)感染症第2波についての対処法

 中共ウイルスは世界に蔓延し、台湾にも感染症の第2波が広がり始め、感染者が急に増加した。対策室の努力により3月9日の感染者は「0」になった。それから1カ月以上が経ち、4月14日の感染者は再び「0」になったのである。対策室の責任者・陳時氏は、「皆さんは喜んでいいと思いますが、しかし続けて感染症の拡大阻止のため努力しなければなりません」と語った。台湾が感染者の第2波の蔓延を阻止できたのは、運よく不幸を免れたのではなく、台湾人の十数年来の努力の結果と言える。

 二、台湾人は十数年来、何をしてきたのか?

 17年前の台湾では国民党による親中ブームが起きた。中国共産党(以下、中共)は台湾国民党と「両岸関係統一戦線」を結び、国民党の高官は次々と中国で個人企業を発展させた。彼らの2世は今でも中国で優遇を受け、中共が蔓延る中国に根を下ろして企業を経営している。国民党の一部の高官とその子供たちは中国に常駐し、ほとんど台湾に戻っていない。

 国民党が台湾で執政した時、中国でサーズ(SARS)が発生し、台湾の人々に永久に消えない傷を負わせた。しかし国民党は反省することなく、改めようともしなかった。2020年台湾総統選の際、国民党候補者は、自分が当選した暁には、中国人は台湾に来て無条件に医療と福祉を享受できる、自由に往来することができる、などと話した。この話を聞いた台湾人は「偽・悪・闘」の中共を、台湾に侵入させることを拒否した。

 民間の調査によると、台湾の総統選は香港「強制送還法」の事件が大きく影響を与えたという。2019年香港の「強制送還法」の反対活動の際、香港の若者は立ち上がり、中共を受け入れない意思を表明した。2020年台湾総統選の際、台湾の若者は地元に戻り、反中共の民進党に神聖なる一票を投じた。そして反中共派が大勝利を収めた。この選挙の結果が香港人を励まし反中共活動の原動力になったと同時に、台湾人は中共に「ノー」と意思表示をした。民進党の圧倒的な勝利は反中共の態度を明確に示したからである。

 台湾民進党は「反中共はするが反中はしない」という政策の下で、感染症に直面しても慌てることなく、正しい策を講じ人々もそれに協力したことで、感染症の対策に良い成績を収めることができた。

 1)中国人の入国阻止を決断

 まず、台湾で感染症が拡大する直前に実施した対策は、中国人の入国を禁止したことだ。民進党の政策は「反中共はするが反中はしない」となっており、中共に対して資金援助、緩和、などの曖昧な政策はとらず、台湾の人々は反中共の理念を明確に示した。台湾の反中共の立場を明確にしたことで、台湾人の意志を強固にし、これが台湾の感染症対策を成功させる礎となった。

 2)「中国の生産工場」に依存しない

 台湾は中国の生産工場に依存しなかった。そのため、緊急対策として共産主義方式の巨額な「国家資金」(税金)による対策は行わなかった。台湾は迅速に国内のマスク生産量を増やし、輸出を禁止した。長年の間、中国の低価格に苦しんでいた台湾企業は、この感染症により20カ国から医療品の注文を受けた。台湾は感染症の対策に貢献できただけではな、自国の経済を蘇らせたのである。

 3)全国規模で検査を受けさせる

 台湾は全国で検査することを決断した。感染症の全貌を把握し、積極的に対策を実施した。低い数字を保つため「検査させない」中共の政策に比べて対照的である。

 4)良品と偽装品

 台湾は立場を明確にしていたため、マスクを輸出禁止にした2週間後に1000万枚のマスクを、日本やEU、アメリカなどの友好国に寄贈したのである。

 ここで言わなければならないことは、台湾が寄贈した1000万枚のマスクのすべてが医療認証した良品であった。台湾の「国家生産連合隊」のメンバーは、「今は人命を救う大事な時、急いで製造した医療物資は使えるものではなければならない」と話した。

 これに比べて、市場に出回る自称アメリカ、日本とインドネシア製のマスクが売られているが、薬局によると、「これらのマスクは中国で作られている。産地を日本などの国と書いたのは、購買者を安心させるためであり、実はこれらのマスクは、業者または個人が中国から持ち帰ったもので、輸出許可書もなければ、商品の検品書もない」という。最近、中国が輸出したマスクの中に蠅の死体があったという。

 タイ警察の4月8日の発表によると、中国人2人が無許可で検査キット4万5000個をタイに持ち込んだ。このほか35万枚の外科医用マスク、1200個の体温計が含まれ、総額3375万タイバーツ(1億円以上)に相当するという。タイ警察当局はこの案件を引き続き調査し、偽検査キットを持ち込んだ犯人を見つけ出すとも話した。

 製品の品質が悪いほか、中国が各種の医療品の価格を吊り上げた行為が、さらに各国政府を失望させている。

 台湾の良品と中国の偽商品を比較して、国際社会は中共の本質を認識したのである。

 三、民主国家の西洋社会は2月までに、なぜ台湾の経験を参考にしなかったのか?

 中共ウイルスの全世界範囲での拡散は、中共による情報の隠蔽と虚言が主な原因であり、特に問題なのは感染症の初期の深刻さと伝染性に対する隠蔽である。そして中共の利益を重視したために、WHOが中共の言いなりになったことも、全世界に感染症を拡散させる環境と時間を作ってしまった。

 それでは、中共の虚言はなぜ受け入れられたのか?

 1)おごりによる誘導

 アメリカのメディアCNNの4月5日付の報道によると、西洋社会が1~2月まで警戒心が足りず、真剣に台湾の対策を取り入れなかったのは、台湾がWHOのメンバーではなかった可能性がある、と指摘した。

 アメリカは国際的にも実力がある自由な民主国家で、これはとても優位ではあるが、しかし多くの人々はおごった態度と強い観念を持つようになった。知らず知らずのうちに謙遜から離脱してしまったが、謙遜は人間のあるべき姿である。

 ある記者がこのように話した。「問題の1つは、各国はWHOが中共にいかにコントロールされているのか認識しておらず、またそれ自体も無視した。2つ目は、中共は西洋メディアに長期にわたって浸透しており、西洋メディアは中共の宣伝をそのまま一辺倒に報道した。3つ目は、各国の企業は利益を追求するため中共を『重要なパートナー』として考えている。この3つの要素が障害になったと考えられる」

 2)中共のロックダウンをコピー

 企業は中共が「悪魔」であるという教訓をすでに忘れてしまった。古人曰く、「墨に近づく者は黒くなる」。感染症の突然の襲撃に対してなす術がなく、中共寄りのメディアの報道を信じ災いを招いた。多くの国、アメリカとイタリアを含め、中共に対する抵抗力は乏しかったのである。手口を変えて「中共の経験」を真似た。残念なことに強力な国力を持っていながら、中共ウイルスを抑え込むことができず、中途半端だったのである。

 例えば外出禁止について、感染症対策の最も重要な措置であると考えているが、これは中共のロックダウンのコピーである。中共のロックダウンは人権を無視している。ただ、アメリカの外出禁止令は人権と個人の自由を充分に考慮している。

 各国がもし台湾が掲げた旗「反中共はするが反中はしない」(中国共産党は中国ではない)との認識を持ち、果敢に中共ウイルスと中共の浸透を断ち切り、素早く中共から立ち去ることができれば、自国の感染症対策の効果は「不思議」なほど、良い効果が現れていたかもしれない。

 最近、アメリカのCNNは報道で『米国医学界雑誌』(JAMA)の文章を引用した。「COVID-19ウイルスが世界的に広がり続けていることを考えると、台湾の迅速な対応と大規模な集団感染の防止における有効性を理解すれば、その国の有効的な手助けになる。

 私たちは実際に行動するほかに、自分自身の人心を見直すことを忘れないでほしい。心を正して物事に対処すれば奥深い事柄が見え、根本も見出すことができるのである。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/4/16/403894.html)
 
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