【明慧日本2020年4月28日】(明慧記者・王英)米ミズーリ州は21日、「新型コロナウイルスを隠蔽し、甚大な被害をもたらした」として中国共産党(以下、中共)を提訴した。訴訟では、中共の隠蔽により失われた多くの生命、苦痛と経済的損失への賠償を求めている。米国で州当局が中共を訴えたケースはこれが初めて。
21日付のフォックスニュースによると、ミズーリ州の提訴前に、少なくとも七つの民間団体がアメリカ連邦政府に対し、集団訴訟を起こすべきだと提言していたという。そのうちの一つの団体は「中共は中共ウイルス(武漢肺炎)の危険性を知っていた。大規模な伝染病を引き起こす可能性があることも知っていたにも関わらず、速やかに行動しなかった。周知のとおり中共は自分達の利益のために隠蔽した」と語った。
同報道によれば、20日までに22人の共和党議員が、中共のウイルスに対する行為を国際司法裁判所に訴えるようトランプ大統領に求めたという。
ミズーリ州の関係者によると、21日までに5,963人が中共ウイルスに感染し、215人が死亡したという。さらに、ウイルスの蔓延を防ぐために実施した経済活動の停止により、ミズーリ州は440億米ドルの損失を被った。
ミズーリ州のエリック・シュミット司法長官は「ミズーリ州ではウイルスの影響が非常に大きく、数千人が感染して多くの人が亡くなりました。多くの家族が引き裂かれ、多くの中小企業も営業停止を余儀なくされました。生活に余裕がない人達は食事にも困っています」と声明を発表した。
訴状は「中共は今回の伝染病の結果に責任を負わなければならない」と強調
訴状によると「中共の度重なる不法で不合理な行動と不作為は、すでにミズーリ州の多くの住民の生活に多大な被害をもたらし、健康と安全を脅かし、命を失わせ、公共の秩序と経済を破壊している」としている。
ミズーリ州の関係者によると「中共に可能な限りの賠償金を求めるだけでなく、ウイルスを蔓延させた責任を正式に追及し、中共はどのようにウイルスに対処したのか? またウイルスの発生源についての真実を明らかにする」という。
また訴状は次のように述べている。「中共の虚言、隠蔽、不正、不作為がこのパンデミックを誘発した」「伝染病が蔓延する大切な数週間、中共は人々を騙し、重要な情報を隠蔽するために内部告発者を逮捕し、証拠が増えていたにもかかわらずウイルスの人から人への感染を否定した。そして中共は重要な医学研究を破棄し、数百万人をウイルスにさらし、個人用の防護用品までも買いしめ、本来なら阻止可能だったウイルスを全世界に拡散させた」
この訴訟は中華人民共和国と中共の様々な政府機関の責任を追求している。注目すべきは、被告の中共は『外国主権免責法(FSIA)』(主権国家は他国の裁判権に従うことが免除される)を適用されないことである。
ミズーリ州の訴訟は、中共とその関連組織に対して「異常に危険な活動を停止すること、ミズーリ州がウイルス対策に支払ったすべての費用の賠償と、その他の損失の賠償」等を求めている。
ミズーリ州では失業保険の申請件数が前例にないほど急増し、今後数年にわたり財政に悪影響を及ぼすこととなる。州当局のプレスリリースでは「ミズーリ州の医療関係者は家族から隔離された生活を余儀なくされ、高齢者は家族から遠く離れた老人ホームに閉じ込められている」としている。