善の力
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2015年8月21日】以前、師父は「やさしくされたら善をもって接するということではありません。それは代価がなく、報酬も気にせず、まったく衆生のためです。ですから、慈悲が現れると、この上ない力があり、いかなる良くない要素も解体されてしまいます。慈悲深くあればあるほど、力が強くなります。以前、人類社会に正理がないため、人間は善をもって問題を解決することができなかったのです。人間は従来、戦争という手段で人間の問題を解決していたため、これが人間の理となりました。人間は神になりたければ、人間の状態から脱皮したければ、この心を放下し、慈悲をもって問題を解決しなければなりません」「実は慈悲は巨大なエネルギーであり、正神のエネルギーなのです。慈悲であればあるほどエネルギーが強く、どんな良くないものも解体されます。これは以前釈迦牟尼もほかの修煉者も話したことのないことです。善の最大の現れは慈悲であり、慈悲は巨大なエネルギーの現れで、すべての正しくないものを解体することができます」[1]と説かれました。

 数年前、私は突然不当に連行されて看守所に監禁されました。突然連行されたために怖がっていました。まだ恐れる心が静まっていない、目覚めたばかりのある日の朝、ほかの監禁室から「ぎゃーぎゃー」とわめき立てている声が聞こえ、警官と受刑者たちがバタバタと、動き回っている様子でした。監禁室のリーダーが「sさんを手かせと足かせが付いている、こっちの部屋に移そう」と言いました。

 彼女たちの話から、sさんは精神病を患っており、殺人犯だと分かりました。精神病と聞くだけですでに恐ろしいのに、そのうえ殺人までと恐怖心が、またわいてきました。間も無く、受刑者のsさんが私たちの監禁室に運ばれてきて、手かせと足かせが付いたベッドに固定されました。それからsさんは丸一日休まず、大声で罵ったり騒いだりしていましたが、最後に疲れ果てて寝むってしまいました。翌日のお昼頃になっても、sさんは目を覚まさないので、他の人はやっとsさんが、意識を失っていることに気づき、慌てて警官に報告しました。sさんへの恐怖心から、私は一瞬ですが「こんな状態のsさんは、このままここで死んでも、しかたがない」と思いました。そしてsさんを気使うこともせず、そうした思いや考えも正しませんでした。sさんは治療を受けて意識が戻ってきたので、再び私たちの監禁室に入れられました。昼に、sさんはちょうど私の前に座っていました。私はsさんに構わず、正念を発して入静しました。突然sさんが振り返って「首を絞めてやる!」と叫んだのでびっくりしました。それからの数日間というもの、sさんは同じことを繰り返し、「首を絞めてやる!」と叫び続けました。

 同じ監禁室に閉じ込められている、年配の同修がいました。同修は迫害に抵抗するため、絶食していました。殺人犯のsさんは同修にとても優しく、自分の食べ物まで上げようとしました。同修が食べないのを見て、私に「彼女が食べないのはあなたのせいだ」と言いました。私を殺したいと思っているような人が、なぜ同修にあんなに優しいのか、不思議に思い、戸惑いました。同修と交流すると「sさんが失神したとき、あなたはどう思いましたか?」と尋ねられ、私は「このまま死んでもかまわないと思いました」と答えると、同修は「問題点はここにあります。sさんの分かる一面があなたを恨んでいます。同じその時、私はどう思ったのか、あなたに分かりますか?sさん、法輪大法の素晴らしさを教えるから、早く生き返ってきてー!早く生き返ってきてー!と強く念じました。彼女の分かる一面が私に感謝しているのです。だから私に優しくしてくれるのですよ」と言いました。

 同修との交流で、sさんのこれまでの身の上が分かりました。sさんは父親に強姦されて、父親を殺しました。そして精神に異常をきたしました。それを聞いて、初めてsさんを可哀そうに思いました。死んでもかまわないと思った自分が、とても恥ずかしくなりました。内に向けて探してみれば、自分勝手で慈悲心の心が足りないとや、善でないことが分かり、同修との差に気付きました。それで直ちに自分のよくない念を正しました。

 私は不当に監禁されてから1週間後、警官から尋問を受けました。「あなたの家でこのようなものを見つけた。あなたたち夫婦の公務員の仕事も無くしてやる」などと脅迫され、白状しろと迫られました。私はずっと黙って、正念を発して迫害を否定していました。午後4時頃、私を帰らせようとした時、一人の警官が「待って、こっちの者は白状したぞ!」と言い出しました。後で分かったのですが、その日地元の同修、私の夫を含めて4人が同時に尋問されていました。警官は私に紙に書いてある白状した内容を読んで聞かせました。主な内容は、私と夫が同修に携帯を使って、真相メールを送信する仕方を教えたことでした。それを聞いて私は、すぐに自分と親しい同修が白状したのが分かりました。不満に思った私は「どうして私をこんな目にあわせるのか」と腹を立て、修煉者の正念をなくしていました。邪悪にこの人心の隙をつかれました。警官らは答えない私に、拷問を加えました。そして、心身とも傷つけられ、意識が朦朧とした状態で、彼らの要求に従ってしまい、その事を認めて署名してしまいました。

 監禁室に戻ったのは夜の8時過ぎでした。同室の人たちがみんな私を心配して待っていました。彼女たちは尋問の時間の長さから、きっと拷問されていると分かりました。私の右の腕は腫れ上がって、感覚がなくなっていました。彼女たちはそれを見つけて、マサージしてくれました。気持ちが落ち込んでいたのを見て、二人の同修は法に基づき、私と交流してくれました。修煉していない受刑者たちは、法律ではこれは違法だから訴えるべきだなどと、いろいろ助言してくれました。受刑者たちの優しさと同修たちの正念のおかげで、私はすぐ自信を回復し正念を持つようになりました。

 そして夜中にどうしても寝れない私は、尋問された時のことを振り返えり、よくできていないところを探しました。突然師父の詩「法徒は魔難を受け 毀されるのは衆生」[2]を思い出しました。それで「私たち夫婦とも労働教養をうけると、真相を理解できない家族や同僚、友人、同級生たちが法輪功を修煉しているから、この結果になったと彼らに誤解を与えてしまい、その事で大法に悪い印象を持つと、私たちを迫害する警官らと一緒に淘汰されるではないか?そうなってはいけない。旧勢力が加えたすべてを、認めてはいけない。私は師父の按配に従うべきで、決して旧勢力に衆生を毀す目的を達成させてはならない」と思いました。そして「自分が修煉してできた慈悲の心と善を持って、警官らを操るすべての黒い手と卑しい鬼、共産邪霊を滅し、彼らの本性を出させて、大法弟子に善で対処するように」と強大な正念を発しました。

 この念を発すると、正義のエネルギーが邪悪を消滅するのを感じました。そして、寝ていたようで寝ていない間「一念大窮の外まで驚かし震撼す」[3]の詩が頭に浮かんできました。翌朝、これは自分が暗記した『洪吟三』の詩だと分かり、師父はこの詩を通して励ましてくださっていると分かりました。

 それからの尋問の中で、私は正念を持って、警官らに拷問が違法だと警告し、真相を伝えました。彼らは最初は言い訳をしていましたが、徐々に友好的になりました。その期間中、大法弟子としての使命を忘れず、受刑者たちに真相を伝え三退を勧めました。

 暫く経って、警官は「あなたの素晴らしい家庭と優秀な子供に配慮して、あなたに公務員を続けさせることにした」と言ってくれました。慈悲なる偉大な師父が、この難を解決してくださったのだと分かりました。しかし、私はまだよくできていない一面があったので、完全に旧勢力の按配を否定できず、労働教養1年半の判決を受けました。

 上記の経験を通して、私は慈悲の心と善の力の強大さを深く感じました。それからは、周りの人と警官に接触するとき善を持って対処するようになりました。

 注:
 [1]李洪志師父の経文:『各地での説法九』「二〇〇九年ワシントンDC国際法会での説法」
 [2]李洪志師父の詩:『洪吟三』「世々生々は此の一生のため」
 [3]李洪志師父の詩:『洪吟三』「法を正す」

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2015/8/13/314067.html)
 
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