李珏は穀物を売るとき1 升枡や1斗枡を客に任せ、終いには仙人に
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文/中国の大法弟子 夢醒

 【明慧日本2016年9月4日】商売人は概(おおむ)ね自分の利益を第一にして、法の道から遠くかけ離れ、修行が難しいと思われています。しかし、李珏という人は穀物を販売する時、1升枡や1斗枡を客に渡して、客に自ら穀物を量ってもらう手法を使っていました。それは正しく奇聞(注釈:珍しい話)です。以下は、徳行を積み重ねた結果、とうとう最後に李珏は仙人になったというお話です。

 李珏は江蘇省揚州市の広陵江陽の人です。代々市内に住んでおり、穀物の販売を職業としていました。李珏は性格が穏やかで、何事にも慎重で、普通の人と異なっていました。15歳の時、父親は地方で仕事をするため、穀物販売の仕事を李珏に任せました。

 穀物を買いに来る人がいれば、李珏は1升枡や1斗枡を客に渡し、自分で量を量らせ、そして、時価で米の値段を決め、1斗の穀物で、たった2文の利益しか儲けませんでした。李珏はその利益で両親を援助しました。こうして長く商売をしていくうちに、李珏の家は、ますます衣食が満ち足りて豊かになりました。

 彼の父親はとても不思議に思い「どういうことなのか」と尋ねました。李珏はありのままを父親に伝えました。父は「私が穀物を販売していた時、同業者は誰でも、1升枡も1斗枡も2種類の枡を使っていたよ。つまり販売の時は小さめの枡を使い、仕入れの時は大きめの枡を使ってたんだ。それで大きな利益を得て、誰もが皆儲けようとしていたよ。毎年、春と秋になると、官吏は必ず1升枡と1斗枡を検査しにやって来て、その精度を確かめていたんだ。しかし、それだけしても、その弊害を制止することはできなかったよ。私は今までずっと、同じ1升枡と1斗枡を使って正直に商売してきたが、そこには何の偽りもないことを自負していた。しかし、お前は今、1升枡や1斗枡を客に任せ、客自ら量を量らせるようにしているとはなあ、大したものだ。お前にはこのわしもかなわんよ。しかし、こうして客自ら穀物の量を量らせているのに、お前は依然として、衣食が満ち足りているとは本当に不思議なものだ。この正しい行いが、神々に助けられている理由ではないのかな」と大いに息子を褒めました。

 その後、両親は亡くなりました。李珏は80歳代まで、ずっと穀物の販売を続けました。李珏は百数歳まで長生きして、とても健康でした。ある日、李珏は突然、子や孫達に「私はこの世に、すでに長く生きてきました。私自身は真気を修養してきたので、お前達にはもうこれ以上、益を与えることはない」と言い残して、ある日の夜、亡くなりました。3日後に、李珏の棺から裂けるような音がしましたので、開けてみると、李珏の衣服は解かれないまま、セミの抜け殻のようになっており、李珏の体はすでに無く、そこから抜け出て飛び上がり、仙人になりました。

 イエスは、金持ちは修行が難しいと考えておられました。同様に、中国にも古来より、商売人は修行が難しいと考えられています。李珏が仙人を修めたことは、我々に「何事もすべて心がけ次第で、不可能なことはない。すべての次元でしっかり行えば、必ずチャンスがある」という事を教えてくれています。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2016/8/30/333722.html)
 
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