20年後の再会
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文/中国の大法弟子 悟桐

 【明慧日本2017年3月28日】2014年9月、私が通っていた建築系の大学は同じ学科の同期生を集めてパーティを開きました。卒業してから20年以上が過ぎ、かつての若々しい学生たちも今や建築会社の社長や建築責任者、あるいは設計担当などに成長していました。昔、おとなしかった生徒は挑戦的になり、天真爛漫な友人も世間の厳しさにもまれてずる賢くなり、また、病により亡くなった人もいます。時間の洗礼により、それぞれの人が自らの人生に対して迷いを感じ、昔と異なって、良く考えるようになりました。

 同期生たちの驚嘆と好奇

 パーティの途中、笑みを浮かべた男性がホールに入ってきました。中年男性特有の少々膨らんだ体型ではなく、強い意志を持った瞳と謙虚な笑みを浮かべながら、優しい雰囲気のこの男性はなんと「哲君」なのでした。以前にはなかった気品を持った彼はまるで生まれ変わったかのようで、その場にいる誰もが驚きました。

 入学した当初、同期生全員の集合写真を撮りました。皆正装している中、哲君だけがおかしな恰好をしていたのです。高い身長に、曲がったまま被っている帽子、そして、いかにも寝不足な顔をしていました。大学の頃、哲君はあまり朝の体操に参加せず、友人が呼びに行っても、なかなか起きず、寝ることが大好きでした。彼は朝鮮族なので、自分勝手な人という印象を私は持っていました。また、彼はスケッチが得意で、少々驕っているところもありました。

 大学卒業後、会社に入り、とある女性の同僚が彼氏が欲しいと言っていたので、その時、私は哲君を紹介しました。2人が出会ったとき、彼女は哲君に対して、頭が良く、良く稼ぎ、その他の条件もいいけれど、ただ、体型が一般的な中年男性のようだ、朝鮮族の女性は働き者だが、男性は少々自分中心の所があると思い込んでおり、これでは将来、自分が苦労すると思って、付き合うのをやめました。

 しかし、今の哲君は健康的で、礼儀正しく、スタイルもよく、昔の怠惰な様子もすっかり消えていたのです。私も周りの友人も驚きを隠せず、北京からやってきた同期生も、「かっこよくなったね!」とわざわざ哲君の所に走っていきました。女性からの褒め言葉を聞いた哲君は小さく微笑みました。

 かつての問題児が家庭円満に

 司会者はそれぞれの参加者に卒業してから今までの20年間の経験談をかつての番号順に発言させました。哲君は9番目で、皆彼の物語を楽しみにしていました。

 哲君は卒業後、会社を立ち上げましたが、苦しい経営の中、やる気がどんどん失せていき、その後、結婚して子供も生まれました。家庭では、やはり自己中心的な所があり、また、悪い習慣も身につけるようになり、よく深夜の2時半過ぎまでお酒を飲んでいるため、哲君の奥さんがとうとう我慢できず、離婚話まで持ち上がったのです。

 その時でした。哲君の高校時代の友人が2人相次いで亡くなったのです。1人の男性は出張先で突然の脳出血により亡くなり、まだ30代という若さでした。このことが哲君に大きな影響を与え、人生の短さを感じ、人は一体何のために生きているのか、そして、生命の意味は一体何なのかという問題を考えるようになったのです。哲君は1年かけて様々な宗教の本や経典を研究しましたが、答えは見つかりませんでした。

 ある日、哲君は家の本棚に『轉法輪』という本を見つけました。それは1999年以前の話で、当時、中国では法輪功への弾圧がまだ始まっておらず、昔、友人からもらったもので、哲君はまだ真剣に読んだ事がなく、ずっと本棚に置きっぱなしにしていたのです。その日、哲君は真剣にその本を読みました。読んでいく内にどんどん興味深くなり、頭も冴えるようになりました。全ての答えが見つかったのです! 人生の本当の意義も、どのように良い人になるのかも、どのように他人に良くするのかも、全て『轉法輪』の中に書いてありました。

 間もなく、哲君は韓国に行き、法輪大法の全ての書籍を買い求めました。その時、中国では法輪功への弾圧がすでに何年も続いており、中国では法輪功に関する書籍は全く売られていなかったのです。法輪大法は「真・善・忍」を基に善良な人間になる事を教え、全世界で人気を集めていますが、中国でのみ禁じられています。

 法輪大法の書籍とメディアの宣伝を比べてみたところ、メディアが報道している法輪功と実際の法輪功の素顔は全く異なっていました。中央テレビが報道している「天安門焼身自殺事件」という嘘のビデオテープについて、法輪功の本の中ではすでに自殺と殺生を固く禁じており、また、焼身自殺のビデオテープには現実にはとても起こり得ないような映像がたくさん入っていました。中国共産党は修煉者を馬鹿にしていますが、法輪大法が述べている道理は非常に科学的であることに哲君は気づいたのです。また、メディア報道のほとんどが嘘とでまかせでしかなく、全ては国民の情緒を煽りたて、法輪功について国民に悪いイメージを持たせるためだったのです。

 2011年、哲君は法輪功を修煉することを決めました。法輪大法は修煉者に、日常生活において「真・善・忍」の原則に従うことを要求しているため、哲君は「まずは家庭の中から始めよう」と決心しました。哲君は自ら会社を立ち上げているため、時間の配分は自由に決められます。結婚がやや遅めでしたので、修煉し始めたばかりの時は、子供がまだ幼く、良く泣きわめきます。妻の睡眠を妨げないように哲君は毎晩子供を背負って部屋中歩き回りながらあやしました。その結果、約1週間、哲君はあまり眠っていませんでした。けれども、本人は非常に元気で少しも眠くならず、煉功する時は法輪が回転して体を調整してくれているのもはっきりと感じ取れたそうです。

 すぐに哲君の悪い習慣はすべて直り、妻に対しても優しく接しています。彼の変化を哲君の奥さんは非常に喜びました。当時、法輪功への迫害がまだ激しい時期でしたが、哲君の奥さんは、「修煉を諦めちゃだめよ」と言ったそうです。また、「今日、煉功した? 忘れないでね」と、よく哲君に電話をかけて催促もしました。その後、哲君の奥さんは法輪功はあまりにも素晴らしいと感じたので、大法の本を読み始めました。

 哲君はこのように言いました。「昔、母は1人で僕と姉を育て上げたので、とても苦労しました。かつて母が人に僕の運勢を占ってもらったところ、この男の子は偉い方に守られていると言われたそうです。この言葉が窮地にいたころの自分に大きな励ましとなり、どんなに苦しくても乗り越えられると自信を持つことができました。そして、今日、ようやく僕は偉い方に出会ったのです!」

 最後に、哲君は心を込めて同期生たちにこのように伝えました。「今日、ここに座っているみなさん、もし、真相を伝えてくれている法輪功修煉者に出会ったら、冷静に彼らの話を聞いてみてください。慈悲の心を持って本当に我々の為に思っていると気づくはずです!」

 哲君の物語を聞き、「哲君の顔を見ると、法輪功を修煉してよかったってわかるよ」と多くの同期生たちが話しました。

 真相を期待する同期生たち

 哲君の話を聞いて、私はさほど驚きませんでした。なぜなら、私も法輪功修煉者なのです。自らの体験から、他の修煉者たちの身に起きた変化など、すでに数えきれないほど法輪大法の奇跡とその素晴らしさが実証されました。法輪大法こそ全ての生命の望みであり、人生の答えなのです。

 一部の生徒たちはすでに私の経験談を知っており、迫害されたことも知っています。私の順番は最後なので、発表も最後になります。ポイントを押さえながら、要点だけを話し、ネット封鎖突破プログラムが入ったソフトウェアを同期生一人一人にプレゼントしました。皆、真相を知ることの重要さを理解しています。自らの経験談を話した後、皆、信仰を諦めなかったことで迫害を受けた私を心配して、私の為に怒ってくれ、そして、安全になったことに安堵してくれました。修煉したために、大法が智慧を授けてくださり、順調に国家試験に合格し、今は、技術設計総責任者を務めています。時間配分が緩く、給料も高い、比較的楽な仕事です。家庭の仲は良く、子供の成績と道徳観も心配いりません。

 司会者はマイクを取り、「私たち全員、必ず真相を理解します!」と言いました。

 ある同期生はソフトウェアを取りませんでした。彼は遼陽市から来た建築家で、「僕はよくネット封鎖を突破してウェブページを見ているので、法輪功の真相を良く理解しています。共産党が法輪功を迫害し、多くの嘘を作り上げたことも知っています」と教えてくれ、「三退させてほしい」と私の手を握りしめました。

 また、ある同期生は南京のある会社の建築家で、彼はこのように言いました。「絶対に私を団から脱退させてほしい。自分たちをしっかり守らなければいけない。いつかきっと法輪功は堂々と中国で広まるよ!」、「さらなる次元に達することを祈っている!」と哲君に伝えました。

 北京から来た女性は、大学卒業後、清華大学の大学院に入りました。彼女は以前、ゼミで唯一頑なに団員にならなかった女性で、その時から、頭が冴えており、独自の見解を持っていると皆に感服されています。今回、彼女は「法輪功を修煉している人は皆よい人で、正々堂々としている。哲君の経験にはとても感動したし、信仰を諦めない人たちの事も尊敬してる! 信仰は自由であるべきよ!」と発言しました。それから、パーティが開かれたホテルから大学へ向かうバスの中で、彼女は「私たち全員を三退させてもらえる?」と私に尋ねてきたので、「本人の了承を得なければならない」と答え、バス内の同期生たちに賛成するかどうかを聞いたところ、「する!」という答えが一斉に返ってきました。

 ゼミごとの集まりの後、他のゼミとの食事会がパーティ会場で開かれました。フランスから帰ってきた他のゼミの女性は私のそばに歩み寄り、「なぜかわからないけど、あなたに会ってすごくうれしいわ!」と言ってきました。「私が法輪功を修煉してるからよ」と彼女に言い、そして、法輪功が迫害されている真相を伝えたところ、すべて理解してくれました。「フランスにも真相を伝える修煉者がいるけど、見なかったの?」と聞くと、「毎日自分の生活に忙しくて、あまり外に出かけなかったわ。でも、あなたの話を聞いて良くわかった!」と喜んでくれました。

 他のゼミで山東省から来た女性は国家に登録された1級建築家で、私が法輪功を修煉していることを知り、「前々から法輪功が素晴らしいことは知っていたけど、どうやって修煉するかはわからなかった」と大慌てで私の所にやってきました。

 また、ある男性は「海外で大紀元を読むと、国内の新聞とはあまりにも内容が違いすぎて、どっちが本当か疑っていたが、君たちの話を聞いて、実際に同期生の身に起きているなんて、驚いたよ」と話しました。

 20年後の同窓会のおかげで、世界各地にいる同期生が一斉にこの場に集まり、本当に滅多にない機会で、皆感動しています。この20年を振り返ってみて、私と哲君は相次いで心身とも健康になれる法輪大法に出会い、人生の本当の意義を理解しました。そして、これもまた大勢の人々が探し求めていることで、ただ中国共産党の嘘と誹謗中傷により、人々が遠ざけているだけなのです。

 同窓会が終了し、私は皆に配られたアルバムを開きました。中には同期生一人一人のメッセージが書かれています。南京から来た生徒は、「日常生活において、頭が冴え、理性を保てる時はごく僅かの間でしかない。頭がはっきりしている時に人生の本当の意義を考えてみてください」と書きました。

 私と哲君は、同期生全員が法輪功の真相を理解し、人生の本当の意義を見つけ出すことを心の底から祈っています。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2016/12/5/336939.html)
 
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