【明慧日本2018年8月20日】(米国=明慧記者・夏延初)「臓器の強制摘出に反対する医師団」(DAFOH)は7月26日、ワシントンDC大使館が集中する区域にある宇宙クラブでセミナーを開催した。この日は、国務省の主催で開催した「宗教の自由を促進する大臣級会議」の最終日であった。セミナーは法輪功学習者が中国で臓器売買のため、殺害されていることについて議論した。これは宗教の自由を守る重要性を顕している。
強制臓器強奪は隠れたジェノサイド
臓器の強制摘出に反対する医師団執行主任のトレステン・トレイ氏は、99年7月から中国共産党は法輪功への迫害を発動しており、当時は中国国内で7000万から1億人の学習者がいた。臓器強奪の迫害は最大の迫害である。「私たちが分かっているのは、臓器強奪の背後にある機制はすでに隠れたジェノサイドの定義に符合しています。このような状況下で、法輪功は中国共産党の根絶対象になったのです」と話した。
ジェシカ・ルッソ医師は「隠れたジェノサイド」の概念について一歩踏み込み、人に知られない方式で徐々にある団体を粛清することだと説明した。法輪功が直面している迫害は、まさに隠れたジェノサイドであり、肉体、心理、精神と社交の面から、共産党当局は法輪功学習者を重く打撃し、その手段の多くは人に見せることのできないもので、しかも中国社会で徐々に常習化しており、被害者にとって、この種の陰険で強力なジェノサイドは致命的だという。
ルッソ医師は参加した医学専門家に、中国で実際に起きている残酷の迫害の場面を想像してほしいと求めた。
「警官が突然あなたを連行する。その理由はあなたが法輪功を信仰しているからです。彼らは各種の刑具を使いあなたを拷問します。あなたが女性であれば裸にされ、男性刑務所に投げ込まれます。警官は全身に傷を負ったあなたを連れて各種の検査を行います。特に血液型と臓器について詳細に検査されます。『どこを殴打しても構わないが、内臓だけは負傷させてはならない』という警官の声が聞こえます。さらに他の囚人から、ほかの良心犯が連れて行かれ、生きたまま臓器を取り出されたと聞かされ、あなたはそこで、次のステップは臓器のドナーにさせられてしまうと知るのです」
「ある日あなたは刑務所から連れ出され、手術台に載せられます。周囲は警察官と医療関係者で、彼らはあなたに薬物を注射し、動けなくなるが、意識ははっきりとしています。よく切れる手術刀があなたの皮膚を切り裂く苦痛は言葉で表せないほどです。あなたは自分が殺され、生命が終わろうとしていると知るのです」とルッソ医師は話した。
セミナーは韓国4大綜合テレビ局の一つである朝鮮放送が制作し、中国天津移植センターでの臓器移植ドキュメンタリーを上映した。撮影者は韓国臓器移植の家族の身分で天津移植センターに潜り込み、臓器売買の過程を撮影した。わずか3年間でこの病院で3000人の韓国人が臓器移植の手術を受けたという。韓国で肝臓移植を受けるには5年待たなければならないが、19万米ドルを払う意思があれば。10日以内に移植ができ、多く払えば多く払うほど、移植を待つ日時を短縮できる。このドキュメンタリーでもう一つ分かったことは、執刀医の多くがアメリカで研修を受け、流暢な英語を話せることである。
参加医師と具体的な行動を討論
セミナーに参加した医師は、中国共産党の法輪功学習者からの臓器強奪に驚愕し、同時にこれは医療界が注目すべき倫理問題だと認識した。
泌尿科医のマルセルホロウィッツ氏は、米国の医師にとって、不道徳な移植を受けた患者に、医療の提供をすべきかどうか、医学界で検討すべき倫理問題だという。「中国の情況について、米国で討論する必要があります。なぜならばこのことを知っている人は、あまりにも少ないのです」と話した。
ユタ大学医学部副教授のグリンウェルドン・ギルクリア氏は、法輪功学習者に対する臓器強奪は国家が推進したと強調した。彼は医師会などの機構の規定に倫理の約款を入れるべきで、医師のこのような不道徳な行為を抑制し、米国医学院に中国からの移植医研修の受け入れを停止するよう促すことだという。同教授は、米国国務省は入国ビザ申請において、臓器移植に関する条項を増やすことを考える必要があり、例えば臓器強奪に参与した者の入国を禁止し、中国に渡って臓器移植患者に慎重な再考を呼びかけることを提案した。
米国国務省 中国の宗教の自由に関して声明を発表
米国国務省が主催した第一回「宗教の自由を促進する大臣級会議」は、セミナーと同日に終了した。当日、国務省は宗教自由に関する声明を発表し、その中に中国が含まれていた。
声明文は「国際社会の代表として、我々は中国に対して宗教自由の厳しい制限に深く関心を寄せ、同時に中国政府に一人一人の人権を尊重するよう呼びかける。中国の宗教団体のメンバーには、ウイグル族、回族とカザフスタンのイスラム教徒、チベットの佛教徒、カトリック教徒、プロテスタントと法輪功(学習者)が含まれ、彼らは信仰を理由に厳しく弾圧され差別を受けている。これらの団体からは報告され続けているが、当局は彼らの信仰に関する平和的な活動を理由に、彼らに対して拷問を実施し、身体に対する虐待、任意の逮捕、拘留、刑に処し、あるいは私生活への妨害を行なっている」と記している。
米国元下院議員のフランク・ウルフ氏は、「宗教の自由を促進する大臣級会議」の会合で、臓器強奪の問題に言及し、法輪功が残酷な迫害を受け、臓器が強奪されていることについて、明白にした。中国共産党は彼らを殺害し、その臓器を売買している。今日、私たちは、世界の極端に不公平な宗教迫害に対して責任を負うべきではありませんか? 」と呼びかけた。