【明慧日本2019年8月26日】（四川＝明慧記者）最近、四川省巴中市巴州区裁判所は、9人の法輪功学習者に対して判決を言い渡した。実刑判決を言い渡された学習者の中に年配の学習者が7人いた。89歳の張新偉さんは懲役3年を、82歳の張明朗さんは懲役5年を、71歳の康尊六さんは懲役3年6カ月を、71歳の祝天貴さんは懲役2年6カ月を、70歳の岳映聡さん（女性）は懲役4年を、70歳の代万義さんは懲役3年を、62歳の周麗華さん（女性）は懲役4年を宣告され、それぞれ異なる金額の罰金を科された。
判決を受けた学習者と家族が皆控訴したにもかかわらず、いかなる犯罪事実もない状況下で、省政法委の書記・鄧勇が直接関与した下で、二審裁判を行なわず、弁護士にも知らせずに、裁判所はそれぞれの家族に「裁判所で判決文を受け取りなさい」という知らせだけだった。当事者の家族たちは納得行かず、裁判所に行き尋ねたところ、「二審での裁判はできない」と言われ、当事者と家族の控訴権を剥奪した。
2017年12月中旬、四川省公安庁の国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）と610弁公室を主管する副庁長は、巴州区公安支局の国内安全保衛部門の警官らを集めて広元市で育成訓練をさせ、巴中市で自ら陣頭に立ち、各県市の警官を指揮し法輪功学習者を大規模に連行する行動に参加した。副庁長はある会議で「気持ちも手も緩めてはいけない。法輪功学習者でありさえすれば、家宅捜索を行ない、必ず家の中で『証拠』が見つかるはずだ。すべての法輪功学習者の家を注意深く、詳しく捜索するべきである」と言い渡し、さらに、まず先に連行して後で証拠を探すようにと命令を下した。
続けて2017年12月22日、巴州区公安局の局長・張偉と国内安全保衛大隊の大隊長・魏東斌は、各県区の警官および郷鎮の幹部らを引率して同時に出動させ、法輪功学習者・張明朗さん、岳映聡さん、周麗華さん、代万義さん、張新偉さん、楊家順さん、康尊六さん、陳国瓊さん、祝天貴さん、孫蓉さ、岳淑元さん、劉栄坤さん、李善勇さん、温瓊さん、エン仕碧さん、李玉蘭さん達16人を連行し、家宅捜索を行なった。89歳の張新偉さん（巴中市巴州区検察庁の検察官を退職）さえも見逃さなかった。
2018年11月7日、巴中市の10人の法輪功学習者たちが裁判にかけられた。弁護士と家族が依頼した弁護人は法律に基づき、付けられた罪名を論じ返して、無罪での解放を要求した。89歳の張新偉さんは、両手で杖をつき、同行した家族と一緒に法廷に入って、自らの経歴を持って、法輪功の不思議な健康維持効果と人々を善に導く素晴らしさを語った。
ある傍聴者は「国家権力を握る高官たちは、国家の法律を破棄するあるいは破壊する能力がありますが、これらの7、80代の何の力もない高齢者たちは、歩く時でさえも人に支えられなくてはならず、どうやって国家の法律の実施を破壊し得るのだろうか！」と語った。
2019年1月7日、四川省巴中市巴州区裁判所は、9人の法輪功学習者に対して判決文を下した。内部の情報によると、この案件は四川省政法委の直接の指令の下で、判決に至ったという。巴州区検察庁は証拠不足のため本案件を公安局に差し戻したが、四川省政法委は何度も圧力を加え、巴中公安局に四方八方手を尽くして証拠を収集させ、手を緩めずに判決を下すように指示した。また、指示に従わない検察官と裁判官に対しても、処罰する対象者となると脅かした。巴州区裁判所は本来拘禁した期間と同じ判決を下し、裁判後、すぐに帰宅させる予定だったが、省政法委は「少なくとも懲役3年の判決を下し、いくら高齢であっても判決を下すように」と指示した。そしてその上、「しっかりと罰金まで取るように」と命じた。巴州区裁判所の関係者は「飯の職」を失わないように、良心に背いて判決を言い渡した。
2019年7月26日、代万義さんの家族は四川省検察庁からの電話を受けた。「あなたが告発した政法委部門の司法に関与する案件資料は、紀律検査監察部門から回ってきたが、我々は対応できない。密封して保存しているので、持って帰りたければ持って帰っても構わない」という内容であった。また最高人民検察庁から「あなたの告発状は受け取りました。私達が管轄する範囲内の案件ではありません。省検察庁は対応できないだけではなく、最高人民検察庁裁判所も対応できません」との返答メールも届いた。最終判決を決定する「三長会議」は政法委により開かれたものである。現在の四川省政法委の書記は鄧勇で、四川省検察庁の元検察長である。
（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）
