航空エンジニアの胡林さん 康家山刑務所で迫害死
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 【明慧日本2020年2月28日】遼寧省瀋陽市の法輪功学習者・胡林さんは航空エンジニアだった。胡さんは2019年5月23日に、法輪功迫害の真相資料を配布しているときに連行された。そして、2019年6月20日に法庫県裁判所により懲役2年の実刑判決を宣告され、刑務所に収容されたが、2020年2月16日午後1時、瀋陽市康家山刑務所で残忍な迫害によりこの世を去った。享年47歳の若さであった。

 胡さんは優秀な成績で北京航空航天大学に進学した。卒業後、瀋陽市飛行機研究所に就職し、エンジニアになった。有能な胡さんは仕事がよくできたため、職場で良い評判を得ていた。胡さんは法輪功を学んでから、法輪功の教え「真・善・忍」に従って一層自分に厳しく要求した。

 しかし、1999年7.20、江沢民が権力を利用し、法輪功への残酷な弾圧を発動した。胡さんが法輪功を学び続けているために連行され、拘禁され、労働教養処分などの迫害を受けた。拘禁されていた間、胡さんは猛打され、スタンガンで電気ショックを受け、縛り上げられ、睡眠を剥奪され、奴隷のように労働をさせられて、酷い拷問を加えられた。

 2017年11月12日、胡さんと法輪功学習者・郭旭紅さん、王天媧さんの3人はともに法庫県四家子郷で連行された。12月7日に解放されたが、その後、胡さんは法庫県公安局にネット上で指名手配を受けた。郭さんと王さんは2018年4月4日、法庫県裁判所にそれぞれ懲役1年と罰金2万元(およそ31万4000円)の判決を下された。

 2019年5月23日、胡さんは本渓市桓仁郷で法輪功の資料を配布したとき、再度連行され法庫県留置場に拘禁された。同じ日に、法輪功学習者・楊麗威さん、鄧玉林さん、張鵬柱さん、張莉敏さんの4人も本渓市で警官らに連行された。

 その後、胡さんの家族、弁護士は数回も胡さんと面会することを求めたが、国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関)の警官に拒否された。6月14日、家族は胡さんの案件が6月の初めに、すでに裁判所に渡されていたことを知った。そのため、6月18日朝8時に弁護士は裁判所に行き、胡さんの案件の閲覧を要求したが、裁判所側に「今日、胡林に対する開廷が9時に始まる」と告げられた。

 結局、弁護士は開廷前に本案件の閲覧ができなかった。弁護士は裁判官に「なぜ、開廷することを家族に通知しなかったのですか」と聞くと、「胡が家族の連絡先を言わないので、できなかった」と答えた。実際、家族は胡さんが連行されてから数回、留置場と派出所に連絡をしていた。弁護士は、「胡さんは法輪功の資料を配ったことで連行されたので、秘密の案件には該当しません。胡さんの案件を秘密の案件として、秘密裏に開廷するのは違法です」と指摘した。

 胡さんは十数人の警官らに抱えられて、法廷に入って来た。法廷で胡さんは留置場で身体を板の上に乗せられ、「大の字」の形で引っ張られる酷い拷問を受けたと話した途端に、裁判官にすぐにこの話を中断させられた。

 裁判所は胡さんに懲役2年の実刑判決を言い渡した。これを不服として胡さんは、瀋陽市中級裁判所に控訴した。瀋陽市中級裁判所は8月6日、一審の裁判手続きが違法だと認定し、法庫県裁判所に再審するようにと差し戻した。そして、8月22日、法庫県裁判所は胡さんに対して、二審を行なった。法廷で弁護士も胡さん本人も法律に基づき、胡さんの無罪を主張したが、法律を無視した法庫県裁判所にまたも、懲役2年の実刑判決を下され、さらに罰金2万元を科せられた。胡さんは再度上訴したが、中級裁判所に「原判決を維持する」という結果を出された。

 胡さんは2019年5月23日、連行されてから断食して迫害に抗議したが、法庫県留置場に拘禁されている間、板の上で両手両足に手錠と足かせをはめられ、「大の字」にされて手足を引っ張られたまま、灌食された。さらに灌食後に、胃にチューブを挿入したまま放置された。また、胡さんは留置場で警官の指示を受けた受刑者らに猛打された。留置場での最後の1カ月間、胡さんは部屋の隅に動けないように固定されていた。苦しめられ痩せこけてしまった胡さんは足の感覚を失い、臓器不全で数回も病院に運ばれ、救急措置を受けた。家族は治療のために保釈を要求したが、刑務所側に拒否された。

中共酷刑示意图:绑在床上灌食
拷問のイメージ絵:縛られて灌食される

 留置場と公安局は命に危険がある胡さんを刑務所に送ろうとし、数か所の刑務所に連絡したが、すべて拒否されて受け入れられなかった。しかし、留置場は胡さんを解放せず、瀋陽市康家山刑務所に賄賂を渡し、10月30日に胡さんを瀋陽市康家山刑務所に入れ込んだ。

 2019年11月7日、家族は胡さんと面会したとき、胡さんは極度に痩せこけ、自分で寝返りを打つこともできず、両足の感覚がない状態になっていた。家族はすぐに、胡さんの身体検査を行なうように要求したが、刑務所側に拒否された。「胡林は刑務所に着くと、法輪大法は素晴らしいと叫び、政治犯だ。死んでも釈放できない。これがその理由だ」と言った。

 胡さんは最後の3カ月、刑務所側が数回にわたり、家族に「胡林は『転向』しないし、反省もしない。『法輪大法は素晴らしい』と叫び、食事もしない。自業自得なので、俺らはその責任を負わないぞ」と話した。家族は怒りの気持ちでいっぱいだったが、涙を呑むしかなく何もできなかった。

 そして、胡さんの友人や家族は関係部門を訪ね、胡さんの事情を話し、胡さんの解放を求め続けた。しかし、関係者らはさまざまな口実で互いに責任を逃れようとして、家族に嘘をついたりした。刑務所側はお正月と新型肺炎の防止を理由に、家族と胡さんの面会を拒否し、電話で話すことも許さなかった。

 2020年2月14日夜、康家山刑務所が胡さんの兄に電話し、胡さんが病院に運ばれたと告げた。そして、家族はすぐ瀋陽病院に駆けつけたが、重症の胡さんを病室の窓から見るだけで、病室に入ることは許されなかった。そして、兄はサインを強要された。16日午後1時、家族は胡さんの死を告げられた。

 2月18日、胡さんの遺体は火葬された。兄は80歳の母親が悲しまないように胡さんの死を伝えず、胡さんの遺骨を家に持って帰えるのをやめ、瀋陽に置いてあるという。

 胡さんが受けたこの迫害情報は、明慧日本の「胡林さん危篤状態 刑務所側『死んでも責任を負わない』」、「遼寧瀋陽市の胡林さん 留置場で苦しめられる」を参照されたし。

(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2020/2/22/401523.html)
 
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