文／中国の大法弟子
【明慧日本2002年3月19日】1999年7.20から、中国共産党の党首・江沢民は法輪功への残酷な迫害を引き起こしました。それにより、大勢の大法弟子は数々の魔難を強いられ、心に永遠に消えない傷が残され、特に、直接迫害に関わった人や警官に対して怨恨心を生じることが多々あります。
以前、私もこのような報復心や怨恨心を抱えていましたが、修煉する中で学法を通じて、迫害を実行した人の悲しむべき結末を考えるようになり、これらの生命も救い済度する必要があると分かりました。
師父は「全世界の全ての人々はかつて私の親族でした」[1] と語られました。それなら、彼らもかつて師父の親族であり、私たちは彼らを親族のように接し、彼らを救い済度すべきだと思いました。彼らは旧勢力の按排によって、本心ではない役を演じさせられ、また、中国共産党の邪悪な洗脳により、人を迫害する工具となっています。実は、彼らも法を得るためにこの世にやって来たのに、最後は清算され、淘汰される運命となっています。ですから、われわれは旧勢力の陰険な手口を見極め、このような危険な境地に立たされた衆生を一刻も早く、済度する必要があると思いました。
（一）私は十数年も離れた故郷に戻り、当時何度も私を迫害した元の勤め先の保衛課の課長を探しました。人から聞いた話によると、当時30代だった彼はその後、勤め先に懲戒解雇され、離婚した上に債務返済のため住宅まで没収され、今は半身不随となって両親のもとで暮らしているそうです。
私は彼の両親の住所を尋ねて訪問しました。呼び鈴を押すと、1人の老人が窓から顔を出して私をしばらく見て、突然、怯えた表情になりました。当時、法輪大法の修煉を放棄しない理由で、私と家族に残酷な迫害を行ない、迫害を逃れるために故郷を離れた私の生と死が人々の話題になり、地元で大きな波紋を巻き起こしました。彼の息子である丁さんは迫害を実行した主要メンバーだったので、私が復讐しにやって来たとこの老人は恐れました。私は丁さんの両親に「私は法輪功を修煉してから、より善良で誠実な人になりましたが、理不尽な迫害を受けて家にも戻れず、妻子と離れ離れになって命すら脅かされました。あなたの息子の丁さんは法輪功学習者を全力で迫害しましたが、私はそんな彼を恨んでいません。中国共産党は権力や金の力を利用して誘惑し、彼らを良い人である法輪功学習者たちを迫害する工具として利用しただけです。現在、彼はひどい目に遭いましたが、実は彼も中国共産党の被害者なので、彼に会わせてほしいのです」と言いました。
そう言うと、丁さんの両親はほっとした様子で、「息子は本当に罰当たな事をしました。よく言い聞かせてください」と言って私を案内しました。しばらく歩くと1軒の古い民家の前で立ち止まり、鍵を取り出して扉を開けました。そこで目にしたのは高くなった雑草がいっぱい生えた庭と、その真ん中をと通っている湿ったレンガの細い道でした。二番目の扉を開いて右に曲がると小屋がありました。部屋に入って見ると、かつて元気だった丁さんはオンドルの隅に萎縮した様子で、恐怖と無力な目で私を見ていました。
ガラーンとした部屋の中で、身体の不自由で自立できない孤独な丁さんを見て、私は中国共産党の真・善・忍に対する迫害がどれほど残酷で、どれほど幅広く被害者を生み出したのかと肌身で感じました。もちろん、「善には善の報いがあり、悪には悪の報いがある」という天理の通りだ、と深く理解できました。丁さんのお父さんは冷たい口調で息子に、「よく聞きなさい」と言い残して部屋を出ました。そこで私は次のように言いました。「丁さん、当時、あなたは中国共産党の嘘に騙され、官職や利益のために良い人達を迫害し、悪事を働いた結果、最後には自分も被害者にされました。あなたがひどい目に遭ったと聞き、私はどうしてもあなたに会いたかったのです。すべてあなたがかつて大法弟子を迫害した悪の報いを受けただけではなく、これは中国共産党が人間を滅ぼす手段と目的なのです。あなたにはまだ目覚めてやり直すチャンスがあります」
丁さんは私の誠意を感じ、私にたくさんの話をしてくれました。会話の中で、丁さんは迫害の具体的な内容と、関わった公安局や610弁公室の組織の人員、それに勤め先の担当者がその後、次々と交通事故や病気で突然に死亡した事例を教えてくれました。自分の現状についても丁さんは「今、俺もこのような酷い目に遭い、子供と一緒に老いた両親に頼って生きるしかない。本当に恥ずかしくてたまらない」と悲しそうに言いました。
私は丁さんに「中国共産党は歴史上で数々の非常に良くない運動を起こし、恨みを作り、そして法輪功の真相を知らない人を利用して国民を迫害させ、最後には迫害を実行した人達を見捨てます。このような手段を繰り返して使って、中国の伝統文化を破壊し、伝統を守る人や善良な国民を弾圧してきたのです。あなたは直接に法輪功を迫害する加害者でもあれば、その反面、被害者でもあります。自分の経験した教訓を周りの親友に伝え、人のためになると同時に罪を償い、中国共産党の組織から脱退して、明るい未来を選択すべきです」とコンコンと諭しました。私の話に賛同した丁さんに、法輪大法の真相を伝えるCDや法輪功の資料を渡した後、ネット封鎖を破るソフトウェアを教えました。
数年後、私はお土産を持って再び丁さんを訪ねました。今回見た丁さんはだいぶ元気になり、両親の住むマンションで同居していました。丁さんは前回会った日付まではっきりと覚えていて、私が来るのを待っていました。
丁さんの母親は私に「先日、路上である人から1冊の『中国共産党についての九つの論評』をもらいましたが、本に書かれたた事は皆事実でした。私は今年80歳で、その中の事をほとんど経験してきました」と言いました。それに対して私は丁さんの家族に「中国共産党は毎日のように人民のためとか、愛国とか、国の安定を維持するとかを宣伝していますが、高官達の子どもの80～90％が先進国に移住し、海外に巨額な資金を移して豪邸を持ち、それに永住ビザを持っているのも事実です。この点から見ると、愛国どころか、彼らこそ売国奴で、共産党こそ国の安定を妨げる根源となっています。中華民族の子孫として、中華民族を愛することは腐敗した悪党を愛することではありません」と言いました。
丁さんは私に現在の国内外の情勢を語り、そして当時大法弟子の迫害に関わった人員や具体的な事についても情報を提供してくれました。丁さんの話を通じて、彼の認識が正されていたと感じられました。別れる時、丁さんの父親は私に「あなたが昔の恨みを放下し、我が家に来てくれたことを心から感謝します」と言いました。丁さんも私に「これからも時間があればぜひ来てください。ゆっくりと話しましょう」と誠意を見せました。
（二）元の勤め先に、もう1人の幹部が大法弟子の迫害に参与し、50歳前なのに脳卒中になりました。命拾いはしたもの後遺症のために自立生活ができなくなり、十数年も家に閉じ込められた日々を過ごし、刑務所にいるのと同じように、罰が当たりました。
当時、彼が大法弟子を迫害した時、私は「私たちは真・善・忍を信仰する修煉者で、人を傷つけるような悪い事をしたわけではありません。かつて私の身体が弱く、薬に頼るしかありませんでしたが、大法を修煉してから健康になり、それに真・善・忍の教えを守り自分を厳しく律しています。もし、あなたが目の前の利益のために良い人達を迫害すると、将来、自分にも害をもたらします」と言い聞かせました。しかし、彼は当時は権利もあり、官職を守るために聞こうともせず、さらに「それ以上言うな。俺は何も信じない」と激怒しました。それからわずか2年で官職どころか、命までも失う寸前にまで落ちぶれていました。
彼の家を訪問した時、彼はとても恐れており、私から説明を聞いて少し安心したようでした。彼は「あれほど残酷になるとは思わなかった。当時、上司からのプレッシャーもあって、まさか、あなたの給料まで止めて生活保障まで切るなんて、確かにひど過ぎる仕打ちだ」と言いました。
私は「実は私の一家に対する迫害は、あなたが知っているより遥かに上回っていました。同じ勤め先の同僚として、私が修煉してから体に現れた変化や私の仕事ぶりは、皆に認められて尊敬されている事実も分かっているはずです。だが、迫害が起きてから幹部や上司たちは善悪を見極めず、嘘を言うばかりで、私と家族に対して24時間体制で監視するだけでなく、我が子を学校にも行かせず、さらに公安当局に協力し、子供を連れ去り、脅迫しました。これは憲法に違反する犯罪行為です。上からの指示かもしれないが、指示した本人も責任から逃れることはできず、すべて償わなければなりません。今あなたも酷い目に遭い、家族もこの十数年間苦労したと思います。私は大法を修煉してからは本質的に変わり、寛容になり、怨恨の心を放下することが出来るようになりました。こうやってあなたを訪れたのです。本気で間違ったと認識し、常に『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と心から念じ、中国共産党の組織から脱退すれば、体も良くなれますよ」と言いました。
彼は右手が動かないため私に「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」と書くように言いました。その言葉を一度読んでから中国共産党の組織を脱退しました。私と別れる際に「まさか、こんなことが訪れるなんて思わなかった」と感謝しました。
これらの迫害運動で直接迫害に関わった者達は、いろんな意味で悪い報いや啓示を漏れることなく受けました。「鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し」（※1）、「人の将に死なんとする、その言うや善し」（※2）とあるように、迫害が一番酷かった数年間は、嘘や世間の影響を受けて因果応報を信じることなく、目の前の利益だけを見ていた人達も、自分に災いが降りかかり、不幸になれば反省するのです。何もかもを失い、命すら危うくなった時に、大法弟子が大慈悲で救いの手を差し伸ばされた手を掴み、本当の意味での生きる目的や意味を教わり、大法の佛恩に大感激するのです。
正しくない所があれば、ご指摘ください。
注：
[1] 李洪志師父の経文：『2003年元宵節での説法』
※1「鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し」の意味は、鳥の死に際の鳴き声は人の心を打つほど悲痛に響くということ。
※2「人の将に死なんとする、その言うや善し」の意味は、人が死に際にいう言葉には真実が込められているという意で使われる。
