【明慧日本2020年4月20日】日本放送協会(NHK)が2020年4月9日に発表した中共ウイルス感染状況の統計によると、4月9日10時30分までに、日本における累計感染者数は4979人、累計死亡者数は105人であった。(クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からの感染者712人、死亡者11人を含む)
中共ウイルスによる新型肺炎が武漢で発生してから、全世界の感染者数はすでに154万人に上り(中国、イラン、北朝鮮などの情報隠蔽の独裁国家を除く)、死亡者数は9万人を超えた。
最近、一部の日本の政治家および国内外のメディアは、日本政府が東京五輪を開催するために、中共ウイルスによる感染の実態を覆い隠しているのではないかと疑問視し、ネットでも批判が広がり炎上している。20年以上、日本に在住している私(筆者)が、日本の現状と今回の感染拡大の中で、日本で起きた幾つかの不思議な現象をここに紹介し、そして、本当に爆発的な感染拡大が起きていれば、日本政府がその真実を覆い隠すことは出来ないことを説明させていただこう。
一、日本での感染状況における三つの謎
(謎1)運転手とガイドは感染、他の感染例は確認されず
1月28日、日本では2人の感染者が確認された。1人は大型観光バスの男性運転手で、もう1人はツアーの女性ガイドであった。彼らは武漢からのツアー客と一緒に行動していたために感染した。このツアーの日程は1月8日~11日を大阪、1月12日~1月16日を東京で過ごし、それから大阪に戻るものだった。
不思議なのは、運転手とガイドの感染は確認されたものの、武漢からの団体客が日本で観光した地域では、他の感染例が確認されなかった。
運転手とガイドの感染が大々的に報道されたので、武漢からの団体客に接した日本人は中共ウイルスの検査を受けていたはずである。しかし、その後、新たな感染者についての報道がなかった。
日本人は「偉大な指導者」の「新規感染ゼロ」の号令を守るとか、党や国家指導者の面子のために、ウイルスに感染しても秘密を厳守するという「政治意識」は無いはずだ。それに、日本のメディアもただものではない。彼らは政府の代弁者でもなければ、政府の指示通りに発言するわけでもない。もし、本当に感染者が確認されれば、各大手メディアが直ちにそれを集中的に報道するだろう。
(謎2)人口密度が高く、交通が混雑している
日本政府は中共ウイルスの感染を防ぐために
1、換気の悪い密閉空間
2、多数が集まる密集場所
3、間近での会話が発生する密接した場面
という三つの「密」を避けるようにと、「注意喚起」を行なった。
公共の秩序を守ることにおいて、日本人が相当自立しているとは言え、上述の三つの「密」を避けるには、都会では中々やり遂げにくいものがある。
日本の交通機関はとても発達しているため、市民は出勤などで外出した場合、ほとんどの者が電車を利用している。ラッシュ時の電車の混雑ぶりは、日本で生活した人なら誰でも知っているだろう。閉まる直前に、ドアの縁を持ちながら背中から乗車して来る乗客を、駅員が強く押し込んでいる光景がよく目に付く。やっと電車に乗り込んでも、車両内は隙間がないほどぎゅうぎゅう詰めになっている。それこそ密閉、密集、密接の「三密」の場所ではないだろうか。かつて学校に通っていた頃、重たい本が入ったカバンが、満員電車の人と人の間に挟まれて手を離しても、落ちない経験が私には何度もあった。
始発電車も終電も相変わらず混雑している。私は毎週、東京のある勉強会に通っており、帰りの電車がいつも夜の10時すぎになるが、電車は依然として混み合っている。数年前、満員電車に乗るため、肋骨骨折をした人も出たとの報道があったため、多くの日本人は「通勤」の事を「痛勤」と呼んでいる。もちろん、上述したのはまれな例だ。しかし、長時間、超満員の電車に乗るのは日本のサラリーマンの日常である。
避けるべき三つの「密」の場所を考えると、通勤電車は大変恐ろしい所ではないだろうか? 人が満員電車に乗り、乗り換えをし、この電車からあの電車へ、この路線からあの路線へと大勢が移動する。しかも、車両も長く、一つの車両にはどれだけの乗客が乗っているだろうか? もし、本当に感染が拡散していれば、それこそ爆発的な感染拡大となり、その結果がどうなるか想像もつかないものになるだろう。それに、中共ウイルスに感染すると、5、6日後に必ず症状があらわれるので、もし、日本で本当に爆発的な感染が起きていれば、それを覆い隠すことはできない。
(謎3)日本には高齢者も中国人も多い
中共ウイルスが世界で感染拡大する中、イタリアはヨーロッパの武漢と呼ばれるようになった。専門家はイタリアが厳重な防疫措置を取っておらず、人口の高齢化と医療物資の不足も感染拡大の要因になったと言っている。しかし、人口の高齢化で言えば、イタリアの総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合は23%であるのに対し、日本は28.4%である。
そしてイタリアと比べれば、日本はむしろ何の防疫措置も取っておらず、はなはだしい場合、ウイルス検査もしていない。現在のところ、学校は春休みを1か月延長し、政府は3月28日、29日に週末は外出しないよう、東京都民に夜は外出しないようにと呼びかけた。それだけである。
また、イタリアには在住する温州の人が多く、そのために感染がひどくなったとの報道があるようだが、横浜中華街も日本三大中華街の中の最も規模が大きい場所で、大勢の中国人がここに住んでいる。そして、ここは横浜港と山下公園に隣接しており、有名な観光スポットでもあるため、中国からの観光客を乗せた大型観光バスが一年中絶えることがない。それに、今回のクルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)も横浜港に停泊していた。それなのに、中共ウイルスによる爆発的な感染は起きなかった。
二、もし感染拡大すれば政府は隠蔽できない
以上の三つの謎を踏まえれば、「もし、感染が爆発的に拡大した場合、通勤による感染者だけでも数え切れず、その感染源となる人も見つけられない。そのため、日本政府はそれを覆い隠すことができない」と私達は推測できる。
感染が発生した当初、日本で確認された感染者は武漢在住の日本人、武漢在住の中国人留学生、そして、武漢のツアー客に接触したガイドと運転手だった。彼らは日本の各地に住んでいる。そして、報道によると、3月1日、乗客はクルーズ船からの下船が許された後、各自で公共交通機関を利用して帰宅した。
日本で感染が拡散したもう一つの要因は、中共ウイルスによる肺炎が武漢で発生した当初、日本が中国にマスクや医療防護服、医療物資を大量に寄贈し、日本各地では、武漢のための募金活動や、武漢頑張れと応援する活動もあった。中国共産党(以下、中共)に忖度(そんたく)(※)した態度は、日本の関東から関西まで感染者を続出させ、最も南にある沖縄でさえ感染者が出た状況を招いたと言えよう。
日本は高度に都市化された国で、総面積は37.8万平方キロメートルで、人口は1億2615万人(2019年6月の確定値)、人口密度は348.3/ km2である。このように人口が密集して、公共交通機関への依存度も高い国の現状を考えて、多くの人が「日本では感染がすぐに拡散するだろう。日本政府のやり方は危険すぎる」と心配しており、ネットも、各国のメディアも「日本はもうすぐ陥落するだろう」と騒ぎ立てていた。
しかし本日まで、日本では、中共ウイルスに感染した感染者数も死亡者数も、いずれも低い水準に抑えられている。現在の94人の死亡者を3月1日~4月9日の間に死亡したと換算すれば、1日あたりの平均死亡者は2.35人となる。この数字は2019年の日本における自殺者数の54.68人/日よりかなり低いものだといえる(警察庁のデータによると2019年の日本の年間自殺者数は1万9959人)。これは一体なぜなのだろうか?
2月3日、クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)のスポークスマンは、「当社は香港から感染情報の正式確認を受け、当日の夜、乗客に報告した」と言った。2月5日、船長は再度、船内放送で乗客全員に「日本厚生労動省は当客船で10人の感染者を確認した。すべての乗客は直ちに部屋に戻ってください。これから14日間、隔離を行わなければなりません」と知らせたという。
2月14日、日本厚生労動省は「中共ウイルスに感染した80代の日本人女性は2月13日(木)に死亡した」と発表した。これは日本での最初の中共ウイルスによる死亡例である。
感染者の死亡情報が出ると、日本のある人々の間で批判が沸き上がった。
2月中旬のネット情報によると、ある人は安部首相の名前を自分のリュックサックに、「不安倍増」と書き、ツイッターでも、「安倍内閣、全員辞職しろ」と呼びかけた。在任期間の最も長い日本の内閣総理大臣、安倍首相の支持率の下落だとして日本の各大手メディアがこぞって宣伝したという。その後、一部のメディアは、「もし、このまま感染拡大が続けば、日本国民の怒りに火をつけた安倍首相は、辞職せざるを得ないだろう」と宣伝した。
つまり、日本社会の現状から、日本政府が感染情報を隠蔽できる可能性はほとんど無い。
三、感染拡大しそうな日本の被害が軽い理由
日本の状況は疫学者達にとっても謎だ。「ニューヨーク・タイムズ」は、「学校はすでに1カ月休校し、政府も大規模なイベントやスポーツを中止あるいは延期するようにと要請した。しかし、生活と他の面においては、依然として正常に行なわれており、人々は相変わらず満員電車に乗り、公園で花見をし、バーやレストランも通常営業している」と報道した。
「ニューヨーク・タイムズ」のもう少し前の報道では、「日本の感染者数と死亡者数は、いずれも比較的に低い水準にある。世界の他の地域が、感染爆発、医療崩壊、死亡者の急増と言う悪循環に陥った時、1億2700万の人口を持つ日本は、たった1300人の感染者と45人の死亡者しかいない。日本は高齢化が最も深刻な国にもかかわらず、中共ウイルスの致死率がもっとも低い国の中の一つだ」と報じた。
疫学者達はこれが不可解だと思っているようだ。
ワシントン大学の感染病予防と世界衛生センター(Metacenter for Pandemic Disease Preparedness and Global Health Security)主任のPeter Rabinowitz博士は「彼ら(日本)は何か正しいことをやったのか、あるいは何もやっていないのか、私達はまだ知らないだけなのだろうか」と言った。
四、中共肺炎発生前、神韻公演は順調に終了
李洪志師父は『洪吟』「魔変」の中で「世人その故をいかで知らん 修道する者はその謎を知る可し」と書かれている。
疫学者や世間の人々は、日本の現状を不可解な謎としているが、大法修煉者としての私は、「日本の防疫に何を行なったか」と言う謎を解いてみたいと思う。
それは神韻芸術団の日本公演が日本の国民に幸運をもたらしたことだ。これまで、神韻の日本公演はほぼ毎回満席を記録し、公演回数も年々増加している。最初の年に7回公演から、その後の15回、さらに今年は34回になった。特に2019年12月25日から2020年2月2日まで、神韻芸術団は中共ウイルスが日本に上陸する前に、東京、横浜、京都など九つの都市での巡回公演を行なった。
世の中に偶然の事はなく、如何なることの発生にも原因がある。表の要因の下に深層の原因が必ず隠されている。宇宙はこれほど大きく広く、無神論で説明できないことが多過ぎる。神からのご愛顧をいただければ、人類は初めて世の中の災難を乗り越えることができる。
神韻日本公演の成功は、日本の国民のその後に幸運をもたらした。
五、日本の観客が神韻を見た後の声
2019年12月、中共ウイルスによる感染が武漢で発生した頃、アメリカから来た神韻芸術団はちょうど日本で公演を行ない、劇場が連日満席の空前の大盛況だった。日本は韓国やアメリカ、ニューヨークのように、神韻芸術団の予定公演回数を減らしていなかった。例年と同じように、今年も神韻公演が日本で大好評を博した。インタビューを受けたほとんどの観客は、「神韻公演から強いエネルギーを感じました。神韻が見せてくれた中国の伝統文化こそ、我々が愛した真の中国です。神韻が中国で公演できない事をとても残念に思います」と語った。
毎年の神韻巡回公演について取材する記者として、筆者は日本の観客の神韻に対する賛美と感謝をしみじみと感じている。数え切れないほどの観客が感涙し、私も観客のコメントに心を打たれ、感動して多くの涙を流した。
取材の中で、とても深い印象を与えてくれた人がいた。普段は控えめで遠慮しがちな日本の方であるが、公演を鑑賞してから、中共の法輪功に対する迫害の真相を知って、取材の中で怒りを抑えきれず、真っ赤な顔をして、「必ず習近平を下ろしてやりましょう。中国に一日も早く民主国家になってほしいからです」と言った。
会社社長の松下豪さんは、「神韻を見て本当に感動しました。涙の跡がまだ乾いていません」と言った。
歯科医院の副院長の斎藤瑞穂さんは、「人間と天上とのつながりに関して、そして、この世の中で自分が何をしなければならないか、公演を見ながらずっと考えました。人間は修行するためにこの世に来ていると思っていましたが、この公演を見てからは、もっと努力したいと思いました。今、努力すれば、きっと美しい未来を迎えることができるでしょう」と語った。
大野市議会委員長の田嶋栄一さんは、「伝統文化の伝承は誰も阻止できません。きっと後世に伝わっていくでしょう」と感慨深く語った。
運送会社役員の田島智恵さんは、「神からの力を強く感じました。次元の高さに手が届きません。歌の歌詞は人間と神の関係を示してくれました。人間が天上から来て、最後に神に回帰する記憶を蘇らせてくれました」と語った。
結び
李洪志師父は「良い公演効果と神の助けがあって、それは人間にはできないことで、出されたエネルギーは全部『真・善・忍』だということを教えています。彼らの踊りにしても、歌われた歌、楽器が奏でた音にしても、中に全部この正しいエネルギーがあり、ひいては舞台にある色彩も正しいエネルギーを放っています。(拍手) どんなものも物質なので、この正しい全体効果で人が受益するため、公演を見て病気が治った人がいます。劇場を出ると電話があり、良い知らせが来て、生活の上で大きな難に遭っているのに、すぐに解決され、その理由が分かりません。この公演を見てどうしても嬉しくなり、多くのことが変化したと言う人もいます」と説かれた。
最近、日本では感染者増加の状況が続いているが、それにしても、専門家達の予想よりまだまだ低いものに留まっている。日本とイタリアの違いはいったい何だったのか? それは疫学者や専門家にとって難解のようである。日本の情況は、まさに奇跡だと言えよう。
教訓がないわけではない。多くの日本の法輪功学習者にとって、忘れがたい教訓がある。それは2011年、師父のご要求の日程通りに、つまり3月11日の大地震と津波の前に神韻公演を開催しなかったことだ。それは私達に無限の悔恨と遺憾を残した。しかし今年は違った。皆の努力の下で、神韻日本公演は予定通りに終えることができた。
2008年、神韻日本公演を初めて行なってから今日まで、日本の観客が神韻公演を鑑賞することによって、法輪功が迫害された事実、そして、人間が世間に来た目的が何であるかが分かるようになってきた。真相を知った人々が神からのご愛顧をいただけたおかげで、巨大な正信と正念の場を持たせてもらった。それこそ日本だけが、今回の中共ウイルスによる被害が全世界と比べ非常に少ないという、不思議な現象の真の原因ではないだろうか。
以上は、現段階における日本の感染状況に対する個人的な見解であるが、各国各界の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いであると思う。
(※)忖度(そんたく:他人の心情を推し量ること)