計り知れない価値があるからこそ、無償である
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 【明慧日本2020年5月26日】法輪大法を修煉する前の私は記者でした。修煉後も似たようなことをやっていますが、内容や形式は全く違います。現在の中国のメディア界では、実習生から総編集部員まですべての人員が宣伝部に管理され、下された任務は国民に対する洗脳と中国共産党(以下、中共)の支配を維持するためのものです。メディアの命は「真実」であるべきなのに、中国では嘘を真実のように伝え、国民を騙すのと同じです。当時、私が何を書いても、何を発言してもすべて価値で計り、運転手付きの車であちこちを回り、大事な報道にはパトカーが先頭を走るなど、面子が立ちました。注目される仕事なので立派な身なりをし、宴会にもしょっちゅう招待されました。

 しかし、私は法輪功学習者を迫害する刑務所の実態を調査したため、不当に拘束されて仕事も失いました。中共の支配下では真実の報道は許されていませんが、私は異なったスタイルで続けました。私は酷く迫害され、声を上げることが許されない法輪功学習者をインタビューをして、涙を流しながら彼らのストーリーを記録し、その残忍な迫害の真相を人々に伝えました。誰からも原稿料をもらったことはなく、逆に、自腹を切って人を招待して、これらの話を聞かせました。

 その過程で、私はこの世に唯一の浄土が見えてきて、最後には自らが大法修煉者になりました。

 以前は、慣れたメディアの仕事と言えば、ジャーナリスト、編集者、制作、印刷、発行、それに事務など、さまざまな部門が分担して協力しながら仕事を成し遂げました。しかし、今の私はほとんど1人で全てを担っています。私は、カジュアルな服装にリュックサックを背負い、人々に大法の真相が書かれた資料を配っています。

 何年もバスに乗ったことのない私は、大法の資料を配るために、最寄りの駅から終点までバスに乗り、また終点から一駅一駅降りては大法資料を配りました。白い目で見られたり、叱られたり、軽蔑されたり、脅迫されたりといろいろありましたが、一方では、善意のある人や感謝の言葉をかけてくれる人も沢山いました。苦労と危険を伴いますが、すべてが人のためであり有意義であると思うと、内心では落ち着きと充実感がありました。私には求めるものは何もなく、同情や理解すら求めていません。ただ、大法の真相を通じて、人々の良心を目覚めさせて嘘から離れ、歴史の最後に未来があることを望んでいます。

 私が誰なのか、名刺は必要ない

 以前は、記者として名刺は欠かせませんでした。例えば、教育や農業、衛生部門など政府機関を訪れる時とか、人民大会など大型会議を報道する時とか、特集、ニュース速報、指定の原稿を制作する時には、必ず名刺を渡しました。

 しかし、今は必要ではなくなりました。法輪功は中国で20年以上も酷く迫害され、人々は脅かされています。ですから自己紹介が出来ず、ただ秘かに小冊子や光ディスクなどを住民のドアにかけて離れるとか、歩きながら通行人に手渡したりしています。

 私は武漢ウイルスが蔓延して最初に町が封鎖された頃、ある男性に1枚の光ディスクを渡して説明しようとすると、その人は私と目線を合わせて軽くうなずきながら受け取りました。私は何も言わずにすぐそこを離れました。

 ある日、ほとんど人気がない中で、バイクを修理している4人を見かけましたので、近づいて彼らにUSBメモリーを渡し、内容と使い方を教えました。その中の3人は、何度も「ありがとう」と言ったのに対して、1人だけが冷たい顔で「これは…」と、何かを言おうとしたとき、仲間に「言わなくていい。見てみればいいじゃないか?」と止められました。厳しい環境下でも善意を感じることが出来ました。

 ある時、私は出前を配達する若者達に、真相の光ディスクとUSBメモリーをあげて離れた後、後ろから「法輪功だ! 今は皆が人のポケットからお金を取ろうとしているのに、法輪功だけが人に無償であげている」と言う声が聞こえました。

 名刺がなくても、自己紹介をしなくても、人々は大法修煉者だと分かっています。

 もちろん、時には自己紹介も必要となります。先日、二つの通りを歩いても、誰にも会えませんでしたが、偶然にも歩道橋の向かい側の運動公園に、5、6人いるのが見えました。私はそこまで歩いて行くと、数人の年配者が運動していました。外出が禁じられている中で、これは珍しい光景でした。

 私は1人に近づいて「こんにちは、USBメモリーを差し上げます」と挨拶をしましたが、相手は首を横に振って何も言いませんでした。詐欺師が多いので、その人は警戒して「高そうに見えるけど、なぜ、タダでくれるのか? 信じられないね。いらない」と、きっぱりと拒みました。ちょうどその時、もう1人が突然「法輪功ですか?」と聞いたので「そうです」と答えると、相手は「あなたは『三退』をしましたか? 俺は共産党の党員だったけど、すでに脱退したよ!」と教えてくれました。

 雰囲気が一気に明るくなりました。その年配者は「ほら、法輪功は嘘を言わないし、人を害することなどしない。長年にわたって、皆が分かってきたから」と大声で言いました。それを聞いて、他の人も安心して受け取り、ある人は「他にもウオーキングをしている人が2人いるが、もう2個もらえませんか?」と求めました。別れる時、先の人は「また、いつか来ますか? 今度こそゆっくり話しましょう」と明るい声で言いました。

 ある日、封鎖された住宅街の隔離壁の外で、2人の若者が車から物を取り出していました。私は彼らにUSBメモリーを渡して、大きいプラグはテレビ、パソコン、車用のUSBの差し込みに適応し、小さい方はスマホに適応すると教えました。すると若者は「こんなにも進んでいるんだね!」と喜んで受け取りました。その後、もう1人が何かを思い出したかのように、突然「法輪大法は素晴らしい!」と叫んで、笑い出しました。私も笑って手を振りながら別れました。

 町が封鎖される少し前に、夫の大学時代の友人が出張でこの町を訪れ、帰りにわざわざ我が家に寄り、一緒に出張した上司と同僚3人も連れて来ました。卒業してから初めての再会なので、珍しい機会でした。招待する食卓で、私は皆さんに「人類にはこれから災難が現れるかもしれないので、本当の情報を把握しなければなりません。そのため、中共が発信した情報ではなく、ネット封鎖を乗り越えて、海外の本当のニュースを見る必要があります。また、中国は五千年の歴史があり、中国の知識人として、ある1冊の本を絶対に読むべきです。すでに最も多くの言語に翻訳されたその本は『轉法輪』です」と伝えました。

 私の話を聞いて、隣に座っていた女性は突然、思いついた様子で「あなたは私達に情報を伝える方ですね!」と言いました。

 ご存知のように、カササギは喜び事を伝えると言われていますが、私たち大法弟子とはいったい何者でしょうか? 常人社会で、私達はあなたの親友や同級生、隣人かもしれないし、あなたの同僚やオーナー、顧客、あるいはただのすれ違った赤の他人かもしれません。しかし、私達の本当の姿は神の使者で、末劫の最後の大淘汰が来る前に、災難から逃れられる秘訣を世の人々に伝え、最も大切なものを与える神の使者なのです。

 計り知れない価値があるからこそ、無償です

 町が封鎖されてからは食料品の物価が上がる一方で、ほうれん草が500gで12元(182円)まで値上がりしました。それでも品薄で、スーパーのオーナーが強硬に仕入したと言いました。そんな中で、私は大法の真相の内容が入ったUSBメモリーを人に配る時、いつも「いくらですか?」と聞かれました。私は「無償で差し上げます」と答えると、相手に「なぜ無料ですか?」と逆に聞かれました。そんな時、私はいつも微笑みながら「大地も私達を乗せてくれていますが、無償です。太陽も暖かく私達を照らしてくれていますが、これもまた無償です。本当に大切なものはみな無償です」と答えました。小さなお守りにせよ、1冊の小冊子にせよ、一つのUSBメモリーにせよ、すべてが神の慈悲が凝縮されています。これらは全て、危機に遭遇した際に一人一人の命、あるいは一つの家庭の運命に希望をもたらすことになります。大法の真相は、計り知れない価値のある宝物です。ですから、お金をもらったことは一度もありません。

 ある同級生は中共の虚偽の宣伝を信じて、大法の資料を配る人は全員が雇われ者だと言いました。私は彼女に「修煉をしてから、誰も私に一銭もくれませんでしたが、すべて心から自発的にやっています」と言いました。以前の私は、贅沢な生活をしていましたが、今は100元(約1500円)の服を着ても平気です。この前、数千元のパンツを300元にまで値下げしましたが、欲しくても我慢して買いませんでした。なぜなら、もっと多くの人々に大法の真相を伝えるために、私は万元単位の大金を出して大法の資料を作りましたが、躊躇したことはありません。

 以前、記者として中共メディアで嘘の宣伝ばかりをしていた私は、今、人々に大法の真相を伝えるほかに、大法の書籍『轉法輪』を学び、同時に坐禅や煉功をする修煉者になり、知らず知らずのうちに、「真・善・忍」で構成された真の自我が、徐々にではありますが成熟してきています。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/5/4/404741.html)
 
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