【明慧日本2020年6月26日】(米国=明慧記者)2020年6月10日午前、米国国務省は2019年版『国際宗教自由報告書』を公布した。ポンぺオ国務長官は記者会見で、中国共産党(以下、中共)は法輪功学習者、キリスト教徒、佛教徒などの信仰者らに対する弾圧をさらに強化している。中共は信仰に対する戦争(迫害)を数十年来続けており、今も行なわれている。米国は世界の信教の自由を守る決意を再確認し、トランプ大統領は先週、米国政府全体に指示し、信教の自由を優先的に考えるよう、大統領行政命令に署名した。
2019年版『国際宗教自由報告書』を発布するポンぺオ国務長官
ポンぺオ長官「中共は信仰者への弾圧を強化し 米国は宗教の自由を守る」
ポンぺオ長官は国務省の記者会見で次のように述べた。「私は今日すべての人に、この報告書を発布できることを嬉しく思う。この報告の存在は我々が人類の尊厳を守る決意を証明している」
「中国において、国家が発動したすべての宗教に対する弾圧は強化され、継続的に行なわれている。中共は宗教組織に中共の指導に服従を命令し、共産主義の教条を彼らの信仰教義と実践の中に注ぎ込もうとしている。新疆ウイグル人、チベット佛教徒、および法輪功とキリスト教徒に対しても、同じようなことが行なわれている」
長官は、中国と米国は異なる政府形態を持ち、対等ではないと言い、「我々には法治があるが中国にはない。我々には言論の自由があり、平和的な抗議を受け入れているが、彼らにはそうしたものはない。我々は宗教の自由を守っているが、先ほど私が指摘したように、中共は宗教に対する戦争(迫害)を数十年続けている」
「以上の比較でより明確なことは、最も良い状況下においても、中共は残酷無情に共産主義を実行していることだ。米国は最も極めて困難に直面し挑戦している時でも、我々は努力してすべての人々の自由を確保している」
「現政権が行なった良いことの一つは、世界中の信教の自由を守るために尽力していることである。先週、トランプ大統領は史上初の大統領行政命令に署名し、米国政府に対して宗教の自由を優先的に考えるよう指示した」と語り、米国は完璧な国ではないかもしれないが、改善する努力を行なっていると述べた。
『国際宗教自由報告書』は明慧ネットの情報を引用
『国際宗教自由報告書』は明慧ネットの情報を引用し、中共の法輪功への迫害に関心を示した。報告書には「(中共)政府は1999年に法輪功の取り締まり(迫害)を始めるまでは、7000万人の法輪功学習者がいたと推定していた。法輪功の情報筋によると、目下、依然として数千万人が非公開で修煉を続けている。『自由之家』の推定によると、700万人から2000万人が法輪功を修煉している」
「中共は、共産党に従い法律に束縛されない『国家安全保衛部門』を作り上げ、法輪功と(その他の組織)への消滅を行なっている」
「法輪功学習者を弁護した、高智晟弁護士は(中共に拘束された)2017年9月に行方不明になった。江天勇弁護士は2年の服役をしたのち、2019年2月に出所したが、以前として軟禁状態に置かれている」
「(中共)の警察当局はこの年(2019年)6000人以上の法輪功学習者を逮捕した」
「2019年、信仰の放棄を拒否した6109人の法輪功学習者は警察に(不当に)逮捕され、3582人の法輪功学習者は警察の嫌がらせを受けた。年末になっても3400人の法輪功学習者は依然として拘束されていた。逮捕は全国18の省におよび、100回以上不当な逮捕と嫌がらせが行なわれ、山東省、湖北省、四川省、吉林省と遼寧省が含まれている。学習者の中には教師、エンジニア、弁護士、記者とダンサーなどがいた」
「4月17日、安徽省豪州市は100人余りの警官を出動させ、王玉藍さん一家12人を逮捕した。王さんと5人の娘と婿3人、12歳の外孫が含まれる。(同年)12月5日、王さんの娘4人は不当に裁判にかけられ、判決の結果を待っている」
「3月7日、湖北省の王紹清さんは公園で他人に法輪功を説明していたとき逮捕され、他12人の学習者も同時に逮捕された。その中に79歳の年配者・周秀武さんが含まれていた。王さんの娘の話によると、昨年(2019)11月まで王さんは依然として武漢第一留置所に拘束され、弁護士の面会も禁止されている」
「昨年96人の法輪功学習者は信仰を堅持したために、中共当局に殺害され、19人は刑務所に拘禁されている期間中に死亡した」
「1月11日の早朝、山東省招遠市の郭振香さん(82)は、バスセンターでチラシを配布していたときに逮捕され、(同日)午前10時ごろ、郭さんの家族は郭さんが死亡したとの通知を警察から受けた。警察当局は、郭さんは派出所で発病し、病院に移送されたが死亡したと話した」
「8月2日、黒龍江省チャムス市の楊勝軍さんは逮捕され、8月11日に死亡した。警察当局が家族に伝えた話として、当日(11日)早朝から彼は留置所で大量吐血をして、チャムスセンター病院で救急治療を受けさせたという。警察は楊さん家族に医療費として3万元(45万3417円)を支払わせた」
「12月7日、警察は強制的に黒龍江省の学習者・李艶傑さん宅のドアをこじ開けた。李さんは(迫害から逃れるため)マンションの6階から逃げ出す際、転落して死亡した」
「4月、38人の学習者は6カ月から10年の刑期を宣告され、内16人は罰金を科せられ、総額24.5万元(370万2903円)支払わされたという。元寧夏回族自治区労働人事局教育センターの副主任・栾凝さんは、法輪功の内容が書かれている郵便物を郵送し、『国家権力転覆扇動罪』で懲役10年の実刑判決を受け、罰金10万元(151万1389円)を科せられた。栾さんは2017年8月に逮捕されるまで、警察当局に数カ月間監視された」
「四川省龍泉洛円带鎮の学習者・袁学芬さん、文举平さんは法輪功を誹謗中傷するポスターを剥がした理由で逮捕され、それぞれ2年と8年の実刑を言い渡された」
「山東省済南市の76歳の学習者・劉嗣堂さん、法輪功への信仰放棄を拒否したため、懲役3年の実刑を言い渡され、罰金5000元(7万5569円)を科せられた」
「5月12日、広東省珠海市の警察は、法輪功の著作を一緒に学習していた8人の学習者(年配者)を逮捕した。彼らの個人情報の詳細、子どもの仕事先の電話番号を記録し、そして家宅捜査を行なった」
「山東省青島市の学習者・何立芳さんは5月に逮捕され、拘禁されている期間に死亡した。彼女の家族は遺体の胸部に縫い合わせた痕跡があり、背中は穴を開けられた跡があった。警察は司法解剖のためと説明しているが、彼女の家族は生前か死亡直後に臓器を摘出された可能性がある、と疑っている」
「黒龍江省ハルビン市の学習者・王德臣さんは、2016年懲役10年の実刑判決を受け、服役中の2019年11月に死亡したという。彼の家族の話では、刑務所は遺体に近づくことを許さず、2日以内に火葬することを強要された。王さんの家族は、王さんの臓器が摘出されたと疑っている」などの迫害の事実が報告書に記述された。
中共は強制臓器摘出を長年継続、データーを改ざん
報告書によると、「6月、国際非政府組織『臓器移植濫用停止国際ネットワーク』が設立した独立法廷の最終判定では、強制臓器移植の行為は中国ですでに長年継続され、学習者は臓器摘出の源の一つとされ、主要な源の可能性があるという。9月この調査結果を国連に報告した」
報告書の指摘によると、世界に中国の臓器移植システムを研究する二つ機関は、(中共)政府は囚人(宗教の信者を含む)から強制的に臓器を摘出している新たな情報が報告されている。二つの機関は(中共)政府と臓器移植システムの科学論文には倫理的に不適切な問題が存在し、自らの臓器の提供には疑問視しているという。
『英国医事ジャーナル』は2月6日、オーストラリアの研究者ウェンディ・ロジャース教授が中心となり、中国の臓器移植データを用いて445件の英文論文を調査した研究を発表した。その内440の論文は死刑囚の臓器使用に触れず、19編が死刑囚の臓器使用をしていないという。しかし、この研究は2010年以前に行われたもので、当時の中国には臓器を寄付するシステムがなかったため、中共政府が病院を操ってデータを改ざんした可能性があることを示した。その当時、臓器の出所は死刑囚を含む良心の囚人のみだったという。
11月、『BMC医療倫理』(BMC Medical Ethics)誌は、オーストラリアの別の学術論文を発表した。 中共政府と医療機関が、単純な数学関数に従った臓器移植に関するデータを改ざんしていることを発見した研究を発表した。そのデータは他の50カ国のデータと矛盾している。この研究では、公的に推進されていた臓器寄付のシステムが出来上がってから、非自発的な臓器提供者(大部分は死刑囚の臓器)が、自ら臓器を寄付した数字に入れられた可能性があると指摘した。中共のデータの改善目的は、中国の自主的な臓器提供改革が成功したと国際移植界に誤解を与え、中共の臓器移植の過程で犯した人道に反する犯罪を、人権擁護者の目からそらすことである。研究チームは、2006年、証人からの証言によると、臓器の出どころは法輪功学習者から(強奪)しているという。この直後、中共は臓器移植関連法を公表した。
米国政界要人 公に宗教の自由を支持表明
報告書は、米国政界は公に(中共)の宗教の自由への侵害を憂慮していると表明した。7月16日、第二回宗教自由を推進する大臣級会議はワシントンDCで開催した時、トランプ大統領、ペンス副大統領、ポンぺオ国務長官と宗教自由担当大使ブラウンバック氏は、宗教迫害の生存者と迫害を受けている人の家族と面会した。宗教迫害被害者にはウイグル、イスラム教徒、チベット仏教徒、カトリック教徒と法輪功学習者が含まれていた。彼らは大臣級会議で証言し、一部の人はホワイトハウスでトランプ大統領と面会した。
世界各国の政府官員は、第二回宗教自由を推進する大臣級会議で「中国信仰自由の16日の挑戦」とするテーマの会議に参加した。
7月18日、ペンス副大統領は会議上で、「米国民は揺るぎなく永遠に信仰のある中国人の味方だ」と語った。
2019年版『国際宗教自由報告書』は、2019年1月1日から12月31日までの国際宗教自由情況を記録したもので、法輪功など信仰団体が受けた中共の迫害情況が報告されている。この報告書は米国議会に提出される。