劉銀鳳さんが再審され、弁護士が訴訟の撤回を求める
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 【明慧日本2020年9月6日】遼寧省鳳城市裁判所は2020年8月13日、法輪功学習者・劉銀鳳さん(68歳)に対して再審を行った。法廷で北京の董弁護士と李弁護士は、劉さんの無罪を主張した。弁護士らは「法輪功学習者(以下、学習者)に対する訴えは、法律に対する誤解と誤用によるものです。現在、全国各地ですでに学習者の案件を撤回する動きが多く現れています。ですから、今回の裁判で裁判所の正しい選択を願っています。これ以上、信仰のある学習者に判決を下したり、また学習者の生命を失うなどの犠牲が出ないようにしてください」と述べた。

 遼寧省鳳城市紅旗鎮に在住の劉さんは2018年5月30日、黄旗市場に出かけて卵を買って帰る途中、紅旗派出所の警官ら5~6人によって連行された。その後、警官らは劉さん不在の家へ行き、窓から侵入し、鍵を見つけてからドアを開けて家宅捜索を行った。そこでパソコン、プリンター、法輪功書籍、法輪功創始者の写真、法輪功の紹介資料、法輪功迫害の実態が書かれた紙幣など、多くの私財を押収した。

 2019年1月9日、鳳城市裁判所は劉さんに対して、1回目の不当な裁判を開いた。董弁護士と李弁護士の2人は劉さんは無罪であると弁護をし、法律に基づいて劉さんの釈放を要求した。その後、裁判所は「証拠不十分」として、劉さんの案件を検察庁に差し戻したが、検察官の唐金鳳は「証拠を補足する」と言って、今まで延期していた。

 2020年8月13日、鳳城裁判所は劉さんに対して、2回目の裁判を午前10時に開始した。劉さんは数人の警官らに支えられて法廷に入った。劉さんは、頭が上げられないほど痩せ細っていたため、留置場から裁判所まで担架で運ばれてきたのだった。

 法廷で検察官の唐は、劉さんに対する起訴状を読み上げた。これに対して、劉さんは「起訴状に書かれた内容のすべてを、私は認めません。検察官に『ある宗教の組織を利用して、法律の実施を破壊した』と起訴されましたが、どんな組織を利用して、どの法律の実施を破壊したのか、はっきりと述べてください。法輪功は組織がなく、名簿もないのです。法輪功は『真・善・忍』を教え、良い人になることを教えています。私は法輪功を学んで健康になり、心も浄化され、誰にも害を与えたことはなく、良いことをしていますが、悪い事をしたことはありません」と言った。

 弁護士は「どのような政府であっても正教であるとか、邪教であるとかを認定したり、規定したりする権利はありません。法律もそれを特定する権利はありません。法律は、人に対する行為を規範するもので、信仰に対して規範するものではないのです」と述べた。

 検察官の唐は、警官が劉さんの家から押収した法輪功への迫害資料等を「証拠」として提出した。これに対して弁護士は「憲法の第35条、第36条には公民の信仰、言論、出版などの自由が定められています。ですから、当事者は法輪功書籍などを所有することは合法です」と話した。弁護士はさらに、「新聞出版総局が『第五回規範性通達を廃止する決定書』を持ち出し、第99条と第100条『法輪功出版物の取り扱いに関する意見の通知』と、『法輪功に関係する書類の違法出版物の印刷の取り締まりに関して、その出版物の管理を厳格化する通知』」を読み上げた。

 そこで弁護士は、警官の捜査手順の違法性、拘束手順の違法性、押収手順の違法性などを指摘した。「例えば、拘束と捜索のときに身分証明証、捜索令状、召喚状などが提示されていないこと、当事者とその家族にその現場で署名をもらわないこと、証人の証言では、証人・石という人のサインが本人ではなく、息子が代理に署名したこと、別な証人は、当事者から法輪功の紹介資料をもらったと言いながら、その資料を燃やしたと言ったことなど、このような裏付けのない証言は証拠にはならないのです。これらのことはみな違法行為です」と主張した。

 法廷で検察官の唐は、数回も弁護士の話を妨害した。しかし、弁護士らは『憲法』、『刑法』、『刑事訴訟法』に基づき、唐の劉さんに対する不当な告発に一つ一つ反論した。これに対して唐は反撃する言葉を無くしたが、裁判長に「被告に懲役7年の判決と財産の押収、または罰金を望みます」と、判決意見を申し立てた。

 しかし、弁護士は「検察官の判決意見の根拠は、2017年に最高裁判所と最高検察庁(以下、両高)の司法解釈による判決基準に基づいたものです。実際、両高には、立法権や立法を解釈する権力など持っていないのです。その権力は、全国人民代表大会常務委員会にあります。刑法第300条は、法律の実施を破壊されないように維持するという本来の意味がありますが、両高の司法解釈は刑法の第300条で本来の意義と宗旨をねじ曲げてしまいました。ですから、その司法解釈は違法かつ無効であり、法的拘束力は何もありません。別な角度から見れば、もし、両高の司法解釈が判決基準だとすると、検察官の司法解釈の認識が誤っています。司法解釈の判決基準は、宣伝品を配る人に対して課しているのですが、宣伝品を持つ人はこの対象ではありません」と述べた。

 最後に弁護士は、劉さんの知り合いの学習者・冷冬梅さんのことを話した。「冷さんは、同じ町の婦人連合会の元会長で、優秀な国家公務員でしたが、法輪功を学んでいるという理由で実刑判決を受け、49歳の若さで亡くなられました。今回、鳳城市裁判所が正しい判決を下すことで、善良な人が冤罪になることがないように望みます」と述べた。

 そして、劉さんは「私は紅旗土門ダム幼稚園の元教師です。法輪功を学ぶ前は長年の間病気を患い、短気な性格でした。法輪功を学んで、『真・善・忍』に従って良い人になるように努力して、性格も明るくなり、薬も飲まずに元気になりました。私は何も悪い事をしていません。法律の実施を何も破壊していませんし、何の法律も犯していません。江沢民が独断専行して、法輪功迫害を引き起こしました。この迫害に参与している人達はみな被害者です。江沢民に付き従い、悪い事をしないでください」と涙ながらに訴えた。

 弁護士は法律関係公文書、答弁書および全国各地の検察庁の学習者に対する訴訟撤回の案件など、すべての陳述書を裁判長に手渡し、「法律をあなた方は作ってはいませんが、あなた方は法の執行者であり、罪の重要性は選択すべき余地があります」と話した。裁判長は「私は法律を執行するだけではなく、法律の研究もしている」と言った。

 不当な裁判は、午前10から午後1時まで行われたが、裁判長は休廷とだけ宣言して、判決結果は後日に延期した。

(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/8/19/410675.html)
 
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