【明慧日本2013年5月6日】（明慧記者・荷雨による報道）1999年4月25日は、多くの人の人生を変えた日である。中国大陸では、1万名近い法輪功修煉者が信仰の権利を得る為に一斉に北京の国務省信訪弁公室に向かい、海外の法輪功修煉者は国内の修煉者を声援し、各地の中国駐外使領事館に出向き、真相を伝えた。14年後、今まで歩んできた道を振り返り、カナダ・オタワ市に在住の露西さんはその間に経験した人生の転換や生命の昇華について感想を述べた。
「四・二五」の海外での陳情
露西さんがカナダ国会での記者会見で発言する様子
「四・二五」が起きた時、露西さんはカナダの首都・オタワにいた。彼女は主人と一緒に清華大学を卒業後、海外に留学し、その後著名なハイテク会社に勤めるようになった。「国内で、天津で不当連行された同修の為に、多くの修煉者が北京へ陳情に行ったと聞き、私達オタワの修煉者もすぐ請願書を書き、4月25日に中国駐カナダ大使館に手渡し、私達の心の声を伝えました。その日は確か週末で、ある参事官が出てきて私達の請願書を受け取りました。」
露西さんはご主人と海外に出て以来、ずっと学業や仕事に忙しく、唯一帰国したのは1998年だった。「当時、国内のどこでも法輪大法の本を手に入れることができず、私達はやっと天津の煉功点で本を得て、その日の朝の煉功に参加し、功友たちと交流し、その穏やかな雰囲気は未だに記憶に鮮明に残っています。当時、多くの他の功法を習っている人も大法を修煉し始めました。法輪大法は個人、家庭そして社会に百利があって一害なしです。国内の同修たちは『四・二五』の陳情の際、三つの訴求を提起し（天津で不当連行された法輪功修煉者の釈放、法輪功を修煉する緩やかな環境、法輪功書籍の出版の許可）、私たちはそれに共鳴しました」
「四・二五」以後、露西さん一家の安定した個人修煉の環境は変化した。中共による「七・二〇」迫害の前から、彼らは多くのことを経験し、仕事の忙しさに加え、国内で発生した一切のことを気にし、絶えず中国大使館に請願書を送った。国内の法輪功修煉者達もずっと中共上層部に無数の手紙を送り、当局に大法の素晴らしさを理解してもらい、修煉者を迫害しないよう願ってきた。当時、海外メディアは法輪功について何一つ知らなかったため、すべての報道において中国国内のもの（中共の発表）を転載するしかなく、露西さん一家は各新聞社を訪ね、真相を明らかにし、自分達が大法修煉により受益したことを伝えた。
選択
1999年7月20日、迫害が始まった。天を覆すような嘘や誹謗中傷が中国大陸から海外に流された。「私達は今まで順調に生活してきて、政府をずっと信頼してきましたが、それらの悪辣な誹謗中傷に驚かされ、これほどまでに是非を転倒し、デマを飛ばして誹謗中傷をさせていけないと思い、私達は世の人々に真相を伝えなければならない責任を感じました」
「1992年、順風満帆だった私は交通事故によって健康を害し、ひどい後遺症で立つことも、座ることもできなくなり、非常に苦しかったです。１９９６年、私は幸いに大法に出会い、新たな人生を得て、大法から無償で多くを与えられました。人生に関するすべての疑問が解け、大法に対して恩を感じると同時に、他の人とも大法の素晴らしさ、そして解脱への道を分かち合いたいと思いました」
彼女の考えでは、中共による法輪功迫害の前、中国では億人単位の修煉者がいて、13人に一人が真、善、忍に沿って良い人になろうと修煉しており、社会に道徳の回復やプラスの変化が確実にもたらされていた。しかし、この迫害は良い人になろうとする人々の権利を奪うと同時に、社会を「真、善、忍」の反対側に押し出し、社会の存続に欠かせない基礎を粉砕しているという。今になって、人々は益々この１４年間の迫害が道徳理念の全面的な喪失、物欲の横行、生態環境の崩壊をもたらし、中国に壊滅的な災難をもたらしたと意識するようになった。
最初の頃、「良き」友人は露西さんに「石にぶつかる卵にならないよう、自分が反華勢力だと思われないように」と助言してくれた。このことについて、露西さんは以下のように語った。「それを聞いて本当に何とも言えない気持ちでした。今まで自分はずっとエリートの一員で、中共によって政府の対立側に立たされるとは思いもよりませんでした。しかし、人間が生きていくには原則が必要で、社会にも正義が必要です。もし誰もが私利の為に死を恐れ、原則を放棄すれば社会は恐ろしくなるのではないでしょうか？」
迫害が始まった年の10月、露西さんと二人の修煉者は再び中国大使館を訪ね、これ以上請願書を受け取ろうとしない大使館の前で、声明を読み上げた。「はっきり覚えているのは、当時、空気の中に、重く無形な圧力が充満し、一瞬、膨大な国家暴力機関を相手にすることに対する一種の恐怖が私を襲いました。しかしすぐに堂々とした正念に排除されました。――私達は正義を堅持し、嘘偽りを暴いていると思うと、すぐに心が堅く、平然となりました」身を切るような寒い風を受け、彼らは中国大使館に向かって横断幕を張った。「世界には真善忍が必要で、法輪功への迫害を停止せよ」
ある人は、陳情した法輪功修煉者が1万人を超え、この多すぎる人数によって中共は迫害をせざるを得なかったと言う。露西さんは以下のように考えている。億単位にのぼる修煉者が皆、大法から受益したのであり、当時様々な原因でその内の1万人しか行ってないのに、どうして多いと言えるだろうか、修煉は個人的な行為であって、民衆活動ではなく、政治活動でもない。14年間の修煉を経て、理性的に考えると、今、もしもう一度皆に陳情に行くかを選択させるならば、恐らく真の修煉者は全員が行くことを選ぶだろう。
生命の次元の昇華
「四・二五」の陳情について、露西さんが最も感動を受けたのは、「六・四」学生運動（天安門事件）以来、これらの社会の各階層から来た修煉者達が、自分をかえりみず、完全なる善を持って不公平に立ち向かい、善の心を持って完全に他人の為に、社会の為に出てきて、皆と大法の素晴らしさを分かち合おうとしたことだという。
誰にも生命の局限、私（し）の要素による次元の局限があると露西さんは言う。「『四・二五』という人生の選択肢を前に、私達は一つの生命の次元の昇華を経験しました。以前の利己的で、利の為に害を避ける行動行為に従ってきた生命から、他人の為に自我の損得をかえりみない無私な生命に生まれ変わりました。これは偉大な昇華です。法輪大法は私達を生命のあるべき姿へと導き、世界に浄土をもたらしました」
「ここ数年、私達はずっと邪悪との戦いで最前線にいました。しかし『四・二五』の時の修煉者の慈悲や穏やかさは私達の常態となり、大法の素晴らしさを表し、邪悪な環境の中で邪悪を窒息させる力にもなっています」
「『四・二五』は一つの始まりに過ぎず、その後の14年間、国会で法輪功の真相記者会見を行った時、中共の首魁や海外でデマを飛ばす中共の代弁者のメディアを起訴した時、厳冬や酷暑の中、中国大使館の前で平和的な抗議を行った時、『九評共産党』を配布して中国国民に三退を薦めた時、自由な真相を伝えるメディアを立ち上げた時、そして中国の神伝文化を復興する為の神韻公演を行った時、いつにおいても、私達が行なってきたのは真相を伝えることであり、良知を呼び起し、世間の真善忍への回帰を願っていました」
歩んできた道を振り返り、露西さんは自分の生命が法輪大法の修煉によって非凡なものになったことに感慨し、このように語った。「私達の生命が意義あるものになった理由は、嘘偽りに騙されている人々が真相を知るように、そして彼らが良い未来を選択できるよう手助けし、同時に、私たち自身もこの修煉の過程で生命の昇華を得られたためです」
