労働教養は廃止しても 犯罪行為を見逃してはならない
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 【明慧日本2014年4月20日】半世紀以上続いた中共(中国共産党)の労働教養制度は悪名高く、国際世論に非難されている。昨年11月15 日、中共(中国共産党)は全体会議で「労働教養制度の廃止」を可決した。しかし、これには、国際世界からの労働教養制度に対する強烈な批判をかわし、人権が改善したように見せかけるという、中共の企みが潜んでいる。

 実は、中共は労働教養制度を廃止すると宣言したが、労動教養所での人権侵害、残虐な拷問の濫用などの問題には言及していない。さらに、労働教養所がどのように人権を蹂躙し、法輪功修煉者への残虐な拷問や虐殺に関係した責任者を調査して処罰することにも言及していない。中共司法部によると、2012年末までに中国各地には351カ所の労動教養所があったという。2008年に米国政府が発表した「宗教の自由に関する報告」では、中国の労動教養所で収容されているうちの半数以上が法輪功修煉者だと言及している。

 フランス国際放送局は11月17日、「国内と海外の世論による圧力のもと、廃止が決定された労働教養制度は、政法委員会における最も中核的な存在で、政府が法輪功修煉者に迫害を加える際に用いた『制度』の一つでもあった」と報道した。数多くの法輪功修煉者を拘禁するため、中共当局は国内各地で刑務所と、司法手続きを経ずに市民を拘禁する労働教養所の増設に力を注いだ。例えば1999年7.20、中共が全面的に法輪功修煉者への迫害を開始し、広西省で拘禁していた全ての法輪功修煉者を「広西省第一労働教養所」に移送した。また、女性の修煉者専用の「広西省女子労働教養所」を建設した。その後、「広西省女子労働教養所」は「広西省女子強制労働教養管理学校」に改名され、新たな場所で、法輪功修煉者に対する迫害の残虐性と隠蔽性をエスカレートさせていった。

 明慧ネットの調査レポートの統計によると、中共の迫害によって3653人の法輪功修煉者が拷問され死に至った。そのうち714人は労働教養所で拘禁・迫害され、546人は労働教養所で拷問されて死に至った。全127カ所の労動教養所が関与しているという。吉林省長春市の朝陽溝労働教養所は上記の迫害案件が最も多く、遼寧省瀋陽市の馬三家教養院、黒竜江省ハルビン市の長林子労働教養所と続く。しかし、これらの統計は氷山の一角に過ぎない。

 2004年5月、瀋陽市の法輪功修煉者・高蓉蓉さん(37歳女性)は市内の龍山教養院において繰り返し電気ショックを加えられ、顔面が酷く損傷して危篤に陥り、中国医科大学第一付属病院に送られた。後に、高さんは現地の法輪功修煉者の助けによって逃れることができ、電気ショックで傷つけられた顔写真および受けた迫害の一部始終を明慧ネットに公開した。この事件で、国際社会は中共に強く抗議した。2005年3月、高さんは再び馬三家労働教養所(以下、馬三家)に拘禁され、その年の6月16日に迫害により死亡した。

 2013年4月、中国メディアの記者は、自ら遼寧省の馬三家に監禁されていた人々を取材し関連の証拠を集めてから、「走出『馬三家』(馬三家からの脱出)」との長編報道を発表した。報道は、馬三家で女性に加えた各種の残酷な拷問を詳細に暴露し、馬三家は再び国内外の注目の的となった。

 アムネスティ・インターナショナルはこのほど、中国労働教養の廃止は見せかけか等、関連のニュースを報道しており、 労働教養施設の廃止は、正しい方向への大きな一歩ではある。しかし現実は、当局が脅威だとする人びとを罰する新たな方法を考えているということにすぎない。陳情者、人権活動家、法輪功学習者などを罰するという方針を根本的に変えるのでなければ、当局は単に制度の一部を廃止して別の方法を用いるだけ、ということになりかねないと指摘している。

 「人権侵害の象徴」と言われる労働教養所を廃止することは、人権改善への重要な一歩である。だが、労働教養所で行われた迫害及び法輪功修煉者を拷問で虐殺した罪の数々は、決して労働教養所を廃止したことで無くなることを意味しない。罪を犯した者は必ず法の下で裁かれるべきであり、犯した罪は必ず償わなければならないのだ。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2013/12/22/284325.html)
 
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