最も有効な営業テクニック
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2014年5月28日】職場で輸出部門への異動辞令を受けた時、とても意外でした。私は大学を卒業していますが、専門は貿易ではなく、また私は内向的な性格で、人の顔色や心を探ることはできないし、会話を弾ませるテクニックも持っていないし、貿易のような社交的な性格を必要とする仕事には向いていないと思いました。貿易の仕事をする従業員はみな会社の「特殊部隊」で、酒豪であったり、社交的で人脈を作る天才だったりします。私は法輪大法を修煉して以降、酒を一滴も口にしなくなったので、貿易の仕事に適任ではないと思いました。上司は、輸出の仕事は従業員の素質を高く求めており、得意先は会社にとって何より重要な宝物だが、最近、得意先が横取りされることが跡を絶たず、会社は防ぎきれなくて途方に暮れている、法輪功を修煉しているあなたは信頼できる人だと知って、上に推薦した。あなたならきっと良い仕事ができると説明してくれました。「それなら、大法を実証するためにも、私は輸出部門に行ってしっかり働こう」と私はひそかに決心しました。

 しかし現実は想像ほど甘くありません。異動した当初、多くの困難にぶつかりました。当時、迫害に遭った私の修煉状態はとても悪く、元気がなくだらけており、学法煉功は少なかったのです。修煉を止めてはいませんでしたが、ますます常人のほうに偏って、どのように新しい仕事を展開すればよいかについて茫然としていました。大学での専門は外国語でもないし国際貿易でもないため、一生懸命に外国語と国際貿易の知識を補習しました。毎日早く出勤して遅く帰り、謙虚に同僚に教えてもらいました。国際市場開発の策略とテクニックは、特に私の教わりたいところです。マーケティングの達人にはそれぞれ市場開拓、得意先獲得のずば抜けた技巧があるため、私は普段からその「技巧」に注意して、実戦の中で運用しています。例えば、見た目が美しくて内容もしっかりしたビジネスレターを作成すること、祝祭日に得意先に慇懃に挨拶すること、得意先からのメールや電話に素早く返答すること、インターネットや友人の紹介、展示会など各種のルートを通じて得意先を探すなどです。

 しかし、いくら努力してもあまり効果がありませんでした。毎日ロボットのようにぐるぐる回りましたが、業績は一向に上がりません。献身的に無数の問合せ電話に対応して、無数のメールに返事もしましたが、業績はまだまだ少ないのです。とうとう心身ともに疲れて、ついにある日大いに爆発して、以前から恨みを抱えていたある上司と大ゲンカしました。私の友人でさえ「あなたは大法弟子らしくなくなっている」と注意してくれました。一体、どこに問題があるのでしょうか? 勤勉、テクニック、能力を私は全部備えているのに、どうして業績が伸びないのかと私は考え始めました。このままでは、大法を実証するどころか、自分が大法弟子だとも言えなくなりそうでした。

 だんだんと私は修煉状態を調整して、精進し始めました。突然、仕事に対して私は新しい認識をしました。どこにいても良い人になって、仕事をよくやるようにと師父は私たちに教えられています。しかし師父はまた『轉法輪法解』「延吉での講法 質疑応答」で「しっかり勉強しなければ、大学へ上がることができるのですか? しっかり勉強すれば、得るべきものが得られるのではありませんか? 自然に勉強すればよく、きっと大学へ上がることができます。いつも思って、追求しているなら、それこそ執着です」とおっしゃいました。

 一方、私はずっと自分の能力を周囲に見せたいと思っていました。誰よりも良い仕事をしたいという心の中に、どれほど強い名利心が含まれていたでしょう! 上司との関係が良くないのも、自分をよく見せたい、自分を実証したい心が上司のところで挫かれたからです。そして、私は市場開拓のテクニックを重視しましたが、大法の原則――真・善・忍に従って内心から得意先のために考えたり、相手の立場から問題を考えたりしたでしょうか? したことがありません。私の慇懃さと親切の裏には功利の目的があって、つまり彼らが私から商品を買うことを望んでいました。もし取引が成立しないと、私はとても失望して、すぐ彼らに興味を失いました。それは求める心ではありませんか? もし私が本当に大法を実証したいならば、真心、善良、寛容をみんなにもたらすべきです。もし私が本当に衆生のために考えるならば、大法の真相をみんなに伝えるべきです。

 それから、私は能力を見せつけ販売実績に執着することをやめました。「善」には奥深い内包がありますが、「最も良いものを無条件に相手にあげる」ことはその内包の中の一つではありませんか。「求める心がなく、真心をこめて他人のために」というのが「真」の最も基本的な内包ではないかと私は悟りました。私と取引先の付き合いは自社商品を販売することですが、相手にとって何より大切なのは法輪大法の真相を知ることではありませんか。だから、たとえ商売が成立しなくても、取引先に真・善・忍の特性を感じさせるのは私の責任だと分かりました。

 私心がなくなり、案外頭がすっきりして、以前聞いても分からなかった英語が突然分かるようになり、長期にわたり解決しなかったトラブルも豁然と解決の糸口が見つかりました。上司とも対立しなくなり、知らず知らず得意先も多くなって、業務も大いに増えました。

 ある日、A社から電話がかかってきました。当社商品の価格を尋ねて、2000トンを仕入れる予定だといいました。こんなに大きい注文量ですから、A社は当然、複数の会社に価格を尋ねて比較します。わが社の製品の価格はとても高く、ほとんど取引が成立する可能性がないので、以前なら、私はA社にせいぜい価格を教えて簡単な返事をしたでしょう。しかし、今の私は心を入れ替えたので、出会ったすべての会社をただの商売のパートナーでなく、自分と縁がある衆生だと思うので、私は親切にわが社の製品と価格を報告しました。最後に、競争している他社の弱点を少し巧妙に手紙に書こうかと思ったのですが、しかし自社の優位性をA社に教えるだけで良いので、どのように選択するかはA社に任せよう、本当に善良な人なら、無意識でも他社の悪口を言わないと考え直しました。しかし結果は予想外で、A社は私に注文書を送ってくれました。彼が言うには、「理由は分からないが、あなたの紹介を聞いたら信頼感が生じました。これほど大きな注文量なので、品質も信用も良い会社でないといけない。他社の価格が安くても、御社に決めたいです」

 Bさんはわが社とまだ商売をしたことがなく、当然、私と一度も会っていないのですが、なぜかよく私に仕事を頼んできます。「現地で物流会社を探してくれないか」とか、「現地の落花生はとても有名だそうで、供給源を探してくれないか」などです。私も毎回誠意をこめて情報を探し、彼に提供しています。だんだんと、彼は私の誠実さを評価してくれ、わが社の得意先になりました。彼は中国の南方の人で、普通、南方の商売人は格別に頭が良くて、根気良く値段の交渉をしますが、彼は私に一度も値段を下げるように要求したことがありません。彼はいつも優しく「あなたを困らせたくない。あなたが駄目だと言ったら、きっと本当に相談の余地がないと私は分かっています。あなたを信じているからだ」と言ってくれます。ある日、電話の中で彼は「あなたにまだ会っていないが、声だけ聞いても、なぜかいつも春風を浴びる感じがする」と言ってくれます。私は「多分、私には信仰があるからだ。私は真・善・忍を信仰しています」と答えました。彼は驚喜した声で、「私は知っています。知っています。私の祖母も修煉しています。祖母は本当に福徳のよい人です」と言いました。旧正月に、彼は遠くから「遠く離れて会えないが、あなたの日々のご協力に感謝」というショートメッセージを送ってくれます。また、私に安全に注意するようにと言い、「今は風が強い、気をつけてください」とメールを送ってきます。私が再度迫害に遭った後、彼は私の行方をあちこち尋ねて、「心に正念さえ保てれば、世の中は至る所春だ」と励ましのメールを送ってくれました。

 利益を求める心と強い「自我」を放下した私は、ますます穏やかで、心が清らかになっています。商売になるかどうかに関わらず、私はすべての得意先を平等に扱って、善意を持って相手を助け、誠実にみんなと接しています。知らずしらずのうちに相手の心を勝ち取って、マーケットをも勝ち取りました。心性が高まったため、師父は私に知恵を開かせてくださり、私に得意先を開拓するコツを教えてくださいました。それは経験豊かな古い営業マンでさえ解決できない課題です。

 仕事の中で、私は接触した人にできるだけ法輪功の真相を伝えて、他人を助けるためにも多くの時間をかけています。しかし仕事の能率はとても高く、上司と同僚はみな私の能力を認めています。私には並みを超えたマーケティングの「テクニック」は特に持っていませんが、内心は大法の中で昇華したため、心から生じた友好、誠実と寛容さは自然に表に出て、私の最も有力な「テクニック」となりました。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/7/30/260934.html)
(English: http://en.minghui.org/html/articles/2012/8/6/134814.html)
 
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