善行は徳を積み、忍耐は災いを解消する
■ 印刷版
 

文/出凡

 【明慧日本2014年5月30日】清朝時代の解鑒が書いた『益智録』にこのような物語があります。

 清の時代、山東省鄒平県に蘇成という男性がいました。彼は人を助けることが好きで、多くの良い事をしました。彼が住んでいる村から5キロ離れた大きな道に巨大な柳の木があり、通行人はよく木の下で休憩を取っていました。

 ある年の夏は非常に暑く、外出した蘇成が帰宅途中に柳の木の下で休憩していると、東の方向から両目ともに失明した老人が来ました。老人の歩くスピードはとても速く、目が見える人よりも速いほどでした。老人は木の下に来て、独り言のように「この大きい木の運命を占ってみよう」と話しました。しばらくして老人は驚いた表情で「本当にがっかりだ。この木は間もなく死ぬのだ」と言いました。そして、ため息をつきながら立ち去りました。

 最初、蘇成は老人の言葉をあまり気にかけていませんでしたが、しばらくして数人の男性が来て、手に斧や鋸などの伐採用の道具を持っていました。蘇成に「木の所有者の命令を受けて、私たちはこの木を伐採する」と告げました。蘇成は驚いて「この木が伐採されたら、夏場に通行人が暑さを避けるところも無くなるのだ。あなたたちが出した値段に更に数千銭を加えて、この木を買わせてくれ」と男性らに頼みました。男性たちは喜んで承諾して、蘇成は翌日に木を買う金を受け渡す約束をしました。

 蘇成は先ほどの老人が木が間もなく伐採される運命を知っていたことから、まさか彼は仙人なのか? と思いました。しかし仙人ならば、誰かが木を買うことをどうして予知できなかったのかと考え、急いで老人が去って行った方向を追いかけました。老人に追いつくと、蘇成は「先生、先ほどあなたの占いは外れました」と言いました。老人は「あなたの言ったことは間違いない。誰かがきっとこの木を買うことを私は予知したのだが、世の中にそのような良い人は少なすぎるため、私は断言しなかったのだ」と答えました。

 蘇成が「この木を買ったのは私です」と言うと、老人は「あなたは他人に便宜を図らせるような良い事したので、きっと諸事に吉祥が現れて、災いを転じて福と成すことができるのだ」と言いました。蘇成が自分の未来を老人に聞くと、老人は「他の事はまずおいて、あなたは今日、思いがけない災難に遭うのだ。しかし木を買った善行で徳を積んだため、災難が解消される可能性もまだある。災難から逃れたいなら、天下のすべての人が忍耐できないことをあなたは忍耐しなければならない。そうしてはじめて、今日の災いから逃れられるのだ」と言いました。

 自分の身に思いがけない災難が起きると聞いて、蘇成は急いで家に帰りました。しかし家に着くと、蘇成は真っ昼間に妻が若い男子と抱き合って眠る光景を目撃しました。激怒した蘇成は刃物を抜いて、2人を切り殺そうと思いました。しかしその瞬間、老人の言葉を思い出し、怒りがだんだん収まりました。妻を起こして、「真っ昼間に一緒に寝ているのは誰だ」と聞きました

 妻は目覚めて、「どうして怒るのですか。この人が誰なのか、私も知らない。このベッドに誰が入れるかを考えてみてください」と答えました。蘇成は「このベッドに入れるのは、貴方と私を除いて、我々の娘しかいないのよ」と言って、妻は「そうなのよ、だからどうしてまた私に聞くのか」と言いました。蘇成はよく見たら、その人はまさか自分の娘に間違いありません。笑って「我が娘はどうして男装したのか」と聞いたら、妻は「今日は私の誕生日で、我々に息子がいないため、娘に男性の格好をさせて、誕生日を祝ってもらった」と言いました。

 蘇成は「今日、貴方と娘は私に殺されかけていた。幸い目が不自由な仙人から前もって指導を受けたおかげで、さっきの災いを逃れたのだ」と言って、詳しく今日の出来事の一部始終を妻に教えました。木を救った善事をしたため、蘇成はその年に息子を授かられて、そして曾孫の顔も見られたほど長寿でした。

 物語の中の蘇成は清の時代に暮らすごく普通の市民で、ふだんから善行をしていますが、福の報いを特に得ていませんでした。しかし原価を上回るお金を出してまで木を救ったことは、自分の利益を削ってまで利他の行いをした善行です。ですから、本当の危険や災いが来た時、彼は仙人から教えを得ることができました。また、ふだん善行を積む基礎があってこそ、突然の出来事でも怒りを制することができ、妻と娘が非業の死を遂げ、自分も刑法の懲罰を受けるという災いを避けられたのです。この物語は、善行と忍耐が人生の旅の中でどれほど重要かを読者に伝えています。善行をすれば徳を積み、自分に福の報いをもたらし、忍耐すればさまざまな怨恨と憎しみを解消することができ、人生を復讐と因果循環のサイクルから解脱させ、徹底的に運命を変えることができます。

 今日の中国では、善行をして自分の運命を変える方法もあります。それはつまり中国共産党が法輪大法と大法弟子に邪悪な迫害を加える中で、あなたが知った法輪功の真相、または法輪大法の修煉者が生きたまま臓器が盗られて売買されるという「地球上で未曾有の犯罪」を周囲の人に教えることです。そして良知に基づいて法輪功修煉者を助けることです。そのようにする人は、自分に巨大な福を積む道を開いたともいえます。今後きっと神様の加護を得て、前世の各種の怨恨やトラブルまで解消されて、これからの運命を変えて、明るく素晴らしい未来を迎えることができるのです。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2014/2/17/287759.html)
(English: http://en.minghui.org/html/articles/2014/2/25/145597.html)
 
関連文章