文/中国の大法弟子 勝君
【明慧日本2015年9月2日】昨年、夏休みが終わり新学期が始まるとすぐ、同僚の萍先生から「教育局から、市内のアカデミックリーダーを選定する資料が来ています。校長先生の所に行ってみて下さい」と言われました。私は副校長室に行き話を聞きました。選定基準には五つの項目がありますが、私には「5年間の年度優秀評定」という項目だけが足りず、諦めるしかありませんでした。
萍先生は私の事情を聞いて「1項目だけで諦めるのはもったいないです。私は数年間、多くの優秀評定を頂いてきたので、今年の優秀評定をあなたに譲りましょうか。あなたさえ同意すれば、私はすぐに校長に報告してきます」と言ってくれました。
当時、2014年度の優秀評定の選定が終わったばかりで、上層部へ提出する書類が準備されている最中でした。萍先生の話を聞いて思いました。「自分は真面目に仕事に取り組み、学校が指定する各種の仕事は完璧にこなして来ました。この名誉を頂いても恥ずかしくありません。しかし、大法の修煉を諦めないことで2010年から迫害を受けてきて、教壇の第一線から外されました。しかも、いくら仕事を完璧にこなしても、校長は教育局や610弁公室の圧力によって私の昇進を保留してきました。しかし萍先生が副校長に報告してから、副校長は同意して私を事務室に呼び、こう言いました。「あなたの仕事ぶりは確かに素晴らしいです。実際、長年あなたの昇進を保留してきたことに対し、自分の意志と違う決断をしてきました。申し訳ないと思っています。今回、萍先生があなたに譲りたいと言うので、必要書類を書いて提出して下さい」
私は素早く書類を完成し、提出しようとしたその瞬間、師父のお言葉が耳元に響きました。「良い人となり、更に良い人となり」[1] 私は躊躇しました。「学校は既に今年の選定結果を公表した。私が途中でこの名誉を頂くことは、「真」を修めたことになるだろうか? もし、他の先生に知られたら、校長も信用を失うのではないか? 今後、どのように仕事をすすめていくのか? 私は他人の為に考えたのか?」と思って、私はこの機会を辞退することに決めました。
翌日、私は副校長室を訪ねて、こう言いました。「今回のチャンスを下さり、しかも私の仕事を認めて頂いて、感謝しています。しかし大法弟子として、師父の教えておられる『真・善・忍』に則って良い人になるよう努めなければなりません。この名誉を頂けば、私は『真』を実行しないだけでなく、上司の立場も無視することになります。名誉を頂くのなら、正々堂々としたいです。今後、私たち法輪功修煉者が差別されず、優秀さを競い合うチャンスを他の先生たちと同じようにして頂きたいです」
その後、私は萍先生を訪ねて感謝の意を伝えました。「気にかけて頂きありがとうございます。あなたの行動を見て恥ずかしく思いました。あなたは淡々と自分の名誉を他人に譲ることが出来るのですね。私も大法弟子として、修煉の原則に従い、『真・善・忍』を実行すべきだと思いました」
名利に対する執着を放下してから、心は非常に楽になり喜びを感じました。大法弟子になれて、幸せだと思いました。大法を修煉していなければ、物欲が横行する社会において名利の誘惑を簡単に越える事は出来ません。
注:
[1] 李洪志師父の著作:『カナダ法会での説法』