次元を向上させることについて
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2018年8月22日】内に向けて自分を探しても、様々な人心によって自分の執着心が隠されたり、偽装されたりして、結局何も見つけられず、その偽装も何かのきっかけにより全て暴かれてしまい、ぐるぐると遠回りしても、結局は自分と向き合わなければなりません。どれほど偽っても結局は自らの根本的な利益と「私」を守ろうとする本質がまだ存在していることに変わりないのです。修煉において、何度も人心や執着心に動揺され、「私」に苦しめられ、しまいには、修煉することへの自信がなくなり、失望や絶望などの人間の情緒まで生じてしまいました。

 「自分で自分を傷つけることはないだろう」という疑問を抱きながら、学法を通じて、様々なことを理解しました。「私」の根源は旧宇宙にあり、旧宇宙の本質が「私」なのです。常人の中の全ての現象は偽りであり、虚像なのです。人の自我も同じことです。人間の言動は脳を通じて加工されて四肢に伝わっていくので、この肉体自体が偽の自分なのです。なぜなら、人の本当の思想は主元神から発せられるのです。この点から見れば、肉体の自分も救う対象となるでしょう。

 師父はこのように説かれました。「本当の信息は元神から発せられるものです。といっても発せられたのは言語ではなく、ある種の意味をあらわす宇宙の信息です。われわれの大脳はこの指令を受け取ると、それをわれわれの現在の言語をはじめ、さまざまな表現形式に加工します。その上、われわれは手振りや目つき、身振りなどでそれを表現しますが、大脳はこういうことをやらせる役割を果たしています。本当の指令、本当の思惟は人間の元神から発せられるものです。それは大脳の直接で独自の働きだと思われがちですが、実は元神が心にいる時もあり、確かに『心が想っている』と感じている人もいるのです」[1]

 また、師父は「さらに皆さんに教えますと、実際には、皆さんの以前の本性は、自らのため、私のためを根本としたものだったのですが、今後、何かをするときには、まず他の人のことを配慮して無私無我で、なおかつ他人を先に、自分をあとにするという正覚にまで修め遂げなければならないのです」[2]とも説かれました。

 邪悪が最も恐れているのは、我々が修煉の中で法理を理解し、無条件に大法に同化し、無私無我の境界に至り、そして、衆生を済度することを自らの責任とする慈悲の心と善の念であることを、修煉を通じて悟りました。

 大法弟子は無私無我で、他人を先に、自分を後にするという新たな生命にならなければなりません。大法弟子自体が「私」を本質とする旧宇宙の特性を徹底的に否定する存在なので、邪悪は我々を恐れているのです。

 修煉の中で、何事にも動揺しない境界まで達するには、「私」と自我を取り除き、千百年の間形成されてきた旧宇宙の理を突破し、自分を浄化して、衆生を救わなければならないのです。

 隠蔽も、偽装も、実は本当の自分と向き合いたくないがために自分を騙し、自我を守ろうとする人心なのです。本当の事を隠蔽してしまうため、何をするにも、心の底からではなく、形式だけを辿っているため、他人を騙し、誤解させていることになり、嘘をつくことも次第に習慣になってしまうのです。

 隠蔽や偽装をまだ取り除いていないことの表れとして、普段実修しておらず、よく常人と比べたがり、自分の過去と比べたがり、常人が我慢できることは、自分もできますが、常人が我慢できないことは、自分も我慢しません。つまり、全ての忍耐には条件があり、相応の代価を得なければならないのです。結局、忍耐の限界に達した時、他人に冷たくされたり、酷いことを言われたりなど、これ以上我慢することができず、そして、利益の損失にも耐えられなくなるのです。時間が経つと、他人に言われたくなく、内に向けて探すことができず、他人を変えたがり、自分を変えることができないなどの考えが根付いてしまうでしょう。

 隠蔽や偽装といった心理はとても危険な人心です。修煉の中で、法を実証せずに、自分の長所ばかりを見せたがり、目立ちたがると、いずれ、大きな教訓を受けるでしょう。

 「私」や自我を取り除かないと、法を実証することはできないということを悟りました。圓満成就する時、連れて帰るのは主元神だけでなく、この肉身や我々が受け持つ全ての世界の衆生なのです。修煉の中で「私」や自我など、良くない全てのものを取り除いてこそ、無私無我で、他人を先に、自分を後にできる本性が現れるのです。言い換えてみれば、人々が他人の事を先に考えることができれば、その生命は良くなり、そして、道徳基準も回復されるでしょう。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『轉法輪
 [2] 李洪志師父の著作:『精進要旨』「佛性に漏れなし」

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2018/7/12/370883.html)
 
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