慈愛深い医師はどこにいるのか(一)
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文/懿徳

 【明慧日本2023年4月4日】昔、人々の道徳意識が高かった頃、薬局には 「世間の人々が健康であることを願い、棚に置いてある薬に埃が溜まっても惜しまず」という対聯がよく掛けられていました。今は医療関係者が猛スピードの入院患者の増加を祝う現実に変わってしまいました。

 2020年2月、深セン市第二人民病院が「2020年胸部外科の手術件数が1000件を超えたことを心から祝う」という文章を発表しました。2012年11月、広東省呉川市人民病院の建物の外壁に「当院、2012年入院患者数4万人突破、おめでとうございます」という縦長の横断幕が掲げられました。大紀元の報道によると、2022年1月26日、広東省東莞康華病院の年次総会の会場に掛けられた「手術室にはお金がいっぱい」という横断幕の写真がインターネット上で盛んに拡散されました。

 中国では、医師が患者に「三素一汁」を処方することを好むようになったとメディアで報じられました。「三素」とは「抗生物質(抗生素)、ビタミン(維生素)、ホルモン(激素)」のことで、「一汁」とは点滴を投与することです。報道はまた、病院におけるもう一つの怪しげな慣習を指摘しました。多くの医師が、患者の懐からより多くのお金を引き出すために、本末転倒して診断プロセスで、いくつかの質問の後、すぐ患者にCT、画像、MRIを受けるよう指示し、直接第5ステップまでスキップするそうです。これらの検査は費用が高いだけでなく、人に大きなダメージを与える可能性もあります。『中国青年報』によると、心臓の冠動脈のCT検査は、胸部のレントゲン写真750回分の放射線量に相当するそうです。CT検査を必要としない一部の若者、特に若い女性には効果がないばかりか、患者を生涯にわたって癌の危険にさらすことにもなります。

 中国では、無理な投薬や検査、過剰な点滴、医療機器の不正使用などがほとんどの病院で行われており、「小さな病気には大きな治療、大きな病気には長い治療」も珍しくありません。1回の手術で数千元、数万元、十数万元、数十万元、それ以上の費用がかかることもあります。患者の命よりも、自分たちの利益を第一に考える病院が多いのです。

 純粋に患者のことを考える慈しみ深い医師はどこにいるのでしょうか? 幸いなことに、真摯に人の幸福を願う医師は確かに存在します。彼らの物語を紹介します。

 謝礼を断る医師

 明慧ネット2011年7月26日に「謝礼を断る医師」という記事が掲載されました。その内容は、友人の父親が重い病気になり、胃穿孔、腸管癒着、直腸癌という命にかかわる病気だと診断されました。患者の命を救うため、家族は千元を手術担当の医師に渡しましたが、医師はどうしても受け取りません。家族が何度も渡そうとする中で、医師は金を受け取り何も言わずにそこを去りました。手術は成功しました。患者が退院する日、医師は患者の入院保証金として千元の領収書を持参し、「私は法輪功修煉者ですので、患者からの謝礼は受け取りません」と家族に千元を返しました。家族は「今、お金を受け取らない人をどこで見つけることができるでしょうか!」と、とても感動しました。

 このような現象は、法輪功修煉者の間ではよくあることです。湖北省黄岡市の元保健局長の王建生医師は、1995年末から法輪功を学び、法輪大法の真・善・忍の原則を厳格に守っています。ご存知のように、製薬会社が医薬品を販売する際、贈り物やキックバックをすることはよくあることです。その時、薬局の同僚である黄さんは、製薬会社の人たちに「もう渡さなくてもいいですよ、王医師は法輪功修煉者なので、受け取らないのです。王医師が毎年勤務先に上納する医薬品のリベートは、4万8000元以上に上っています」と話したそうです。これは10年前の話ですが、法輪大法を自ら律する心法としている医師が、無差別に患者に薬を処方することはありません。

 リベート薬を処方せず、謝礼や贈答品を受け取らない産科医

 広西チワン族自治区の産婦人科医は、キックバックや贈答品を受け取らず、同僚や患者が感動した話です。

 2007年8月のある日、経済裁判所の女性裁判官(42)が、「2カ月以上前から下半身から少量の出血があり、何度か病院に行き、薬を飲んでも効果がなく、とても苦しんでいる」と来院しました。診察したところ、出血の原因は膣に小さな腫瘍ができたからだと分かって、すぐに腫瘍を取る手術をして、その場で出血が止まりました。女性裁判官は感謝の気持ちを込めて、謝礼金を贈ろうとしましたが、産婦人科医は「〇〇裁判官、私は法輪功を修煉しているので、謝礼金はいっさい受け取らないようにしています。李洪志先生は私たちに真・善・忍の基準に基づいて良い人になるように要求されています」と断りました。

 女性裁判官は「あなたは法輪功の修煉者ですか?」とびっくりしました。私は「そうです。あなたは裁判官ですが、法輪功を学んで良い人になるのは悪いことですか?」と聞くと、彼女は微笑んで、「法律では信仰の自由は合法とされており、あなたの行動を見て、法輪功修煉者はきっと良い人だと私は信じます」と言いました。医師が各種の法輪功の資料とCDを渡して、帰ってからよく見てくださいと言うと、彼女は喜んで受け取りました。

 謝礼金を受け取ってくれなかったので、女性裁判官は高級な毛糸のジャンパーを買い、数日後に医師のところに持ってきました。医師は依然として断りました。しばらく座っていた裁判官は、患者が少なくなったのを確認してから、ゆっくりと医師の前に近づいて、「いただいた資料やCDを全部見ました。法輪功のことがすべてわかりました。私はあなたのように法輪大法を広めることはできませんが、機会があれば法輪功のために公正な声を上げます」と穏やか言いました。医師は彼女に感謝の気持ちを込めて微笑みました。

 村人たちの心の中の「周一針」

 周文生さんは黒龍江省肇東市東發郷村の医師で、真・善・忍の基準に従って自分に要求し、寒さや暑さ、患者がお金を持っているかどうかに関係なく、誠実に患者のために治療しています。周さんは患者に適切な投薬量と正確な診断をし、頭痛や風邪のほとんどは注射一本で治り、一銭の追加料金も請求することがなかったため、村の人々から親しく「周一針」と呼ばれています。

 周さんが法輪功を学んでいるという理由で当局の警官に不当に連行された後、地元の村民は非常に心を痛め、村長と700人以上の村民が、周さんの釈放を求めるため共同署名をしました。にもかかわらず、周さんは懲役3年の不当判決を言い渡されました。

 (続く

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/3/26/458005.html)
 
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