中国の労働教養所で行われている拷問の主な被害者は法輪功修煉者
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文/鐘延

 【明慧日本2013年5月8日】香港の財訊メディアグループ傘下の『Lens』誌が最近、2万字に及ぶ独自調査「馬三家からの脱出」を公表した。この調査報告書では、遼寧省の馬三家(マサンジャ)労働教養所で実際に起きている「受刑者の奴隷的苦役・非人道的体罰・狭い牢獄での残虐な迫害・スタンガンを用いた電気ショック・吊るし上げ・虎の椅子・死人ベッド」の実態を暴露した。被害者は実名で被害に遭ったことを証言し、自身の住所や不当連行された時刻などの事実を細かく記している。この報告が公表されてからすぐに多くのネット上のメディアに引用され、広がりを見せた。

 報告書を読んだ民衆は、ネット上での書き込みや掲示板で驚きと怒りを表した。多くの人々が、中共(中国共産党)当局の暴政は恐しいもので、絶対に許せるものではないと書いている。21世紀の今日、このような残虐かつ非人道的な迫害が身近なところで密かに起きていることに驚いたようだ。あるメディアは馬三家労働教養所は確実に「人間地獄」だと語っている。

 この報告書と関連記事はその後、AP通信、BBC(英国放送協会)、ドイチュ・ヴェレ(ドイツ語国際放送)、カナダ・ナショナルポスト紙などに次々と転載され、大きな波紋を引き起こしている。事実上、中国の労働教養所では拷問の対象者の主体は法輪功修煉者であり、法輪功修煉者たちは不当判決を宣告され、数年から10数年の長期にわたって労働教養所に拘禁され、様々な拷問を受け尽くして体が不自由になったり、精神状態がおかしくなったりし、多くの人が命を落としている。法輪功修煉者への迫害は中国が抱えている最大の人権問題である。

 労働教養所の拷問の主体は法輪功修煉者

 中国のメディアが暴露した労働教養所の被害者の主体は、法輪功修煉者である。しかし、報道の中では「法輪功」という言葉を避けている。AP通信の4月9日の報道では「『Lens』誌が公表した馬三家労働教養所における独自調査の内容と、法輪功精神運動のメンバーが10年前から国際社会への馬三家労働教養所における迫害の訴訟と非常に一致している」と書かれている。法輪功修煉者の話によると、「この馬三家労働教養所は事実上、中共の法輪功に対する残酷な迫害の中でも強制的に洗脳を実施している中心機関の一つである」ということである。

 1999年、江沢民元国家主席の個人の嫉妬から法輪功に対する迫害が始まった。「610弁公室」という法輪功への迫害のために設立された不法機構が組織的に計画を立て、全国の公安局、警察、及びほぼすべての国家組織・機関を巻き込んで法輪功への不法な弾圧を行い、多くの法輪功修煉者達の尊い命と財産を奪った。法輪功への信奉心を放棄させるために実施したいわゆる「転向」では、転向率を上げて賞金をもらうために労働教養所、刑務所、様々な洗脳班が次から次へと迫害を強化し、「3カ月間で法輪功を消滅させる」江沢民政策を実施した。その中で、「暴行死したら自殺として処理しろ」、「死んでも身分を明らかにしなくても良い、直接火葬しろ」、「法輪功修煉者には法律を適用しない」、「虚言を作り名誉を汚せ、経済的窮地に追い込み、肉体を消滅させよ」 という様々な非人道的な政策を実施した。最高責任者のこうした指示が「610弁公室」を通して次々と全国の公安局、警察、労働教養所、刑務所へと密かに伝えられ、迫害の手は国際社会と国民の目を覆い隠して全土へ伸びていった。その過程で警官らはもはや人間ではなくなった。相手が自分の母親のように善良な人だと分かって殺しても、顔色一つ変わらない。

 ウィキペディアの記事によると、拘禁されている法輪功修煉者の割合は中国の「良心犯(冤罪で拘禁されている人のことを指す)」のうち半分以上を示すという。少なくとも25万人の冤罪者が拘禁されているが、その大半は法輪功修煉者である。国連の記録では中国での拷問や虐待の被害者の66%は法輪功修煉者だとしている。

 馬三家は法輪功修煉者を迫害する施設と仮し、拷問を濫用している

 馬三家は瀋陽市にある馬三家少年院だったが、1999年以前は毎年、赤字で電気代や水道代も払えなかった。しかし、法輪功修煉者への迫害を開始してから、全国各地で連行した法輪功修煉者を馬三家に送るようになった。送られてきた法輪功修煉者一人に対して1万元が国から支給される。2004年に拘禁されていた法輪功修煉者は4千人以上で、少なくとも国から4千万元が支給されていた。

 1999年10月、馬三家少年院は第二の女子労働教養所を設立した。中共司法部の直属である。目的は「信条を放棄しない法輪功修煉者に対する重点的な強制洗脳」である。この第二女子労働教養所で得られた迫害の経験を全国に広げ、講演会を開いて人を虐待する方法を教えていた。

 中共の司法部は100万元の資金を馬三家に調達させ、環境を充実させていた。当時の「610弁公室」のトップ・羅干、劉京らは、自ら馬三家労働教養所を訪れて指導していた。彼らが来るたびに馬三家労働教養所の法輪功修煉者への迫害は強化されていった。

 2002年、法輪功迫害の主要責任者の一人である薄熙来が遼寧省の省長になった。薄熙来はすぐに馬三家労働教養所の新築と建て直しを命令し、規模を拡大させた。そのほか龍山少年院、瀋新労働教養所などの建て直しをはかり、迫害強化の準備を着々と進め、江沢民から認められた。2003年、薄熙来は更に10億元の国民の税金を導入し、遼寧省刑務所のリフォームと拡大工事を実施した。馬三家だけで5億元を使った。これで、馬三家は中国国内で最大規模の刑務所となった。さらには、面積130ヘクタール以上の馬三家女子労働教養所を新築した。遼寧省・司法庁の幹部が、馬三家労働教養所のある会議の談話の中でこう話している。「法輪功への対策に使用したお金は、一つの戦争で使う資金を越えている」。一つの戦争にかかる資金を越える国民の税金を使って、善良な国民を迫害している政府を誰が信用するだろうか? 遼寧省は法輪功を最も迫害した省となった。

 馬三家女子労働教養所の所長・蘇境は、法輪功への迫害で国内外にその悪名が知られている。蘇境は中共の「610弁公室」から「二等賞」を得た。中共司法当局からは5万元の賞金を手に入れた。2003年9月、法輪功への迫害に積極的に参加したとで「全国労働模範二等賞」を得て、副所長・邵麗も3万元の賞金を手に入れた。

 2000年~2013年4月7日まで、中国メディアが馬三家労働教養所の様々な犯罪事実を暴露するまでの13年間、明慧ネットでは馬三家労働教養所が法輪功修煉者を対象に、8109回の拷問を使用したと報道した。このほか、労働教養所では女性修煉者に対して性的拷問を行い、女性修煉者を裸にして男性受刑者の部屋に入れて集団性的侵害を実施したことも報道した。また、女性の性器にスタンガンを入れて高圧電気を流して苦しめた事実を次々と報道した。2000年10月、中共の政法委員会(610弁公室を直轄する組織)の書記・羅干が馬三家労働教養所にやってきて指導した。その際に18人の「転向」しない女性法輪功修煉者を裸にして男性の牢獄に入れて受刑者に強姦させた。女性修煉者5人がこれによって死亡した。7人が精神に異常をきたし、正常な生活ができなくなった。残り6人も不自由なとなった。

 「人間地獄」と呼ばれる馬三家労動教養所は、数々の非常に残虐な拷問と虐待の手段を開発した。しかし、こうした非人道的な迫害を実施する機関がこの10数年間、中共当局から数々の「模範」の賞をもらっている。

 「馬三家からの脱出」の中で述べられた劉玉玲さん、王桂蘭さん、張亜華さんは馬三家労働教養所で拷問を受けて虐待されていた。それだけでなく、過去13年間、全国の大、小労働教養所で数え切れないほどの法輪功修煉者が奴隷扱いされ、過酷な労働、洗脳を強要されて尊い命を失った。その中には幼い子供から老人、中年、少年、男性、女性が含まれている。

 誰でも労働教養所の被害者になる恐れがある

 実は馬三家の拷問は、最初は主に法輪功修煉者に使用していたが、その後、徐々に一般人にも使用するようになったという。10数年に及ぶ法輪功修煉者への迫害で「開発」した数々の拷問を、今は一般人への拷問にも使っている。中共の労働教養所に拘禁されている一般人というと、中共と思想が異なる人や異見を持つ人々である。彼らの多くは陳情をしたり、正当な訴えをしたり、幹部の汚職を訴えたりして連行されている人たちである。中共の幹部は自分を訴えたり、自分に対する訴訟を起こした人 を「法輪功」と名付けて労働教養所に入れ、拷問を実施する。実は彼らは普通の市民であり、法輪功修煉者ではない。汚職幹部の不正を訴えたことが迫害される原因となっているのだ。

 絶対に中共に改善の希望や夢を持ってはならない

 中共は新体制をスタートさせて労働教養所制度を廃止するような議論を始めている。しかし、これは国際・国内の政治や信用の危機からの脱出のための手段であり、死にかかっている命を一日も延ばしたいという手段に過ぎない。半世紀以上の歴史の中で、中共はこうした手段で国内外の同情を得て生き延びてきた。しかし、危機を上手く乗り越えても国民に対する迫害を一度も止めたことはない。中共の演技に騙されてはいけない。迫害を停止するには「中共を崩壊させる」ほか道はない。中共は新体制になっても法輪功への迫害を一度も中止したことはない。いまだに迫害は続けられている。

 しかし、今回の報道は、隠し続けていた中共の労働教養所の黒幕に小さな穴を開けたことになる。報道では「法輪功」という中共の政治、敏感な言葉には触れずに避けて通ろうとしているが、国民がすべての真相を知った日が中共の最後の日となるだろう。江沢民・羅干・劉京・周永康らは14年間にわたって国家機関を利用し、莫大な国民の税金を導入して法輪功への迫害を実施してきた。彼らが裁判にかけられるのは時間の問題である。人間の長い歴史から見ても、邪悪は永遠に真理に勝つことはできない。犯罪者らが裁かれる日は、中共が地獄に落ちる日だろう。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2013/4/12/271985.html)
(English: http://en.minghui.org/html/articles/2013/4/22/139015.html)
 
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