善心を持ち復讐を止めた
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 【明慧日本2014年8月9日】少し前のある日、私はバスに乗って、そばで座っていた男性が他人と電話をしながら怒っていました。この人は40歳すぎで、顔に殺意が溢れていました。しばらく聞くと、男性の妻が他の男性と不倫したことを分かりました。彼は帰ってから、その男性を殺そうとしていました。

 人殺しはどんなに恐ろしい事でしょうか? この数年来、中国大陸では色々なよくない事が行われていて、偽、悪、争、扇情的な風俗、賭博、薬物乱用、不倫などすべての悪行がますます蔓延して、社会全体の道徳が全面的に崩れ崩壊しています。殺人も見慣れた光景になっています。

 一人の命がなくなったらどれだけの人々に苦痛を与えてしまうかを考えると、自分の心が辛くなりました。人間と人間間のトラブル、恨みの中で、もし極端な事を起こしてしまうと、往々にして双方とも被害者になります。しかし、現在の中国では、このような事を阻む人は極めて少なく、下手をすれば自分に面倒を招くこともあり得ます。命への軽蔑、人が死んでしまうのを見かけても知らんふりするのも社会全体で一般的なことになって、多くの人は「中国人はこんなに多いから、何人か死んでも大した事がない」と口癖にしています。

 しかし、私はこの人殺しのようなことを無視してはなりません。法輪大法の修煉者であるからです。師父が私たちに「真善忍」に基づいていい人になるよう、至る所を他人のために考えるなどを教えてくださっていますから、殺人や放火のようなことをなおさら放って置くわけにはいきません。

 どの家庭でも、どの命でも同じで、このような不幸が自分に訪れる時、その極めて大きいな苦痛は誰でも耐えがたいものです。また人を殺したら償わなければならないのも天理であり、運よく世間の法律の制裁から逃れても、天罰からは逃れられるものでしょうか? そばにいる人を殺したいと思っているこの人に対して、私はいかに彼を導くべきでしょうか? 「家庭内のいざこざを外に漏らさない」ということわざがあるように、このようなことは本当に介入しにくく、万が一何かの言葉が彼の気に障れば、自ら火を招いて自分を焼くことも十分あり得ます。少し考えて、彼を理解する立場から彼の恨みを晴らして、最大の善心と慈悲を持って彼の殺意を解くことに決めました。

 どこの人? と彼に聞くと、山東省の曹県の人だと言ってくれました。同じ出身だと私が言うと、彼は私に親切感を持ちました。続いて私は「今は社会全体の風紀が腐敗しているので、このようなこと(不倫)が一般なことになってきて、みんな気にしていません。汚れにまみれていない人はどれだけいるでしょう」と言いました。

 彼は「そうだね、私たちの村では若い婦人の95%が不倫しており、甚だしきに至っては自分の主人のお父さんと不倫したり、主人のお兄さんと不倫している人もいます。妻を交換して不倫する人もいて、彼はこの人の妻と遊んで、この人は彼の妻と遊びます」と言いました。

 この数年、農村の事をよく知らなかった私は、彼の話を聞いて、心で感嘆せずにはいられませんでした。田舎の人は大人しく純粋だとずっと思っていましたが、このような境地まで落ちてきたとは、信じがたいです。これはつまり邪悪な中国共産党政権が悪の種をばら撒いた結果であり、社会全体に災難をもたらしました。

 私は:「考えてみてほしいのですが、中国では上から下までどうのようになっていますか? 江沢民は率先して不倫をして、高官もそれに従って愛人を囲い、汚職腐敗して、国民がこれを見てよくなることができますか? このような事に対して、あなたは必ず理智的でなければなりません。最善の解決をして、絶対に衝動的になってはなりません。でなければ自分までも巻き込んでしまいます。

 私の善心は最終的に彼を打ちました。彼は「私はあなたが私のために言ってくれているとわかります。私もあなたに隠しません」と言って、自分の妻の事を話してくれました。彼の妻は村のある男性と6年も不倫して、2年前に彼はそれを知り、妻に離婚しようと言いました。しかし、彼の妻はどうしても離婚せず、その人と関係を断つと誓ったため、彼は妻を許し、なかったことにしました。彼は長年他の地域で出稼ぎをしているので、その後、妻がその男性と関係を断っておらず、彼を騙していると知り、一度帰って、彼は包丁を持ってあの男性を殺しに行きましたが、妻に抱きしめられ許しを求められ、妻が彼の前でひざまずいて、泣きながら今後必ず改めると言って、誓約もしたため、彼は再び彼らを許しました。

 今年、彼は他の地域へ行って間もなく、また妻とあの男性との関係が続いていることを知り、夜に曹県の町に出てホテルに泊まることもあったそうで、ますますひどくなっていました。この事で、彼は毎日眠れず、食事も取ることができなくなり、我慢できなくなりました。今回帰ってきて、その男性の家族6人、彼の両親、子供二人、その夫妻2人を含め、皆殺しにすることを決めました。

 話を聞いた私は全身が震えて「なぜ奥さんを連れて出稼ぎにいけなかったの?」と聞くと、彼は「家にいる80数歳の母親を彼女に面倒を見てもらわなければならなかった」と言いました。

 私は、現在このような男女関係の事で裁判をしても、なかなか解決できないと言いました。彼は知っており、法律は能力のない人のことばかりを損させるから、誰が信じるかと言いました。

 私は、もしあなたが人を殺したら法律はあなたを放っておくわけがなく、あなたが彼ら6人を殺してしまえば、あなたは自分の命も捨ててしまうことになると言いました。あなたが死んだら、あなたの80数歳のお母さんはどれほど大きな苦痛に遭ってしまうか、母親の面倒を見られない上に、母親の命まで無くなる恐れもあるから、ほかの家族も苦痛を耐えなければならないし、その価値がありますか? 善悪に報いがあるから、もうちょっと耐えてみて、将来どうなるか様子を見たらどうですかと言いました。

 彼は善悪に報いがあることを信じていると言いました。

 私は、佛家は因果応報を講じ、ご覧の通り今の社会はここまで腐敗してきたから、色々な天災と人為的に作った災難が頻繁に発生していて、人が懲罰しなければ天が懲罰し、間もなく災害が訪れるはずで、その時になったら悪い人は一人も残りませんと言いました。中国共産党は無神論で中国人を害して、人が善悪に報いがあるとは信じさせないように、偽、悪、争、性の解放を主張しており、だからこそ人びとは恐れずに悪事を働き、極悪非道もやり、良心がなくなりました。中国共産党を滅しなければ、中国には希望がありません。天が中国共産党を滅する時、すべての共産党員、共青団員と少先隊員はその一員であるので、脱退しないと、中国共産党と共に滅されます、と言いました。彼に共産党、共青団と少先隊に入った事がありますかと聞くと、彼は共青団に入った事があると答えてくれました。

 彼の名字を聞いて、趙と答えました。私は、趙××の名前で、インターネットであなたの代わり脱退声明をしたら、神様が無事を見守ってくれるからと言い、彼は頷いて同意しました。次第に彼の怖い目つきも消えました。

 最後に彼は:「あなたが本当に私のためです。あなたの話を聞いて、頭が突然覚めました。もう彼らを殺しません。理智的にこの事を対処します」と言いました。

 趙さんの身の上を考えて、今日の道徳が崩れた社会を見て、自分が法輪大法を修煉したことを本当に幸いに思いました。心の中に常に「真善忍」を入れて、仏法を入れて、一つの善心と正気を持ち、今日の乱れた世の中で、自分を沈ませないだけではなく、昇華することもでき、更にいい人になることもでき、他人の苦悩まで排除することができ、災難を鎮めることもできます。もし自分が法輪大法を修煉しなかったら、どうやってこの腐敗した汚水から身を守ることができたでしょうか。人を助ける勇気はなおさらあるわけがありません。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2014/8/4/295522.html)
 
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