泥より出づるも染まらず
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文/河北省の大法弟子 平凡

 【明慧日本2017年3月4日】青蓮さん(匿名)は40歳過ぎですが、夫を交通事故で亡くした時はまだ30代の初めでした。その頃の彼女は大法を学んで、まだ数カ月しか経っておらず、突然の不幸な事故に耐えられなかった彼女は何日間も食べ物が喉を通らず、生きる気力を失っていました。その時、法輪大法の法理が彼女の耳元で聞こえました。「日頃いつも慈悲の心を保ち、善をもって人に接し、何かをする時にはいつも他人のことを考え、問題が起きた時はいつも他人がそれに耐えられるかどうか、他人を傷つけることはないかを考えていれば、何の問題も起こりません」[1]。息子を亡くして急速に老けていった義理の両親(以下「両親」)と、まだ幼い我が子の顔を撫でながら 「これからは自分の為に生きるのではなく、この家を支えなければならない」と青蓮さんは決心しました。彼女は気を取り戻し、起き上がって何か食べようとしましたが、歯茎に全く力が入らないので、お粥を少しずつ飲みました。涙が混じったお粥は喉を通って胃の中に入りましたが、その味は彼女にしかわかりませんでした。

 続いてやってきた試練は全く予想外のものでした。唯一の息子を亡くした両親はまだ若い青蓮さんが再婚するのを恐れ、彼女への態度が激変したのです。青蓮さんが傷心で大泣きしている間に、学校に通っている2人の子どものために彼女に残された全てのお金が入った通帳を両親が勝手に持ち出したのです。長男は高校に上がったばかり、次男は小学校1年で、夫が作った借金もまだ残っていました。このことを知った青蓮さんは何も言わず、両親を咎めることもしませんでした。両親の気持ちを理解している青蓮さんは仕事を見つけて、夫の借金を肩代わりした上、子供2人分の生活費と学費という重荷を自分1人で担いました。その頃の彼女の困難と辛さは考えるまでもありません。時々、財布の中には数百円しか残っておらず、次男の送り迎えの時、お菓子を欲しがる子供に買ってあげるお金がないという状況にならないよう、1週間ほど自分のためにお金を全く使わないこともありました。

 青蓮さんは両親の様子を見に毎週田舎に戻っていました。けれども、両親は彼女の気持ちを全く理解せず、それどころか、息子を失った悲しみを怒りに変えて、すべてを彼女にぶつけたのです。そして、いつも彼女は泣きながら自宅に帰っていきました。その後、青蓮さんは心を開いて 「自分は再婚しないし、しっかりとこの家を支えていく。そして、父と母がこの世を去るときは、2人の息子と共に、最後の時を見守る」と自分の本心を話しました。彼女の誠心誠意の言葉を聞き、今までの彼女の苦労を見て、両親の心は揺らぎました。それからは、彼女に冷たく当たることなく、自分たちの実の娘として見做し、おいしい物を作った時も、全て彼女に残しました。

 10年以上の修煉を経て、彼女の生活は順調になり、車だけでなく、マンションまで購入しました。以前の家は暖かいので冬の間は両親に住まわせています。両親は満面の笑みで以前、彼女から奪った通帳を返しましたが、彼女はそれを2人の息子に均等に分け与えました。息子たちもしっかり成長して、長男は軍人に、次男も高校に上がりました(中国では、高校は義務教育ではない)。彼女は祖父母には孝行しなければならないと子供たちに教えていたので、長男は休暇をもらって帰ってきても、ほとんど祖父母の所に泊まり、次男も休みの間、よく祖父母の所に遊びに行きます。老いた両親の晩年は安らぎと喜びに満ちていました。

 家族に対しても何事においても相手のことを優先してきた青蓮さんですが、他人に対しても同じでした。去年の秋、彼女は車を運転して田舎に帰る道中、突然農業用トラックに轢かれました。トラックを運転している若い男の子は慌てて降りて謝り、車を修理しようとしました。彼は孤児で、結婚したばかりで、お金を借りてようやくこのトラックを買ったことを知った青蓮さんは、男の子に賠償させませんでした。相手にぶつけられたので、もちろん、保険会社はお金を出さないので、仕方なく、彼女は自腹で車を修理しました。この出来事は地域で有名になり、その男の子の叔母は人を見かけるたびに 「法輪功を修煉する人はみんないい人ばかりよ!」と伝えているそうです。

 青蓮さんは元から美しい顔立ちをしているので、10年以上の修煉を経て、さらに美しくなりました。彼女の苦しい生活を見て 「再婚した方がいいよ」と助言する人もいましたが、そういう時は、「両親がいて、2人の子供がいて、私がいます。もし、私が再婚したら、この家はバラバラになってしまうでしょう。自分の為に相手を傷つけることはできません」と相手に伝えています。彼女の言葉を聞いた人は皆感動し、中には「自分の嫁にも法輪功を勧めたい」と言う人もいます。

 青蓮さんは心の優しい人で相手を傷つけないよう、常に心配りしているため、周りの人は、老若男女にかかわらず、彼女に好意を抱いて、何か相談事があるときは、心を開いて彼女に話します。特に、男性たちは青蓮さんに敬意を払って接しています。法輪大法の修煉では、男女の関係について極めて厳しい要求があるため、青蓮さんは自分に好意を向けている男性たちには、女性としての尊厳を守りつつ、優しく接し、また、時々、法理で相手を導いています。そのため、皆青蓮さんのことを何でも話せる姉として、何か悩みがあれば、彼女と話し、そして、いつの間にか悩みが消えていったのです。

 法輪大法を修煉する者の中で、青蓮さんのような人は数えきれません。道徳基準が急速にすべり落ちている今日の社会では、青蓮さんのような存在は極めて尊いでしょう。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『轉法輪

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2016/11/28/338134.html)
 
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