【明慧日本2018年8月28日】広東省広州市海珠区の法輪功学習者・曾浩さん(44歳男性)はテンセントQQ(中国のインスタント・メッセンジャー・ ソフトの一種)に法輪功のことを書き、法輪功関連の写真を転載したため、2017年8月10日、住んでいるマンション前で朝ごはんを買っていた時、海珠区国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関)の警官と江南中街派出所の警官、青葵住民委員会の人員に連行され、家宅捜索を受けた。その後、曾さんは海珠区留置場に拘禁された。
2018年7月27日、海珠区裁判所は曾さんに不当な裁判を行った。弁護士は「本案件は被害者がいないし、提出されたいわゆる証拠が法に合わないので、曾さんは無罪です」と指摘した。さらに、弁護士は傍聴席に向かって、「皆さん、この時間を無駄にしないように、法輪功の真相をよく聞いてください」と言った。
裁判所側は、曾さんの家族、親族5人に傍聴を許可した。家族や親戚が法廷に入るとき、傍聴席は満席に近く大勢の人々が席についていた。曾さんの父は尋問を受けたことがないし、サインも要求されたことはなかったが、勝手に証人とされて、傍聴できなかった。
午前9時半ごろ、曾さんは手かせ・足かせをつけられたまま、法廷に連れて来られた。その手かせ・足かせの音を聞いて家族、親戚たちはとても心を痛めた。
弁護士は曾さんにどんな組織に参加したかと聞くと、曾さんは「中国共産党青年団員になったことがありましたが、すでに脱退しました」と言った。弁護士はまた、「警官、街道の人、住民委員会の人員が十数年もあなたに嫌がらせをしてきましたが、あなたは彼らを恨んでいますか? 彼らを告訴したことがありますか?」と聞くと、「いいえ、恨んでいませんし、告訴したこともありません」と曾さんは答えた。そして、弁護士は傍聴席に向かって、「曾さんを見習ってください。人を恨まないことは素晴らしいことです。みなさんは今日ここに来て、椅子に腰かけるだけではなく、法律も勉強してください」と話をかけた。
以下、弁護士が曾さんを弁護した内容の記述である。
弁護士は「まず、中国共産党中央弁公庁、国務院弁公庁及び公安部が認定した14種類の邪教の中に、法輪功は含まれていません。どの法律の中にも法輪功が不法であると書かれていません」
「2011年、中国新聞出版総署の第50号令に、明確に1999年に『新たに法輪功関連出版物の処理した意見に関する通知』と『法輪功関連の出版物の印刷を禁止し、出版物の印刷を強化する通知』を廃止することを発布しました。この法令により、法輪功に関する物を出版することや作成することは合法になりました。法輪功の書籍や迫害資料が曾さんの家に置いてありましたが、これらのものは違法ではありません」
「広州市公安局の『邪教認定の意見書』は『刑事訴訟法』の規定の証拠になりません。検察庁は曾さんの家から押収した法輪功のものは、『邪教認定の意見書』に従って、これらのものを証拠として曾さんを提訴しましたが、この『邪教認定の意見書』それ自体が無効なものです」
「『中華人民共和国刑事訴訟法』の第48条によると、案件を証明する事実のものを証拠としていますが、そもそも『邪教認定の意見書』を証拠とすることが無効です」
「この案件の被害者は誰もいません。公訴人も被害者1人さえも探し出せませんでした。法律は厳粛なものです。曾さんを提訴した罪名と出したいわゆる証拠とは全然関係がありません」と話した。
弁護士は法廷で『取り締まる邪教組織に関する認定問題と解釈』や『中国新聞出版総署の第50号令』を提出して、その場にいる人に見せた。それらを目の当たりにした公訴人は、びっくりした様子だった。
曾さんは1年近く拘禁されているものの、精神的には健康である。曾さんは「私は法律を信じて法廷に来ました。法輪功を学ぶことは罪ではありません。公正な裁判をお願いします」と話した。
曾さんは1995年、大学在学中に法輪功を学び始めた。その前、曾さんは肝炎を患ったことがある。法輪功を学んで健康になり、心も広くなった。大学卒業後、曾さんは広州供銷学校に就職した。しかし、当局が法輪功迫害を開始して、曾さんは解雇され、2回も拘留された。それが原因で、2001年から2年の間放浪生活を強いられた。
その後、曾さんは広東技術師範学院天河学院に再就職した。現在、学院側も曾さんの解放を望んでいるという。また、家族は75歳の両親と4歳の息子の世話をしながら、曾さんの早期に解放されることを待ち望んでいるという。
(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)