【明慧日本2019年1月27日】湖南省懐化（かいか）市の法輪功学習者・尹蘭英さん（女性）は2018年12月17日午前、同市鶴城区裁判所に不当な開廷をされたが、弁護士はいなかった。裁判所は事前に、尹さんの妹に尹さんの弁護士を辞退するようにと圧力をかけた。
裁判の数日前、裁判所は尹さんの妹に、裁判に法輪功の人を連れて来ないように指示し、さらに、弁護士を辞退させることや親族や友人も連れて来ないこと、これら三つの条件を出した。「もし、これらの条件をすべて受け入れれば、裁判後に尹蘭英を釈放するが、弁護士を辞退させなければ、尹蘭英に懲役3年の実刑判決を下してやる」と脅した。姉が1日でも早く帰宅できるようにと考えた妹は妥協し、それらの条件を呑んだ。
しかし、弁護士を辞退させたが、尹さんは解放されなかった。尹さんは裁判後に懐化市留置場に連れ戻された。裁判の翌日、尹さんの家族たちは政法委員会に行き、尹さんの判決のことを聞いたが、「いまから会議をする。5日後に判決の結果を出す。そのとき、不服があれば告訴してもよい」と言われた。
2018年12月17日午前、尹さんの裁判の傍聴席には妹1人しかいなかった。親戚も友人も法輪功学習者も裁判所に駆けつけたが、入ることが許されなかった。
裁判所の前にいる学習者たちは尋問を受け、全員ビデオを撮られた。裁判は2時間で終わったが、結果は出なかった。
2018年12月12日、鶴城区裁判所は男女2人の職員を留置場に行かせ、尹さんに「罪を認めれば早く釈放する。人権弁護士を辞めさせなさい」と圧力をかけた。その翌日、弁護士は尹さんと面会し、尹さんは弁護士を辞めさせる気はないと弁護士に伝えた。弁護士は妹に尹さんの主旨を伝えたが、裁判所に圧力をかけられ、裁判所の嘘を信じた妹は姉の案件を閲覧し、姉の無罪を訴えようとする弁護士を断った。
そのため、法廷で尹さんは中国公民の合法的で正当な権益を保障されず、冤罪を着せられたままとなってしまった。
尹さんは元懐化鉄道の職員である。2017年、尹さんは懐化市610弁公室と公安局の「10.9」の連行行動で連行された。2017年10月9日、家から出た途端に尹さんは鶴城公安分局の警官らに連行され、誰もいない家を不当に家宅捜索をされた。
この大規模な連行行為は計画的に行われた。警官は長期にわたって学習者たちを尾行をしており、同市の学習者十数人が一斉に連行されたという。
尹さんは懐化市留置場に送られ、刑事拘留されたが、その後、逮捕状を発布され、提訴され、裁判までに至った。
尹さんに罪を着せるため司法関係者らは結託し、法律を知っていながら法規に従わず、嘘偽りの証拠を集めた。2018年1月11日、鶴城公安局は尹さんの案件を同区検察庁に渡したが、証拠不足で案件を差し戻された。
しかし、公安局は諦めずにいわゆる証拠を集め、3月6日に再度、検察庁に提出した。4月20日、検察庁は尹さんの案件を鶴城裁判所に送ったが差し戻された。5月17日、検察庁は妹に「新たな審査起訴期間を設ける」という通知書を送り、5月18日～6月17日の審査期間となった。そして、公安局の警官は尹さんを陥れる証拠を集め続けた。
警官は他の学習者を連行し、その学習者をこの案件の証人とさせる手段を取った。2018年5月9日午前、警官は学習者・何秀雲さんの家に行き、「尹蘭英のことを聞きたい」と言いながら、強制的に何さんを派出所に連行した。派出所で何さんは体を検査され、強引に手錠をかけられ、尋問をされた後、5人の警官らに抑えられて採血され、裸足の足を掴まれて足跡を取られた。午後3時、何さんは懐化市留置所に送られ、15日間拘束された。
何さんは拘束されている間、3回の尋問を受けた。尹さんのことを聞かれ、何にも言わなかった何さんに警官は「お前が言わなければ、お前を連れて尹蘭英と対面させるぞ。お前の拘留期間を15日を、1カ月から3カ月さらに、6カ月から3年まで延ばしてやる」と脅迫した。その後、何さんは警官に「ここにサインしないとお前を他のところに送る」という内容を見せてくれないまま、調書に拇印を強いられた。そのことにより、何さんは尹さんの案件の「証人」にならされた。
鶴城区検察庁は2018年6月16日の起訴状には、「証人は何秀雲、向躍の証言をする」と書かれていた。しかし、尹さんに対する開廷の法廷に、証人は誰ひとりとして行かなかった。
2018年12月17日、尹さんは弁護士がいないままで、裁判が行われたという。
（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）
