義母と学法する92日間に私が得たもの
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文/広西の大法弟子

 【明慧日本2019年11月9日】私の義母(60代)は健康状態がよくないため、2009年9月に他県から我が家に来て、住むことになりました。以前、義母は地元の病院で肺性心(※)と診断されました。義母は長期にわたって咳を伴う痰が出ており、時々、脈拍数が1200回/分の頻脈症状があり、呼吸困難やめまいがして全身に力が入らず、食事も摂れないなどの症状が現れていました。我が家にやって来た義母はこれらの症状が頻繁に現れ、現代医学では根治することが出来ないという結果が出ました。毎回、病状が現れる度に、義母は抗生物質や鎮静剤、喘息・痰をおさえる薬、抗不整脈の薬、酸素吸入などの治療を受けました。しかし、だんだんとこれらの薬も効果がなくなり、漢方薬も民間療法も効かなくなりました。

 そして、義母は頻繁に発作が出るようになりました。義母の苦しむ姿を見て私も心を痛めました。そこで、私は義母に私と一緒に法輪大法を学ぶことを勧めました。しかし、義母は「私は小学校2年生までしか学校に通えなかったので、ほとんど字が読めないの」と言いました。私が「字が読めなくても、法輪大法の師父が説法された録音を聞けばいいわ」と言うと、義母は「私は標準語がわからないの」と言いました。私はどうすればいいのかと考えて、「じゃ、私が先に読むから、お母さんは私の後から真似して読んでみましょうか」と言うと、義母はしぶしぶ私の言うことを聞き入れました。

 そして、私と義母は『論語』から読み始めました。私が一文を読んで、義母が真似して読もうとすると、二文字が口から出ると同時に激しい咳をし始め、急いで洗面所にかけ込みました。義母はひとしきり咳をし、痰を吐いて鼻水を拭いて手を洗いました。義母は涙を拭きながら出てきて、水を飲みました。私は義母が座るまで待って、先ほど読んだ一文を繰り返し読みました。そして、義母は私について読もうとするとまた激しい咳をし、洗面所にかけ込みました。私も洗面所までついて行き、義母が黄色くて濃い痰を出したのを目にしました。その後、義母はまた鼻を拭き、手を洗い、水を飲みました。

 義母が戻って落ち着くのを待って、私は「お母さん、ゆっくりで急がなくてもいいのよ。今度は、一文じゃなくて、2文字だけ読み、一文の最後に3文字残っていれば、その3文字を読みましょうね」と言うと、義母は同意しました。それから、私が最初の二文字を読み、次に義母が読むと、また洗面所へかけ込み、先程の一連の動きを繰り返しました。義母が座ると、私は再び二文字を読みましたが、義母はまた、先程の行動を繰り返しました。その内に私は疲れてアクビをしました。1時間かかっても数行しか読めなかったので、私はイライラして焦り始め、「こんな状態では、いつ読み終えるのか! 自分で読むなら、少なくとも第一講の半分までは読み終えたのに。私の大切な時間はこれでは無駄使いだ」と不満に思いました。

 そして、私は諦めようとして立ち上がり、席を離れようとしたとき、師父の「われわれは常人の社会の中で修煉をしているので、親孝行をするのも、子供をしつけるのも当然です。どんな環境の中でも人には親切にしなければならず、まして自分の身内のものの場合はなおさらです。親だろうと子供だろうと誰に対しても同じように、何事につけてまず人のことを優先に考えるならば、それはもはや私心ではなく、慈悲心によるもので、慈悲そのものです」 [1] という説法が頭に浮かびました。「私は義母のことを優先に考えていたのか? 私の善はどこにあるのか? 義母がこんなに苦しんでいるのに、私は急いで読もうとした。読み終えたら、自分のことをやろうと考えていた。これは私心ではないのか! 私は法輪大法を学んだおかげで、苦痛の中から抜け出せることが出来たのに」と考えました。そこで私は「どんなに時間がかかっても、義母と一緒に『轉法輪』を最後まで読もう」と決心しました。

 それから私と義母は『論語』から、二文字ずつ学び始めました。一つの文の文字数が奇数であれば、最後の文字が三文字になりますが、大部分の文は偶数でした。学法し始めると義母は相変わらず、前と同じように二文字を読むとすぐ立ち上がり、洗面所へ行って咳をして痰を吐き、鼻水を拭いて手を洗い、そして涙を拭き、水を飲むという繰り返しでしたが、私の心は穏やかで、急がせることをしなくなりました。

 毎回、義母を待っている間、私は一人で本を2、3段落読みました。義母が帰って座ると続けて二文字を読む、このような形で読みました。毎日仕事を終えて帰宅し、家事をして食事後に、私と義母は学法をしました。二文字や三文字を読み、一つの文を読み終え、一段落を読み終え、一つの節を読み終え、毎日続けて読みました。私の心は平静さを保ちイライラすることもなくなり、嫌がる気持ちも完全になくなりました。

 そこで、ことわざの中に「石の上にも三年」とあるように、私たちは332頁の『轉法輪』を本当に読み終えました。私は義母を助けているのだと思っていましたが、気がつくと、実は義母が私の焦る心を取り除くことを手伝ってくれていました。

 さらに嬉しいことに、義母は痰の色も濃い黄色から薄い透明な痰になり、痰も出やすくなりました。私と義母は本当にうれしかったのです。私は「お母さん、92日間本を読み続け、本当によくやりましたね。お母さんが頑張って読み通したことを、心から喜んでいます。私たちはこのまま続けてやりましょうね」と、義母を励ましました。

 このことは10年前のことですが、私は昨日のことのようによく覚えています。慈悲深い師父に感謝いたします!

 ※ 肺性心とは、肺実質・肺血管病変あるいは肺機能障害により右心負荷が生じた結果、右心室に構造的・機能的障害が生じた病態をいう。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『轉法輪』

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2019/10/7/394263.html)
 
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