ペストが大流行中に起きた不思議な現象
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明慧日本2020年2月13日】

 一、感染しない人もいる

 人々は急性伝染病が発生すると、誰でも感染する可能性があるため、感染者と感染源を人々から隔離することが最も簡単で有効な方法であると考えます。

 しかし、いつも不思議な現象が起きます。ユスティニアヌス王朝時代にペスト (※ 1)を経験した歴史学者・キプリアヌス( ※ 2)は記述しています。「一部の人は感染した街から逃げ出した。彼ら本人は確かにとても健康だった。しかし、人々は彼らからウイルスに感染した。また、一部の人は感染者の中で生活しているにもかかわらず、しかも、感染者、あるいは死者にも接触していたが、まったく感染しなかった」

 「また、一部の人は子供や身内を失い、悲しみの余り自ら死にたいと思い、早く死ぬため、感染者にしっかり抱きついた。しかし、ペストは彼らの思い通りにさせないかのように、彼らがいくらそうしても、依然として健康だった」と述べています。

 二、感染者は悪魔や幽霊を見る

 プロコピオス (※ 3)の記載によると、健康な人がペストに感染した後、突然微熱になり、そして、悪魔や幽霊などを見ます。ジョンも先ず幻覚が現れ、頭のない黒い幽霊が見え、そして、リンパ腺が腫れ、あるいは黒い膿疱ができ、この膿瘍が現れると、その人はその日のうちに死亡するとほぼ同じように述べています。

 古代のローマ人がいう悪魔や幽霊は、中国人がいうあの世の幽霊のことでしょう。清の乾隆帝王朝期(1735〜1796)、雲南省趙州の師道南は、ペストが流行していた頃、『ネズミの死の行列(『鼠死行』)』という詩を書き、その中に「人は幽霊の色を含み、幽霊は人心を奪う。白昼に会う人は幽霊に見え、黄昏時に会う幽霊は人だと疑う」とあります。

 三、ペストの病因はマーモットの復讐?

 清朝の末期に東北地方で蔓延したペストは、中国の免疫学の第一人者・伍連徳博士 (※ 4)(1879-1960)の研究によると、病気の元はマーモットでした。その毛皮の色がクロテンとよく似ているため、当時、多くの悪徳商人はマーモットを殺し、その毛皮をクロテンとして売りさばいていました。1910年、東北地方でペストが発生した時、市場にはマーモットの皮が250万枚にも達していたそうです。

 (※ 1 )ペスト  541年~542年(あるいは542年から543年にかけて)東ローマ帝国、コンスタンチノープルで流行したペストで、全人口の40%が死亡した。

 (※ 2 )キプリアヌスは初期キリスト教の重要な著述家であり、ラテン教父に数えられる。幾つかの著作は高い神学的価値があると評されている。

 (※ 3 )プロコピオス(約500―565)はユスティニアヌス1世時代に活躍した東ローマ帝国の歴史家・政治家。著作は『戦史』、『秘史』などがある。

 (※ 4 )伍連徳博士はマレーシアのビンロウジ島に生まれ、ケンブリッジ大学エマニュエル学院を卒業。公共衛生の専門家で、医学博士、中国の現代医学の先駆者。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2020/2/1/400558.html)
 
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