イタリア学者:中国共産党の情報工作を非難
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 【明慧日本2020年4月10日】イタリアの社会学者マッシモ・イントロヴィーニュ(Massimo Introvigne)氏は2020年3月9日、オンラインメディア『ビターウィンター』(Bitter Winter)で発表した文章の中で、「中国共産党が海外の公使館などのあらゆる華人団体の宣伝を通じて、真相と歴史を書き直そうとしています。ウィルスの発祥地が中国であることを否定して、ウィルスの発祥地をその他の国家だと言っています、はなはだしきに至っては中国共産党が疫病に抵抗している“功績”に全世界で感謝させようとしています。実際には、中国共産党の隠蔽と妄言で事態を悪化させました」と言った。彼は「民主国家で生活する人にとって、中国共産党の悪行を暴き出すのは私達の仕事の一つです」と西洋社会に注意した。

 マッシモ・イントロヴィーニュ氏は1955年6月14日、ローマに生まれ、イタリアの宗教社会学者である。彼は新興宗教研究センター(CESNUR)の創始者で常務取締役である。CESNURは新興宗教の活動を研究する学者の国際ネットワークである。

中国在外公館はウィルスの発祥地に言及しないよう指示された

 イントロヴィーニュ氏は文章の初めで自分の経験に言及した。「何日か前、私は電子メールで中国の同僚から受信したメッセージを開きました。そこではイタリアウィルスに影響されていないかどうか、と尋ねられていました。私はCOVID―19がイタリアウィルスと呼ばれているのを一度も聞いたことがありません。しかし、その後、他の人も似たような情報を受け取っていることを知りました。例えば、日本ウィルスに影響されていないかどうか、と、中国の友達が日本人に聞いていました」

 イントロヴィーニュ氏は「中国共産党はすべてを中国化(sinicize)して欲しく、【注:即ち中国製のマークを貼り付ける】、はなはだしきに至ってはすべての宗教を含みます。ただこの件の事は非中国化(de―sinicized)【注:即ち中国製のマークを外してしまう】したいのです。即ちウィルスです。この前、普段中国に対して少しも敵意のない左翼カトリック教日刊新聞『ラクロワインターナショナル』(La Croix International)は調査レポートを発表して、1週間前に中国共産党が中国大使館と世界各地の中国共産党員に交付した機密指示を引用しました。中共に有益な人を説得して、ウィルスの中国発祥地を話題にしないよう要求し、ウィルスがひどく武漢で蔓延したが、武漢から始まったかどうかはまだ分かっていない、と堅持して言うよう指示されていました。私達は新たな調査を行っており、これによりウィルスの本当の出所が見つかります」と文章の中で掲示して言った。

 文章の中で、「このレポートによって、(中国在外)公使館はすでに指示されて、公衆の世論の中で、最初のウィルスは恐らく中国国外から来たのでは、という『懐疑論を誘発』しようとしました。同じ文章は「中国駐東京大使館はすでに『日本ウィルス』という言葉で『中共ウィルス』(COVID―19)を指定することを提唱し始めて(日本のメディアがこれを否定した)、その他の中国(中国共産党)の情報源も『イタリアウィルス』あるいは『イランウィルス』という名称に言及した」と語った。

中国共産党は疫病発生の情況を覆い隠して事態を悪化させた

 イントロヴィーニュ氏は「私個人としては、西洋社会がすべての華人を保護することで人種差別主義に侵害されない方法を歓迎しています。大多数の海外の華人がすべて中共ウィルス(COVID―19)に感染したという言い方は何の根拠もありません。事実、大多数は感染していません。それでも、イタリアで生まれて長年中国に行ったことがないイタリアの華人が、レストランとその他の公共の場所でかき乱されて差別されているのを知っています」と表した。

 さらに、「それとは異なる話になりますが、中共は宣伝の中で、ウィルスが国外から中国に来たと偽り、それによりある事実を覆い隠そうとしました。つまり中共は重大な危機の中で何週間もうそを付いたのです。実際、もし直ちに疫病発生の事実を認めていれば、事態は今のように悪化することは無かったはずです」と引き続き語った。

中共の教科書式の嘘ニュース――「世界を中国に感謝させる」

 イントロヴィーニュ氏は文章で「(今のところ)中国共産党はさらに世界から孤立しました。それは『中共にありがとうございますと言う』ことを世界に要求したからです。なぜこんな事をしたのか、それは、中共のウィルスに対する反応は完璧です!民主国家は中国のように思い切って良い措置をとることができません!西洋のような民主主義が政府の権力を制限したためです!今こそ再度中共の非民主制度の優位性を証明するべきです!と絶えず説明したいからです」とさらに言った。

 新華社は『大国は“疫病”と戦う』という本を出版すると宣言した。この本は6種類の言語に訳され、そして習近平は『大国の指導者の中の傑出した指導者』としてどのようにウィルスに打ち勝つかを釈明した。新華社はこの本が中国の指導の体制と中国の特色の社会主義制度の大いなる優位性を世界に向って証明し、そして習近平を核心とする党中央、中央統一指導がどのようにウィルスに抵抗する『大戦』を勝ち取るかを説明した。このすべての宣伝は皆中国共産党中央宣伝部から提供される。

 イントロヴィーニュ氏はこの本を中共の教科書式の嘘ニュースの例と呼んだ。イントロヴィーニュ氏は「事実上、中国共産党は危機の方面の虚言と隠蔽で疫病の蔓延を強く悪化させたことを認めている」と語った。

中共のうそを暴き出すのは民主国家の任務である

 イントロヴィーニュ氏はロンドンの中国問題の専門家のスティーブ・ツァン(Steve Tsang)が『ラクロワインターナショナル』のあるリポートを引用して述べて、「中共はずっと中国の真相と歴史を独占しており、今は、中共が最初にウィルスの真相を隠蔽した、という事実を否定しようとしています。中共では例え官吏が明らかに間違えたとしても、官吏が正しいのです。彼らには中共に彼らの『真相』があります。しかし私達は西洋でこのような『真相』を質疑するべきで、中共の隠蔽や妄言を暴き出すべきです。これは私達民主国家に生活している人にとって、一つの任務です」と語った。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/3/30/403169.html)
 
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