FBI長官「中国共産党のスパイ活動は最大の脅威」
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 【明慧日本2020年7月24日】米・連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は7月7日、中国共産党(以下、中共)が国全体であらゆる手段を講じ、アメリカの最先端技術と知的財産を何度も盗み取ってきたとして、中共によるスパイ活動を非難した。

'图:美国联邦调查局局长克里斯托弗·雷'

米・連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官

 レイ長官はシンクタンクのハドソン研究所でテレビ会議を行った際、中共の対米諜報活動と経済スパイ活動はアメリカの情報や知的財産、経済活動に長期的に脅威を与えており、このような行為を無視できないと強調した。

 レイ長官は例を挙げて説明した。2017年、中国人民解放軍のハッカーが米国の消費者信用情報会社・エクィファクスのデータベースに侵入し、およそ1億5千万人の米国人の機密個人情報を盗み出した。

 FBIは今や、10時間ごとに中共のスパイ活動を確認している。FBIが調査した5千件に及ぶスパイ活動のうち、半数近くは中共が関わっていることを明らかにした。また現在、中共はアメリカの医療機関や製薬会社のサーバーに侵入し、中共ウイルスに関する研究成果を盗み出そうとしているという。

 レイ長官は、我々は中国国民や在米華人に対してではなく、中共政権によってもたらされた脅威に対処しなければならないと述べた。

 10年間で経済スパイが1300%増加

 レイ長官は、中共は防衛装備品から風力タービン、コメやトウモロコシの種子に至るまで全ての研究を狙っていると述べた。さらに、中共は「千人計画」(海外ハイレベル人材招致計画)を通して海外の科学者を集めている。彼らに、米国など諸外国の高度技術を違法に盗用してでも入手させ、中国の軍事や経済に役立たせるのだという。

 具体例として挙げたのは、科学者の譚鴻晋。中国国籍の譚は、アメリカの永住権を持っている。譚は中国の「千人計画」に参加し、元勤務先のオクラホマ州にある石油会社から10億ドル(約1060億円)相当する企業秘密を盗もうとした。結局、譚は逮捕され、今年初めに有罪判決が宣告され、収監された。

 また、テキサス州の中国系科学者・石山は今年の初め、企業秘密に関する情報を盗んだとして収監された。石山は、中共の「千人計画」に参加してアメリカの技術を盗み取り、利用することが目的だと述べた。石山は中国企業を代表してこれらの行為に及び、できる限りアメリカ企業を倒産させ、中国企業がその市場を独占することが狙いだという。

 6月26日、中国天津大学の教授・張浩は経済スパイと企業秘密の窃取の罪、及び米国企業2社からワイヤレス技術の情報を盗もうとしたとして、有罪と認定された。

 FBIが全56カ所の地方局でこれらの関する調査を行なった結果、過去10年間で、中共に関わる経済スパイは1300%増加したという。

 海外の中国人に脅し

 2014年、習近平はキツネ狩り(Fox Hunt)という計画を始めた。中共はこの計画を、国際範囲で実施する反腐敗運動だと言っているが、実際はそうではない。実は、キツネ狩りの対象は、中共政権に脅威を持つ世界各地の中国人だ。つまり、中共政権の属性と異なる政治意見を持ち、中共の人権侵害を指摘する人達である。

 彼らが狙っているターゲットはアメリカ在住の、米国国籍や永住権を持つ中国人たちだ。中共は彼らにスパイ活動をさせた後、中国に戻るよう要請するが、それを断れば自殺を迫る。また、アメリカにいる彼らの家族や中国にいる家族は、中共に脅される可能性が大きい。中国に戻ったとしても中共に連行されてしまうだろう。

 レイ長官は、中共に脅しを受けた場合は地元のFBIに連絡するよう呼びかけた。

 アメリカは中共と対立

 アメリカは中共と対立しており、アメリカのシステムは中共とは根本的に異なっている。中国の企業は中共コントロールされており、すべての情報を中共に提供しなければならない。このすべては中国の法律により定められていると、レイ長官は述べた。

 在米の中国企業も中国にある企業と同じように脅かされている。レイ長官は、ファーウェイのような企業は知的財産権を窃取しており泥棒のような行為だと強調した。創業者の任正非は以前から社員らに、生存したいなら敵を殺して前へ進み、血で道しるべを残せ、戦時下の状態にならなければならないと話していたという。これは外国政権が悪意を持ってアメリカを侵食している証拠だとした。

 最も重要なのは、中国は法律で、いかなる規模の会社であっても社内に党支部を設けなければならないと定めていることだ。しかも、中国にあるアメリカ企業内にも、共産党の組織が設置させられているのだ。

 このような状況下で、アメリカの会社はファーウェイなどのような中国の会社と提携する際、再三に検討する必要がある。また、ファーウェイの設備やネットを利用する場合、すべてのアメリカ人は冷静に考え直すべきだ。世界最大の通信設備・機器メーカーであるファーウェイは昨年、アメリカで起訴された。訴状によると、何度もアメリカ企業から知的財産権を窃取した罪、司法妨害および通信詐欺の罪に問われた。

 中国の脅威に有効に対処

 レイ長官は、情報機関や法執行機関は、企業や大学、国民が対応できるように必要なツールを提供するために、これまで以上に努力していると述べた。そして、我々は真の成功を得たと強調した。各国の連携によって、アメリカは全世界で多くの犯罪者を捕まえてきた。詳細な調査とこれらの起訴によって、中共が用いた貿易手段と技術はすべて暴露された。

 それはつまり、中共がアメリカの刑法や国際規範に違反した場合、それを容認してはならないということだ。FBIとアメリカ政府は、アメリカ国民の協力のもとこれらに警戒し続け、中共に責任を追及し、我が国の情報と知的財産、生活を守っていくとレイ長官は述べた。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/7/9/408778.html)
 
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