【明慧日本2013年6月18日】イタリアの大手日刊紙ラ・スタンパ新聞(La Stampa)は今月8日、「習近平・オバマ会談に投じられた人権『爆弾』」のタイトルで、新唐人テレビが製作したドキュメンタリー映画「フリーチャイナ」を紹介した。記事の中で、法輪功が中国で迫害を受け続けていること、及び中共(中国共産党)当局が、組織的に法輪功修煉者の生体から臓器を摘出し、売買していることが書き記された。
記事の冒頭で、次の内容が掲載された。「法輪功迫害を伝えるドキュメンタリー映画が、ニューヨークで上演されている。オバマ大統領と習近平国家主席が、米国カリフォルニア州・アネンバーグ別荘で会談しているとき、『フリーチャイナ』をニューヨークQUAD映画館で上演し始めた」
「この映画は2人の法輪功修煉者が中国の労働教養所に拘禁された経緯と、そこで体験した拷問が描かれている。中国の労働教養所に拘禁された人々は強制的に臓器を摘出され、外国の移植患者に売られた。このドキュメンタリー映画は、会談中の習主席に無声の平手打ちをくらわしたことは言うまでもなく、中国の人権問題を忘れてはいけないと世界に呼びかけているようだ」
このドキュメンタリー映画は、ロサンゼルス・インディペンデント映画祭の最高賞を始め、幾つかの国際賞を受賞した。制作者は新唐人テレビ局、監督はマイケル・パールマン氏である。
制作のきっかけは、当ドキュメンタリーの黄昇建(Kean Wong)プロデューサーが、主人公・曾錚さんをオーストラリアで救助したことから始めた。共産党の党員だった曾さんは、中国で法輪功を学んだことで、不当に連行され労働教養所に拘禁された。そして曾さんは、同施設で修煉を放棄するまで拷問・虐待を受け続けたという。黄さんの助けの下、オーストラリアに移住できた曾さんは自伝を書いた。後に黄さんは、映画「チベット・恐怖を越える」のプロデューサー・マイケル・パールマン氏と出会い、曾さんのことを話した。そこで自伝を映像化することに2人は共鳴した。さらに中国系のアメリカ医師・李祥春さんの出来事もドキュメンタリーに取り入れられた。李さんは法輪功迫害に関する真相を中国でテレビに流す計画をしたため、中国の空港で逮捕され、刑務所に拘禁された経験がある。
ラ・スタンパ新聞のニューヨーク駐在の記者が「フリーチャイナ」の試写会で、2人の主人公と監督を取材した内容も掲載された。記者は、習主席はこの映画に大変不安を感じたことであろうと記事で述べた。曾さんは労働教養所で受けた拷問を次のように語った。「最初に、私達は16時間もしゃがまされ、それから滅多打ちなどの暴行を受けました。暴行が終わると、身体の精密検査を受けさせられました。実はこの検査は後で臓器を摘出し売買するための資料作りのためだったそうです」
曾さんは労働教養所で、友人を裏切ったことで受けた精神的な苦痛も語ってくれた。「私は娘のそばに戻りたい一心で、警官に屈服しました。警官は、私が裏切者だと思ったでしょう。解放される前日の夜、私は19歳の女性修煉者を監視するように命令されました。彼女は警官に屈服しませんでした。『私は出られたけれど、このような若者がここで暴力を受け続けている』と思うと、私はとても切なく涙が溢れ出そうでした」
マイケル・パールマン監督は「このような基本的人権でさえ保障できていない状況下で、私達は中国と取引をすべきではありません。私達は彼らに対して圧力を掛けるべきで、ネット上で署名を集めることからでも始めるべきです」と述べた。